三日目
天候:稜線は風強くのち快晴
前穂の向こうに月明かり
本日もイイ天気
本日は滝谷クラック尾根の計画だったが、ju9cho氏のアイゼンバンドが切れ掛かっていることが判明し、大事をとって予定変更。
juqcho氏はやむなく下山、私はせっかくなので奥穂、できればjuqcho氏ご推奨のジャンダルムまで行ってみることにする。
やたら早起きして張り切っている他パーティーを尻目に明るくなってから準備を整え、ここで一応解散とする。
では、本日も行きますか。
本日も白出のコルへのザイテングラートは、早くも蟻の集団のように登山者の列が連なっている。
近くにいた空身同然の男女二人組、そしてデイパック姿のガニマタおじさん(失礼!)を勝手にライバルと決めつけ、コルまで先に着くぞと頑張るが、昨日の疲れが残っていて(←言い訳)、結局追いつけず。
体力ねえなぁ、俺は。 (←「スラムダンク」三井の名言集より)
ザイテングラートの登り
それでも2時間ちょっと切るぐらいで、コルに到着。
コルには岐阜県警のパトロール隊が陣取っていて様子を聞くと、現在、奥穂へは氷雪の状況が悪く昨日までずっと登山を自粛してもらっているとのこと。
見るとコルから少し上がった鉄梯子の下が油を流したようにガチガチに凍っており、さらにしばらく待っていると奥穂からパーティーが下りてきたが、懸垂下降を強いられている。・・・マジですか?
ハーネスとギアは少々持参してきたものの、肝心のロープと下降器を涸沢のテントの中に置いてきてしまった私は為す術無し。
奥穂(左)とジャンダルム(右)
こちら涸沢岳方面
とりあえず右手の涸沢岳へ登る。
本日は西の飛騨側からの風が強烈で、天候は晴れているものの冬の八ケ岳並みの厳しさ。
気をつけないと脱いだグローブなどあっという間に持っていかれそうで、かろうじて山頂の指導標前に自分のザックを置いて記念撮影。
ザックのストラップが強風に舞っている
北穂(右)と槍(左)
その後、北穂まで足を延ばそうと思ったら、すぐ先がスッパリと切れ落ち、ここも懸垂下降しないと到底無理。
北穂まで行くつもりのロープを持った二人組もしばらく下を覗き込んでいたが、ちょっと不安げな6ミリスリングの懸垂支点を見て結局断念した模様。
懸垂地点を不安げに覗き込むお二人
コルへ戻ると、待機していた登山者の群れの中から一人、いかにもエキスパートといった感じの人が抜け出し奥穂へ向かっていった。
多くのギャラリーが見つめる中、雪煙の舞う急な壁を単独・Wアックスで登っていく姿がメチャかっこいい。
強行突破!
その後、何人かが続き、自分でも行けるんじゃないかと思ったが、そろそろ私も「落葉マーク」だし、無理して事故ったらそれこそ迷惑な話なので、敢えて自重。
まぁ、真冬の奥穂も以前登っているので、リスクを負ってまでこだわる必要はない。(←やや負け惜しみ)
しばらく写真を撮ったり、周りの景色を堪能した後、下山。
陽光に腐りかけた重たい雪に辟易しながら、天場まで。
今回はもういいかと思い、コーヒーでくつろいだ後、ゆっくりと撤収。
テント村での目印用に持ってきた「ミニ鯉のぼり」は本日入れ替わりに登ってきた子供連れにあげ、帰りは三人の娘連れのヤンママ?さんと四方山話などしながら下る。
さらば涸沢
何とか最終のバスに間に合い、公共交通機関のみで本日中に帰宅。
やや不完全燃焼の感は否めないが、天候には恵まれ、例年より雪の多いコンディションの中でバリエーション2本こなせたのはかなりラッキーと言える。
まぁ「運も実力のうち?」としておきましょう。
楽しく拝見させていただきました。
やはり、雪は多いんですね
細尾根の写真は見栄えがgoodです
こっちは、モロモロの滝、巻きに辟易しながらも、無事戸栗川集中を終了しました
今シーズンは雪も多く、前穂北尾根が実に綺麗でタケちゃんと行った時を思い出しながら眺めてました。
そちら、シカくんは大丈夫でしたか?