KU Outdoor Life

アウトドアおやじの日常冒険生活

上越・清津川サゴイ沢 #2

2011年09月11日 | 沢登り

二日目

天候:、夕方少し
行程:起床5:00-ビバーク・ポイント出発7:00-15m三段滝8:55-二俣9:15-稜線-赤倉山直下分岐-赤湯16:45-車止め20:00

 昨夜はその後、雨もそれほど降らず、不整地ながら快適な睡眠を得た。
 普段だと山で早寝すると夜中の0時前に目が覚めて、それからは目が冴えてなかなか寝付けず、半分寝て半分起きているような中途半端な状態が続いたりするが、今回は最初に目を覚ましたら既に朝の4時過ぎ。
 マムートの中綿ジャケットに雨具上下、それにシュラフカバーだけだったが、寒くはなかった。

  左岸に見つけたテン場

 朝のラーメンを食べて、サゴイ沢の後半戦に突入。
 最初のうち雲が張っていた空も見る見るうちに晴れてきて、絶好の沢日和。

 昨日のうちに既に上流部の連瀑帯に入っていたかと思われたが、実はまだまだ手前だった。
 もしかすると、トポの地図と多少ズレているかもしれないが、以下、主だった滝を一つずつ紹介。

 7m二条滝?
 
左壁が登れる。Ⅲ級(以下、アルパイン・グレード)

 
 
 
 8m滝。
 水流左が階段状のフェースで、Ⅲ級。
 手前に深い釜が控えており、私は釜の左側からヘツり(Ⅲ~Ⅳ-)、残りはメンバーは右側から滝の裾をトラバースして取り付く。
 Y岡が何を血迷ったか、無意味なシャワー・クライム。  

 
 
 
 
 
 10m二段滝。
 これも左壁。下段はⅢ級、上段は狭い岩の隙間を通って小さく巻けるが、Y岡がここでも無意味な泥壁を直登(Ⅳ+?)。
 目が一瞬マジになって、ちょっとプルプルしていたような・・・。
 
 その後、小ゴルジュ。

  うりゃ~!
 
  コバちゃん、行ってらっしゃ~い


 7m滝。
 釜の左側をヘツり(Ⅲ+)、そのまま逆層気味の左壁を登る。(Ⅲ)


 

 
 
 

 10m滝。
 おそらく、ここがネットの記録などでシャワー突破している滝だろう。
 水流右がたしかにハイステップで登っていけそうだが、今日のところは水量が多くて無理。
 一応、取り付いてみるが、凄まじい水の勢いに目を開けていられず、雨具を着ていても一気に体温を奪われてしまった。
 
 そうこうしているうちに、山Pが釜を泳いで右岸から攻め、コバちゃんも後に続く。

  
 10m滝。泳ぐ山P

 私とY岡は左岸をヘツって水流際の立った壁に取り付き、落口へトラバースする。
 右岸は何とも心細い草を掴んで脆い泥壁、左岸は張り出した岩が胸につかえてちょいとボルダー・ムーブを要した。いずれもたぶんⅣ+。
 ここで一回だけロープを出した。
 トポでは左岸から巻けるらしいが、よくわからず。

 

 

 
 15m三段滝。

  
 
 これもパッと見、立っていて、う~んどうしたもんかと思っていたら、山Pがスルスルと滝に近づき、水流右をたやすく登ってしまった。
 取り付いてみると、凹角状で意外と簡単に行けた。Ⅲ+。

 その先でようやく二俣となる。
 トポではテン場があるようだが、それほど快適な場所は見当たらず。
 この辺りでもまだしつこく岩魚の影がビュンビュン走り、一体どれほどいるんだと呆れてしまう。

  二俣

 二俣は左へ進み、3mほどのちょっと立ったスラブ滝が二つ。
 いずれも左側を熊笹AOのスメアでクリア。

  スラブ滝。釜は深い。

 ようやく水涸れとなり、そのまま詰めていくと、最後は踏跡も怪しくなり怒涛の藪漕ぎとなる。
 私が先頭でルートを選んだのだが、熊笹が全身を突き刺すように立ち塞がり、なかなか進まない。
 もしかしてこれはコース・ミス?
 後ろのメンバーから「もしかして間違えてんじゃねーの?」という疑惑の視線をビシバシ感じながら、かといって他にこれといった踏跡は見つからない。
 結局、熊笹地獄と格闘すること一時間半。気持ちと体力が尽きようとする頃、ようやく見晴らしの良い草付き露岩帯に抜けることができた。ホッ・・。
 他パーティーの記録では、ここの藪漕ぎに2時間半~3時間なんてのもあったから、まぁそんなにルートを間違えたわけでもないだろう。(弁解?)

