新・私に続きを記させて(くろまっくのブログ)

ハイキングに里山再生、れんちゃんとお父さんの日々。

ジャングル・ブギー

2024年02月16日 | 映画/音楽
12時25分からの能登半島地震震災ライフライン放送が始まってから、昼の社員食堂のテレビは、民放を流すようになりました。だれかが賄いのお姉さんにリクエストしたのでしょうね。国会中継のときも民放を流しています。


そんなわけで、しばらく『ブギウギ』を見ていません。ついに『東京ブギウギ』も出てきたんですね。


民放は「住みたい街」3位にランクインしたという大宮の食レポでした。名前を忘れた創価学会の女性芸人がレポーターで、お店に関するクイズが出るのです。先週も大宮が出てきたような気がします。太宰治ゆかりの病院が出てきました。ロケは一日で済ませ、小分けにして放映しているようです。


完全予約制のパフェ専門店の、この店だけのうれしいメニューは、三分の一サイズのおかわりパフェ。CMをはさんで、答えがわかったところで、食堂の皆に聞きました。


「チャンネル、『ブギウギ』に替えてもええすか?」


特に反対する人はいませんでした(クイズの途中ならまた別だったでしょう)。どーぞ、どーぞというわけで、久しぶりのNHKです。4分ほど経過していましたが、スズ子が幼なじみのタイ子と和解して抱き合い、オープニングテーマが始まるところでした。


どうやら今日は『ジャングル・ブギー』爆誕の回のようでした。いつもは食事を終えたらチャッチャと昼の日課のウォーキングに出かけるのですが、今日はお茶を飲みながら歌唱シーンを待ちました。


草なぎくんの服部良一いいですね。『ジャングル・ブギー』は黒澤明作詞で、三船敏郎のデビュー作『酔いどれ天使』の劇中歌なのですが、映画のエピソードは切り離したようです。エノケンに続き、黒澤や三船も出てきたらおもしろかったですが、それは話が広がりすぎということかな。


スズ子待望の新曲は完成し、公演へ。


樹里さんのヒョウ柄の衣装、『けものフレンズ』のサーバルちゃんみたいでかわいかったですね。


かわいかったのですが……


声も踊りもきれいすぎるのです。舞台『わが歌ブギウギ』を観たときは、シヅ子役の宝塚元男役トップがあまりにもミスキャストで、その頃亡くなった本田美奈子の若すぎる死を惜しんだものでした。本田美奈子の笠置シヅ子が観たかった!

ここは樹里さんの声域やキャラクターに合わせ、ジャングルというよりジャパリパーク風に、かわいくリメイクすればよかったのではないでしょうか。笠置シヅ子だと思うから違和感があるので、サーバルちゃんだと思えば「ガオガオ」っていっているだけでかわいいものです。

「やはり本物にはかなわんなあ」と呟いて、チャンネルを替えておきながら、最後まで視聴することなく食堂を後にしました。

私は笠置シヅ子が歌手を引退してからの生まれですから、リアルタイムで「歌手」笠置シヅ子を知りません。「カネヨンのCMの大阪のおばちゃん」と、『東京ブギウギ』のブギの女王が同一人物だと知ったのは、実はごく最近のことです。

私が初めて笠置シヅ子に出会ったのは、『酔いどれ天使』のダンスホールのシーンでした。あの『ジャングル・ブギー』は衝撃的でした。あの曲に合わせて踊る三船敏郎は、自滅まっしぐらの滅びの光りに輝いていました。

しかしこの映画をいつどこで観たのか、記憶が判然としないんですよね。

家族と一緒に観た記憶はありません。家を出ていた高校・大学時代か。それとも、社会人になっていたのか。

このブログの2006年暮れの投稿には、『酔いどれ天使』を収録した黒澤明DVD-BOXを買い求めた記録があります。しかし、さすがにそれが初見ではなかったようです。

このブログには、笠置シヅ子没後20年の2005年、NHKの銀河テレビ小説の同名作を舞台化した『わが歌ブギウギ』を観に行った記録も残っていました。

私はこんな風に書いています。


オープニングはあの名曲『ジャングル・ブギ』。ステージに登場した真琴つばさのワイルドなM字開脚ポーズに胸が高鳴る。しかし歌を聴いて、がっかりした。歌を聴いてがっかりするなんて滅多にあることではない。
おそらく、声域が全く合っていないのだ。笠置シヅ子のワイルドな唱法には、完全にミスキャストだった。本田美奈子が生きていたら! 彼女の早すぎる死が惜しまれる。歌だけなら親友のリリーを演じたOSKの桜花昇のほうが実力は上である。

いますぐみなさんにも『酔いどれ天使』の笠置シヅ子登場シーンを観ていただきたい! 時間がない? 明日も仕事? それは仕方ないですね。こんな動画を見つけました。


『酔いどれ天使』
https://www.youtube.com/watch?v=zEUi9lbHtIU

舞台『わが歌ブギウギ』や、黒澤明DVD-BOXを観る以前に、すでに『ジャングル・ブギー』を知っていたことが、この記述からもうかがえます。リンクした動画は、最初のほうは音源が割れていますが、『ジャングル・ブギー』の部分は問題ありません。

この『酔いどれ天使』の動画は、いずれ削除されてしまうかもしれません。
こちらのサイトにもリンクを貼っておきます。

☆ブギの女王☆ 笠置 シヅ子(シズ子)【4曲メドレー】♪ラッパと娘 // ヘイヘイ・ブギ // ジャングル・ブギー // 東京ブギウギ♪
https://www.youtube.com/watch?v=o-s6dWvtb1k


この4曲メドレーに収録の『ジャングル・ブギー』は、『酔いどれ天使』から4年後、1952年収録です。この年、笠置シヅ子は38歳ですが、かなり大胆できわどい衣装です。

笠置シヅ子が歌手業から引退したのは、体重が増えた=以前のようにからだが動かせなくなったからだそうですが、たしかに、ルノワールの絵のモデルのような見事な肉置(ししおき)で、この5年後の引退を予感させます。しかしこのころは歌唱力とダンスのキレに衰えはまだ感じさせません。ロープに捕まってターザンのように舞台に飛び込んでくるシーンは圧巻です。

『ブギウギ』も残り一か月あまりになりました。この後、「ベビー笠置」といわれたという美空ひばりも登場するのかは、少し気になります。もし美空ひばりが出てこないのなら、この番組を追いかけるのはもういいかなと思いました。笠置シヅ子の残された映像や音源を楽しむことにします。「カネヨンのおばちゃん」は、ほんまにすごい人やってんなあ。


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