2階の窓からの風景
ここを自室にしていた時、朝はこの木に集まる鳥たちの声で目覚めるのが日課だった
この家に越してきたときに庭のあることが嬉しくて その年のクリスマスに夫が鉢植えのモミの木を買ってきた。
最初は鉢植えのままで2,3年過ごし、それが小さく感じられるようになったときに家の裏の狭い場所に地植えした。
その時は、そんな場所でも鉢植えよりもよほど広く感じたのに
すくすくと 木は大きくなるものだ
2階の窓と並んだ頃から「この辺りで止めないと・・・」と言い続けたのに、まあまあ~と放置してたらあっという間に
2階の屋根を超えて、根は家の土台に沿って横に伸びた。
鳥の声で目覚め、毎春の新芽の美しさに見惚れている夢のような時間は 竜宮城のようだったと今ならわかる。
で、もう この10年くらいになるのか?この場所では狭すぎると伐採を検討しはじめたのだけど
名残惜しさの方が勝って本気で業者を探すこともしていなかったし
夫が自分で伐るというのも阻止し続けた。 素人がこの大きさを伐るのは危険すぎる。
だがしかし、やはり田舎なので頼みもしないのに近所のおじさんが心配してくれて
「屋根を超える木があると家が傷む!」と言って知り合いの業者さんを紹介してくれたのが昨年末のこと。
他人が入ると事の進め方は早い
連絡したら早速やってきてくれた人は、愛想もそっけもない小柄で年齢も夫よりかなり上のようにみえる爺であった。
一人で来られて、ざっと見まわして 「畑に倒せば早いし料金は安い」(上から少しづつ切り落とす方法は桁違いだそう)
とだけ言い、お願いするかどうかの返事はいつまでに?と聞くと
「おれがしぬまでに」という。 (゚Д゚;)
これって、どう受け止めたらいいんだろう気長に?それとも急げ?
この超難問に、とりあえず中間取って「急がないので年が明けたらでいいです」と電話で返事をした(その方の奥様と思われる人に)。
年が明けても何の音沙汰もなく、さていつ連絡が?と思ってたら、一昨日「明日行く」と電話があり、えええええ?明日か~い??と
まあ、元々こちらもさして用事とかないけどさ
爺はこちらの都合なんか全く解してないらしい。というわけで、夫も娘も仕事休んで待機した。
紹介してくれたおじさん(昭和23年生まれ)が言うには「年寄とわけ―もん(若者)が二人で行くと思う」とのこと。
約束の時間ぴったりにトラック2台でやってきたその三人は
みんな爺だった。
いや、強いて言えば 私と同じくらい?ちょっと上?(絶対上!)くらいの若者が一人いたけどな。
夫含めた 4Gの集い
いや作業は早かったよ。さすがのプロ集団。 親方(最年長)はずっと壁にもたれて見てただけだけどw
工事現場の車両が通りかかるときだけ「まて!」と指示するところはさすがだと思った。
あっという間に切り倒されて回収作業。 たった一本でも枝葉の量がすごい。
うちの本物の「わけーもん」を手伝いに投入。(若者の基準範囲の広さ)
34年の年輪。 伐ることに名残惜しくてならない「うちの若者」二人の意向で置いていかれた木材w
脂が多くて(薪にもならない)、どーすんだこれ?
隣の畑も後継者がおらず、いつ宅地になってしまうかもわからないことを考えても、今切り倒して正解だったと思うのはわたしだけww
それでもその場所にぽっかりと空が見えると 寂しい気持ちがあるのも嘘ではない。
寂しくても、その年輪見てると食べたくなるもの
無印の人気商品。横に添えた本物の年輪を間違えて口にしてはいけない