原発炉心損傷と容器破損のシミレーション
東日本大震災が発生したのは2011年3月11日14時46分頃。津波が福島第一原子力発電所を襲ったのはディーゼル発電機が津波で停止する15時46分より少し前だろう。
翌3月12日に菅直人首相は陸自ヘリで現場に向かった。その機中で班目(まだらめ)内閣府原子力安全委員会委員長が「総理、原発は大丈夫」と説明したと伝わっている。しかし悪化した事態に首相は海江田経産相にベントを命じたが、東京電力が動かなかったのは一義的には当事者が決めることになっているからだったというが、東電は何をか言わんやである(東電:全面撤退と言ったとか言わないとか…それに対して 菅首相:あなたたちしかいなんだ…とかいう会話)。
もうここで丸一日が経過しようとしていたし、最悪の状態は確実に広がっていたのだろうことは、次のことで明らかである。
話は数年前に戻る。2009年度から地震の被害想定がされていた。福島原発二号機三号機と同じ沸騰水型原発が今回のように電源喪失したシミレーションでは、電源が止まった3時間40分後には膨大に圧力が上昇した原子炉圧力容器は破損するという結果がすでにでている。いうまでもなく炉心核燃料棒も損傷している予測だ。
振り返って、現実の福島第一原子力発電所の発表では原子炉圧力容器の損傷は不明で、炉心損傷という訳の解らないことを言っている。
続いてシミレーションはいう。電源喪失後6時間40分後に格納容器も破損して、放射性物質が外部に漏れだす。それを裏付けるように、福島第一原子力発電所に膨大な放射線が測定されている場所があるのはご存知の通りだ。
我が国国民は本当のことを知ってもパニックにはならない。それは今回の大地震に襲われた後の行動でも十分に解るだろうから、政府は隠すべきことではない今回の事故を誠実に説明すべきである。