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新・私に続きを記させて(くろまっくのブログ)

ハイキングに里山再生、れんちゃん姉妹とお父さんの日々。

内田樹センセのスト宣言支持

2010年08月31日 | 読書
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100830-00000501-san-ent
仏文学者の内田樹さん「スト」宣言に賛否 売れっ子新刊ラッシュに待った


 内田センセのスト宣言支持。

 この記事によると、2009年の新刊は過去最多の7万8555点。1980年代には新刊書の点数は3万点くらいだった。しかし本屋の売り場面積も読書人口も増えたわけじゃない。ケータイやインターネット、ゲームのような競合も増えて、生活時間争奪戦争になっている。それなのに新刊点数は増え続けてきた。おかしいよね。

 出版社はいま大なり小なり、新刊書を粗製乱造して、資金を回転する自転車操業に陥っている。この新刊バブルも、「条件払い」で代金の一部(20%~90%以上まで)が取次から入金される、取次システムの弊害だと思う。返本の時にお金を返さないといけないから、また新刊を出す。完全に悪循環。

 大手出版社は、外注や下請は容赦なく値下げや切り捨て、派遣は雇い止めのくせに、赤字といわれても同情する気になれない。出版点数を絞り込む、役員報酬カットする、早期退職制度を充実させる、遊休資産を売却する、他の業界なら普通にやっていることをしていないだけ。大手出版社の新刊バブルは、中小零細の出版社を圧迫することにもつながっている。

 しかし発端になったブログの店長さん、よくぞ言ってくれたという感じだね。
 
http://www.ikkojin.net/blog/blog6/post-2.html
いま書店界で一番話題なのが、
いつ「池上バブル」が弾けるかということです。
最近の書店バブルに「茂木バブル」「勝間バブル」があります。

「茂木バブル」は出版点数が増えるにつれて1冊1冊のつくりが
スピード重視で雑になり、文字の大きさが大きくなり、
内容が薄くなってきて、でもそれに対して書店での露出は増え、
そして点数が多いことでお客さんが何を買っていいか分からなくなり、
バブルが弾けました。

「勝間バブル」ははじめの切れ味のいい論旨が、
出版点数を重ねるにつれて人生論や精神論のワールドに入り、
途中「結局、女はキレイが勝ち。」など
どう売ったらいいか書店界が困る迷走の末、
対談のような企画ものが増え、
結果飽和状態になり、弾けました。

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 書店に行っても、読みたいと思う本がない。どこの本屋さんも似たような品揃えで、リアル書店ならではの醍醐味もない。「それならAmazonでいいじゃん」とますます客足を遠のかせているんじゃないかな。

 こういう本屋さんのリアルなホンネが、もっと出てきた方がいいと思う。女性誌や少女マンガ誌の附録をセットしているのは書店の店員さん。販売現場にこんな半製品のセット作業を押しつけているのは、出版業界だけだ。

 「悪貨は良貨は駆逐する」というグレシャムの法則は、裏返していえば「良貨は退蔵される」ということ。悪貨が氾濫するバブルの渦に巻き込まれないために、内田センセの塩漬け宣言は正しい選択。新刊が出るのを気長に待っています。

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