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アウトドアおやじの日常冒険生活

2019台湾の旅 #1-ニイタカヤマノボレ・計画編

2019年10月04日 | 海外

 さて、2013年から続いていた海外登山だが、昨年(2018)は諸々の都合で行くことができず。
 そろそろ禁断症状が出てきて、どこでもいいから日本の日常を飛び出したいと思って、思いついたのが台湾である。
 当初は龍洞でのクライミングを予定していたが、諸般の都合でこちらは延期。
 おそらくいつかは行くであろう海外の山リストから、ベタだが今回は台湾最高峰の玉山を計画した。

 玉山は、かつて台湾が日本の統治下の頃、「新高山」と呼ばれ、昭和初期の方には馴染みの深い山。
 「ニイタカヤマノボレ一二〇八」は日本が太平洋戦争を仕掛ける(敢えてこう書こう)際の暗号にもなった山である。
 標高は主峰が3,952mで富士山3,776mより高く、近年はマレーシアのキナバル、タンザニアのキリマンジャロよりもさらに身近な海外登山の第一歩とも言える。
 今やネットで検索すれば多くの人の登山記が見つかり、今さら自分が書くこともないが、備忘録として残しておこう。
 個人で登ろうと思っていない人にはまったくつまらない内容なので、あしからず。

 まず、玉山へ登るには大きく分けて三つのパターンがあると思う。
 A 日本のエージェンシー、ツアーで登る。
 B 現地のエージェンシー、ツアーで登る。
 C 個人手配で登る。

 そして、それぞれのメリット/デメリットは、
 A 安心、安全/料金が高い、団体行動(予算は約20万円)
 B 手配が楽、安い/言葉の問題、団体行動(予算は約6~7万円)
 C 安い、自由/手配が大変(予算は約5~6万円)
 
 自分が選んだのはもちろん「C」であるが、玉山個人登山の場合、最初の鬼門となるのが事前の手続きである。
 台湾の山は基本的に国が管理していて、フラッと行って勝手に登るわけにはいかない。まずここが面倒くさくて個人登山を断念する人も多いと思う。
 手続きとしては、
1 玉山国家公園への入園申請
  台湾国立公園入園オンライン申請のHP(日本語表示あり)   
   
  玉山は毎日解放しているわけではなく、入れる日が限定されていて、まず上記HPから入園申請する必要がある。
  主峰だけなら登山口から往復10~12hほどの日帰り登山も可能だが、通常は七合目付近にある排雲山荘(パイウンロッジ)に一泊しての二日間行程。
  小屋は114名が定員で4か月前?から先行申請可能で早い者勝ちだが、自分が思い立ったのが出発の2か月前でその時点で既に満員。
  かと言って打ち切られるわけではなく、溢れた者で抽選となり、結果は出発の1か月前になって初めてわかる。外国人優先枠もあり。
  実は昨年の秋も申し込んだのだが、クジ運がいいのか、一人なのでスッと割り込めたのか、自分は二回とも当選した。
  人数が多いとメンバーの一部が当選、一部が落選ということもあるかもしれない。
  あと申請の際は緊急連絡先を決めなければならず、日本国内で構わないが電話番号の他、緊急連絡先の身分証明IDを求められる。
  日本のマイナンバーや運転免許証、保険証No.は当然、国際的に通用せず、そうなると留守宅となってくれる人のパスポートNo.が必須だ。

 
 
玉山国立公園の入園許可書(左)と入山許可書(右)
この二つを3部コピーし、登山管理所と隣にある警察署、さらに排雲山荘に提出しなければならない。

2 航空券の手配
  当然、格安航空券(LCC)も出発間近よりなるべく早い時期の方が安いものを確保できる。
  上記入園許可を確認してからの航空券確保では遅いので、ここは玉山へ行けなくてもダメなら観光でもと割り切って上記日程に合わせてeチケットを確保してしまおう。どうせ往復でも1~2万円代だし。
  ちなみに何かの都合で行けなくなった場合、こんな保険もある。チケットガード保険

