新・私に続きを記させて(くろまっくのブログ)

ハイキングに里山再生、れんちゃんとお父さんの日々。

六月の神戸はおとぎ話

2024年05月13日 | おでかけ
土曜日、アクセス数が420人を超えました。

なぜか3月のこの記事が85PVで、よく読まれていました。アクセス数420も85PVも、このブログにしてはがんばっているほうです。




雪の中でも不敵な面構えの山猫マヤー。心配そうなれん。愛娘ふたりのツーショットです。

雪の日なのに、マヤーは元気に走り回っていました。


猫小屋に降ってきた雪もおいしそうにペロペロ舐めていました。

冷たくて、おいしいのかな?

「猫はこたつで丸くなる」という固定観念が打ち壊された一日でした。



しかし、2月の吹雪の日は、マヤーもさすがに心細かったようです。

あの日の天気予報は午後から雨でした。しかし、雨はみぞれになり、そして雪に変わりました。

マヤーは私たちを彼女の隠れ家に案内してくれ、ツンデレ全開で「あんたらも泊まっていったら?」と愛娘に声をかけてくれたものです。

あの吹雪のなか、お山でひとりぼっちで暮らすマヤーと一緒にいてあげたい愛娘のやさしい気持ちは痛いほどわかりました。

しかし昼なのに気温は氷点下。夜にはさらに冷え込むでしょう。万が一の遭難用の装備や準備もあったとはいえ、それはあくまで非常用のものです。マヤーはお山のベテランですが、私たちおやこはまだまだ初心者です。後ろ髪を引かれる思いでマヤーに別れを告げたものです。

それなのに、吹雪はマヤーと別れた数分後には収まりました。ケーブル駅「虹の駅」前の千万弗展望台で見た美しい虹のことは、今も忘れることができません。今にして思えば、マヤーは天候が持ち直すことを知っていて、私たちをお泊りに誘ってくれたのでしょうね。超繁忙期で、翌日もギチギチに仕事が詰まっていた私は、愛娘をひとり山に残して行くわけにはできませんでしたが。



「金田一耕助」で有名な横溝正史は神戸出身で、虹のかかった摩耶山が出てくる少女小説も手がけているのだそうです。

以下、学生募集停止の決まった神戸海星女子学院大学のサイトより。「あの
横溝が少女小説を書いていたの?」というだけでも貴重なアーカイブです。摩耶山の「虹の駅」で本物の虹を見た私たちにとっては忘れがたいテクストです。

神戸海星女子学院大学の廃校が決まった以上、いつまでこのサイトが存在するかわかりません。以下、文化保全の意味で、全文を引用させていただきます。

青谷・王子・摩耶山を舞台とした文学


6月10日に本学で行われた、カトリック大学・短期大学連盟総会で、神戸海星女子学院大学周辺を舞台にした文学について、お話ししました。

今回ご紹介した作家は、宮本輝・今東光・横光利一・妹尾河童・大岡昇平・堀辰雄・田辺聖子・谷崎潤一郎・泉鏡花・横溝正史など17名です。何れも、青谷や王子、摩耶山を文学作品の舞台として描き込んでいます。




写真は、神戸海星女子学院大学の屋上から撮った虹の写真です。このような美しい虹の風景を短篇小説に描き込んだ作家がいます。神戸生まれの横溝正史です。ミステリー作家として有名な横溝正史ですが、神戸を舞台とした初期作品では、ロマンチックでお洒落な短篇もいくつか発表しています。「虹のある風景」(「近代小説」1929年6月)に登場するマリーという少女もロマンチックでお洒落です。神戸で華族の御姫様になる夢を見ようとしたマリーは、神戸で恋をして、雨上りに忘れられない風景に出会います。

「摩耶山のてっぺんから神戸の港へかけて、大きな虹がかかっていたの、そりゃ美しい虹だったわ」

現実と夢を行き来するマリーの物語を、作者は、次の言葉で結びます。

「六月の神戸の街はお伽噺である」

六月の神戸は、今も私たちに、自分だけのお伽噺を紡がせてくれるかもしれません。少し、街に出てみませんか?  
 (文責:箕野聡子)

峠茶屋にひとり暮らすマヤーは、いまいくつなんでしょうね。2013年の記録として、掬星台に生まれた白黒猫の子猫たちの写真を見たことがあります。しかし、マヤーとは微妙に模様が違います。

ネットで検索する限り、摩耶山上野道の峠茶屋跡で暮らす白黒猫のマヤーの最初の記録は、2021年5月です。

六月の神戸の街はおとぎ話。たしかに、いろいろ思い当たることがあります。摩耶山に登るようになって、幻のモリアオガエルの卵を見つけたばかりか、そこらへんをふつうに飛び跳ねているのに、感動したものです。そのほかにも、いろいろな出会いがありました。もうすぐ楽しい六月がやってきます。


このときのマヤーは立派な成猫です。と、
するならば、現在は四歳以上なのでしょうか。人間でいえば32歳くらいです。愛娘のれんが、マヤーに対して、あるときは姉のように、あるときは妹のように接しているのもわかります。れんもマヤーもふたりともかわいいですね。




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