初めて、エッセイに挑戦してみました。
最近は童話、ショートストーリー、いろいろ試みています。
昭和の香りのするお話。
カツ丼
初めてカツ丼を食べた日。
「こんな美味しいもの初めて食べた」
と大声で父に話しかける小さな私がいた。
父の顔はたちまち真っ赤になって
「そうか、そうか」
と照れ笑いした。
小さな私はそんな父の笑った顔が嬉しかった。
だから、何度も父に
「美味しいね」
と話しかけていた。
家に帰ると父と母が話している声が聴こえた。
「あー、恥ずかしかった」
「子供は正直だな」
「この辺田舎だから、外食が嬉しかったのよ」
隣町の定食屋で父が真っ赤になったのも、
女将さんがクスクスと笑ったのも、
きっとカツ丼が美味しいからだと思っていた。
だから、何か申し訳ないことしたな…と思った。
あれから時は経ち、憂鬱そうな学生がいた。
それは中学生の私。
家庭、学校、もう何もかもが辛かった。
食卓からは笑い声が消え、ご飯もみんなで食べることが無くなった。
そんなある日、父が
「昼飯食べに行くぞ」
と言った。
どこに行くのか…
中学生の私は父と外出するのも恥ずかしかった。
着いた所は、定食屋。
「おまえ、決めたか?」
「うん」
「カツ丼」
父は、少し嬉しそうだった。
私は、それから山あり谷ありの人生を
カツ丼と共に生きてきた。
だから、私がカツ丼という言葉を発すると
家族がざわざわとなり、クスクスとなり、あっはははとなる。
そんな家族と離れてもう何年になるだろう…。
今、私は結婚し夫婦二人で暮らしている。
そんな私にも
今日は辛いわと思う日だってたくさんある。
そんなときは主人に近所の定食屋に連れて行ってもらう。
黙々と食べる私を見て主人は言う。
「あんた、カツ丼好きだねぇ」
初めてなので、読みにくいところもあったかと思いますが、
たまに載せようと思います。
最近は童話、ショートストーリー、いろいろ試みています。
昭和の香りのするお話。
カツ丼
初めてカツ丼を食べた日。
「こんな美味しいもの初めて食べた」
と大声で父に話しかける小さな私がいた。
父の顔はたちまち真っ赤になって
「そうか、そうか」
と照れ笑いした。
小さな私はそんな父の笑った顔が嬉しかった。
だから、何度も父に
「美味しいね」
と話しかけていた。
家に帰ると父と母が話している声が聴こえた。
「あー、恥ずかしかった」
「子供は正直だな」
「この辺田舎だから、外食が嬉しかったのよ」
隣町の定食屋で父が真っ赤になったのも、
女将さんがクスクスと笑ったのも、
きっとカツ丼が美味しいからだと思っていた。
だから、何か申し訳ないことしたな…と思った。
あれから時は経ち、憂鬱そうな学生がいた。
それは中学生の私。
家庭、学校、もう何もかもが辛かった。
食卓からは笑い声が消え、ご飯もみんなで食べることが無くなった。
そんなある日、父が
「昼飯食べに行くぞ」
と言った。
どこに行くのか…
中学生の私は父と外出するのも恥ずかしかった。
着いた所は、定食屋。
「おまえ、決めたか?」
「うん」
「カツ丼」
父は、少し嬉しそうだった。
私は、それから山あり谷ありの人生を
カツ丼と共に生きてきた。
だから、私がカツ丼という言葉を発すると
家族がざわざわとなり、クスクスとなり、あっはははとなる。
そんな家族と離れてもう何年になるだろう…。
今、私は結婚し夫婦二人で暮らしている。
そんな私にも
今日は辛いわと思う日だってたくさんある。
そんなときは主人に近所の定食屋に連れて行ってもらう。
黙々と食べる私を見て主人は言う。
「あんた、カツ丼好きだねぇ」
初めてなので、読みにくいところもあったかと思いますが、
たまに載せようと思います。