 

 稜線に出て小休止。
 ここから苗場山を経由して下山する予定であったが、けっこう時間がかかるようなので割愛。もっと近い赤倉山経由で下山することにする。

 
  
 赤倉山まではよく踏まれた道だったが、その先、直角に折れて赤湯までの下りはあまり使われていないのか、かなり藪に覆われている。
 下りだからいいもののとても登る気はしない。
 疎らにある赤テープを頼りに下っていくが、夕暮れ時になったらまず下らない方が良いだろう。

 下りに入ったところで、コバちゃんが遅れ気味。どうも右膝を痛めてしまったらしい。
 残りのメンバーで荷物を手分けして、夕闇が迫る中、下山を急ぐ。

 赤湯の山口館を過ぎ、鷹ノ巣峠を越えた辺りで完全に日が暮れ、ヘッデン残業となる。
 サゴイ沢は帰りが長い。辛いだろうが、コバちゃんには頑張ってもらうしかない。
 全員次第にヨレてくるが、頑張って歩く。

  立つんだ!ジョー!

 駐車スペースに着いたのは夜の8時。
 何とか無事に帰り着いたのはいいが、今度はなぜか我が愛車のエンジンがかからない。
 「えぇーっ?こんな夜に発車できないなんて!」 ・・・頼むぜ、清志郎!
 結局、JAFを呼んだりして何だかんだで横浜に着いたのは月曜夜中の2時を回ってしまった。

 そんなトラブルはあったが、サゴイ沢は予想以上に良い沢だった。
 高さはないが豪快な滝、明るいゴルジュに深い釜、そして岩魚がウヨウヨ・・・。
 谷川南面のオジカ沢を「ミニ・オツルミズ」と例えるなら、このサゴイ沢は「ミニ赤石沢」(南アルプス)と言っていいかも?
 アプローチが長い分、人気が無いのか、ガイドブックでは☆二つだが、沢の内容としては☆☆☆☆あげていいと思う。


[サゴイ沢(二日目)・写真集]



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5 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
山P (Unknown)
2011-09-17 22:54:53
監督さん、二日間本当にお世話になりました。サゴイ沢最高に良い沢でした。予想外に良かったのは、車止めで先に進んだ一台以外、山中誰にも会わなかったこと。最近のネットの記録では割と人気ありそうな感じでしたが、105ルートにある「人臭さのない原初の姿にふれる沢」の看板に偽りなしでしたね。(ゴミとかもないし)
そんなわけで泳ぎ・ヘツリ・シャワーと沢を満喫させていただき、詰めの藪こぎもきつかったですが、あれはあれで上越にきたな~て感じでよかったです(もっとも自分は最後尾で一番ラクしちゃってましたが…みんなルート云々を考える余裕などなく、無心で監督さんについていってましたよ~)。
また今回みたいな沢やフリーの方など、ご一緒させてもらえるときはよろしくお願いします!

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拝見です! (takeshi)
2011-09-20 18:59:24
楽しそうですねぇー♪

ところで、車の故障の原因はなんだったんでしょう?
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サゴイ沢 (現場監督)
2011-09-21 22:32:40
山ちゃん、サゴイ沢お疲れでした。

 明るい渓相の中、釜、滝、ヘツリ、高巻き、岩魚、藪漕ぎ・・・とテンコ盛りの内容でなかなか充実してました。
 ゴミが無くて、我々だけで貸切というのも最高でしたね。
 ただ、自分としては、すぐ間近でY岡に「尺(ユミコ)」を横取り?されたのが悔しかったですが・・・。
 デジカメの写真を改めてフル・サイズで見てみると、釜の中に魚影らしきものが相当写っていて、改めて驚き!周辺の熊ノ沢、棒沢も要チェックです。

 で、例の「秘境」もいつか行ってみたいですねー。


タケちゃん、どーも。

 先月は結局ご一緒できず、すみませんでした。
 サゴイ沢は滝の登攀という点ではタケちゃんにはちょっと物足りないかもしれませんが、なかなかイイ沢でしたよ。

 車ですが、ディーラーの工場に四日間預けましたが、結局ハッキリした原因は究明できず。
バッテリーはビンビンだし・・・(清志郎?)
 ただ、そのまま返すわけにはいかないとのことでスターターのセル・モーターを新品に交換してくれました。
 まぁ、ケータイのつながる地点でJAFを呼べたのが不幸中の幸い。これも一種の守護霊さまのお情けでしょうか?
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今週行ってきました (takeshi)
2015-08-02 22:55:53
サゴイ沢、遅ればせながら、昨日今日と単独で行ってきました。早速、監督さんの記録と比べた所、
●初日初っ端の5mCSは右岸巻きは同じでしたが、懸垂下降しました。
●サゴイ沢に入って8m滝はすぐ右のルンゼで高巻いたけど小さく巻きすぎてこれまた懸垂
●3段15m滝は右から登れるとは知らず、左壁の弱点から上がりましたが下段落ち口が突破出来ず、そこから藪に入り高巻き
●二俣は水量の多い右に入って、何とか一人分のスペース見つけて快適幕営。詰めは遥か彼方の方に詰め上がりました(笑)
記録は今から書きますです。。
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Unknown (現場監督)
2015-09-01 22:14:22
サゴイ沢、いつかまた行きたいな。
今度行く時はやはり苗場山まで行かなければ!
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