木漏れ日の庭で一日を過ごし
日が暮れてこぼれだす部屋の灯りを外から眺めるとき
しあわせだと
つくづく思う
連休はおうちで完結した。
どこにも行かないのはもうずっと同じなんだけど、これほど思うままに家の仕事を堪能したことはあったかな?というくらい
畑や、庭や、家の中のことを 誰のためでもない 自分のために尽くした。
ま、夫頼みのことも多いので 夫は私のために休日を尽くしてくれましたよ ほほほ。
スーパーにらっきょが並んでいて 「あ、漬けなくちゃ」と慌てて購入。
いったい「らっきょ」っていつ出荷されるのかさえ よく知らない。
毎年同じ時期に山盛りのらっきょが野菜売り場の一部分を占領してるのを見てるのだけど
自分で漬けるという気が無いから、毎年スルーしていた
それが昨年に限って「漬けてみようかな~」と思ったんだった。 あれはいつだった?
今年はとにかく出てきたら買おうと思っていて 鹿児島産のそれが控えめに並んでいたのを即買いしてきた。
(後で調べたら6月だった!1か月も早いから まだ大量に出ないわけよ)
昨年は、らっきょの横に漬け方のレシピや、入れるだけ~の調味液やらも並んでいて これなら簡単!と思って漬けてみたけど
皮が幾分筋っぽく口に残る感じがして 日が経てば変わるのか?と思ってたけど変わりなく、自分で漬けるとこんなものか?
とりあえず、1キロは1年かけて完食した。(そしてほぼ夫が食べつくしたw)
その夏に、2週間の入院をして抗がん剤治療を受けたときに 後半に同室になったお姉さまと仲良くなった。
80代のその方は 小柄で気さくでおちゃめで とても話しやすい方で 私と同病だった。
この病院は様々な病気の治療で入院されているので、同じ病気の人と一緒になることがほとんどない。
その人は初めての治療での抗がん剤で それに関しては私のほうが少々先輩なので 薬剤名や治療方針を聞いただけで
まあまあ状況を察した。
彼女は特に不安を感じている風もなく、今まで大病したこともなく 特に苦しいも痛いもないので
ちょっと旅行に来ました みたいな雰囲気すら漂わせながら
普段は山の奥で一人暮らしをされていて、 近所の方とお茶飲み話するように 家のことや家族の話をしてくれた。
何日か経って、漬物の話をしているときに 「私初めてらっきょ漬けてみたの」と言ったら
「らっきょはねー」と、漬け方のコツを教えてくれた。
さすが!こういうコツとかは年長者に聴くに限る。 今年もレシピを探してみたけどそれはどこにも載ってない方法で
皮は泥付きのまま両端を切ったものを米のとぎ汁に半日から1日漬けてから剥くとよいという。
らっきょは皮がきれいに剥けているかどうかが決めて!
「もう絶対来年はその方法でやってみます!」と約束して しっかりメモもとった。
退院は私が先で 彼女は副作用もさほど出ておらず元気な様子だったけれど
「退院する」と告げたら、 ものすごくさみしそうな顔になった。
うん。わかるよ。 すごくよくわかる。 先に退院していく人を見送る気持ち。
お住まいの場所は、うちがよく出かける道沿いにあるらしくて こういう病気になっても町に住む息子たちの家には行きたくないと言っていた。
「いいところだものね。 よく行くところだから 通りかかったらお会いできるかしらね? 」と話していたけど
その約束だけはしなかった。
どんなに親しくなっても、それがご近所の方であっても 退院後にお会いした人はまれでしかない。
元気かな?と思いながら 声をかけることもない。
支度して病室を出るとき 彼女もベッドから離れて 部屋の出口まで見送ってくれた。
毎日見てたから小柄なのはわかっていたけど、立って並んでみると もっとずっと小さく感じた。
彼女の不安げな顔も初めてみた。
「じゃ・・ またね 病院でお会いするかもしれないですね」といって 手を振って あとは振り返らなかった。
今年がはじまって どれほど過ぎたころか
新聞に名前を見つけた
らっきょがスーパーの棚に並んだら
すぐ漬けよう
約束通り きっとおいしく出来上がる