3 現地警察への登山申請、その他宿泊先、交通手段等の手配
  当選したら自分の場合、排雲山荘コースだったので、三日以内に指定の現地銀行口座に山荘利用料金を振り込まなければならない。それを振り込まなければ、せっかく当選したといっても正式な許可とならない。しかもクレジットカード決済不可!
  ここが一番冷や汗をかいたところで、自分が当選通知をもらったのが金曜の午後3時。
  仕事を終えて、すぐに大手の郵便局や都市銀の窓口に出向いたが、たかだか1,800円を振り込むのに手数料が5~7千円かかると言う。
  ネット銀行の口座を持っていれば手続きは早いが、それでも3千円ほどかかるらしい。
  しかも明日、明後日は土・日だし、入金間に合うのかとヒリヒリしたが、それは後述の手配で一気に解決。
  次に宿泊先だが、玉山登山の場合、登山口のさらに下にある東埔山荘がよく利用されている。
   
  ここは国家公園と関係なく、自分で予約しないといけないが、メール受付は無く、電話受付は中国語のみ。
  さらに交通手段だが、台北から嘉義までは鉄道かバス。嘉義から阿里山までは路線バスと公共交通機関があるが、阿里山から登山口の上東埔駐車場まで(車で40~50分)は何らかの交通手段を確保しなければならない。(歩くのはまず現実的でない!)
  東埔山荘のHPにワゴン車チャーターについて書かれているが、これも中国語による電話受付のみ。
   
  せっかくここまで自分で申請、当選したものの、その先で中国語三千年の歴史が重くのしかかり、行く先は難攻不落と思えるのだった。

  しかし、ここで救世主現る!
  何かの拍子に偶然見つけたツアー会社にこれこれこういう事情でと問合せ先にメールを送ったところ、海外送金、警察への申請、東埔山荘の予約、途中の交通手段確保とその他諸々の雑多な手配を一気に片づけてくれた。
  全て併せた手数料も自分で海外送金するより全然安く、土曜午後に連絡したにも関わらず日曜午前中には全て解決。
  安い!早い!丁寧!と三拍子揃ったサービスに驚いた。
  それがここ。
  Satis Tour(サティスツアー) お勧めします!

  この会社の強みは本社が台湾、支社が東京にあるため、お願い事はすべて東京支社へ日本語でOK。
  台湾の本店と連携して即座に動いてくれることだ。
  ここまで長々と書いてきたが、早い話、個人登山の場合もここに一切任せてしまって間違いない。
 
4 旅の行程
  というわけで、全体のスケジュールは次のとおり。
  10/4(金)午後から有休を取り、夜の便で成田から台湾へ。そのままエアポートビバーク。
  10/5(土)移動日。桃園空港(MRT)台北(新幹線)嘉義(路線バス)阿里山(チャーター車)東埔山荘泊
  10/6(日)東埔山荘から登山一日目、排雲山荘泊。
  10/7(月)排雲山荘を出発、登山二日目。そのまま下山し、台北まで戻る。
  10/8(火)一日観光。龍洞、九份、士林など。そのままエアポートビバーク。
  10/9(水)早朝の便で昼前には成田着。半日休んで翌日から出勤。
 
 登山に関しては上記A、Bのツアーではまず主峰のみの登頂となるが、やはりそれだけではもったいなく、北峰や東峰にも登りたいとダメ元で追加申請してみた。
 台湾では単独行の人は少なく、まして玉山東峰は台湾「十峻」の一峰として上級コースに位置付けられており、わけのわからん日本のオッサンは即座にハネられるだろうと思ったらあっさり許可をいただいた。

 登山に関して参考にしたのは、こちらのHP
山と道-ラボ渡部の玉山登頂記 (トレイルランナーのペースなのでタイムは真似できないが、参考になる。)
Taipei Hiker (こちらは日帰り。台湾の山の概要がわかりやすい。)     
   
 28Lザックにウェストバッグ、サンダル履き。空港でのゴロ寝を除けば三泊六日?という弾丸バックパッキング。
 一泊で日本の山へ行くより全然気軽な格好で、成田から出発した。




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