もの凄いニュースが飛び込んできた。今年のノーベル物理学賞を日本人の科学者3人が受賞するというのだ!3人とも素粒子物理学や核物理学などの分野。
これをきっかけにして日本で物理学ブームがおきることを願っている。
南部先生、小林先生、益川先生おめでとうございます!
写真は左から益川先生、小林先生、南部先生
以下はこの大ニュースの詳細。
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20081007-OYT1T00543.htm?from=top
ノーベル物理学賞に南部陽一郎、小林誠、益川敏英の3氏
スウェーデン王立科学アカデミーは7日、2008年のノーベル物理学賞を、米国籍で日本人の南部陽一郎・シカゴ大学名誉教授(87)、日本学術振興会の小林誠理事(64)、京都産業大学の益川敏英教授(68)の3氏に贈ると発表した。
授賞理由は、南部氏が「素粒子物理学と核物理学における自発的対称性の破れの発見」、小林、益川氏が「クオークの世代数を予言する対称性破れの起源の発見」。
授賞は3人までと決められており、そのすべてを日本人研究者が独占する初の快挙となった。日本人受賞者は15人になった。
物理学賞としては、湯川秀樹(1949年)、朝永振一郎(65年)、江崎玲於奈(73年)、小柴昌俊(2002年)の4氏に続き計7人となる。
賞金は1000万スウェーデン・クローナ(約1億4000万円)で、南部氏がその半分を、小林、益川氏が4分の1ずつを分ける。授賞式は、アルフレッド・ノーベルの命日にあたる12月10日にストックホルムで行われる。
◆南部陽一郎(なんぶ・よういちろう)氏 1921年1月18日、東京出身。42年、東京帝大理学部卒。大阪市立大教授を経て、52年に渡米し、プリンストン高等研究所を経て、56年にシカゴ大助教授、58年、同教授。91年から名誉教授。
◆小林誠(こばやし・まこと)氏 1944年4月7日生まれ。名古屋市出身。72年、名古屋大大学院理学研究科修了。85年高エネルギー物理学研究所(現・高エネルギー加速器研究機構=KEK)教授、2003年KEK素粒子原子核研究所長。07年日本学術振興会理事。
◆益川敏英(ますかわ・としひで)氏 1940年2月7日生まれ。名古屋市出身。67年、名古屋大大学院理学研究科修了。京都大理学部助手、京大基礎物理学研究所教授、京大理学部教授などを経て、97年同研究所長。2003年から京都産業大教授。
(2008年10月7日20時52分 読売新聞)
以下は朝日新聞の記事:
http://www.asahi.com/science/update/1007/TKY200810070297.html
ノーベル物理学賞、素粒子研究の日本人3氏に
スウェーデン王立科学アカデミーは7日、今年のノーベル物理学賞を、米シカゴ大名誉教授で大阪市立大名誉教授の南部陽一郎氏(87)=米国籍=、高エネルギー加速器研究機構(茨城県つくば市)素粒子原子核研究所の元所長・小林誠氏(64)と京都大名誉教授で京都産業大理学部教授の益川敏英氏(68)の3人に贈ると発表した。
日本人のノーベル賞受賞は02年以来で13、14、15人目。物理学賞は同年の小柴昌俊・東京大特別栄誉教授に続き、5、6、7人目。賞金は1千万スウェーデンクローナ(約1億4千万円)で、南部氏に半分を、小林、益川両氏に4分の1ずつをそれぞれ贈る。授賞式は12月10日、ストックホルムである。
南部さんの授賞理由は「自発的対称性の破れの発見」。物質をつくる素粒子になぜ質量があるのか、という根源的な謎を解き明かす理論をつくり、その後の素粒子物理学の発展に大きな影響を与えた。
「左右対称」とは、一般に左右を逆にしても、見た目などの性質が変わらないことをいう。物理学でもこうした「対称性」は変わらず、普遍的なものと考えられてきた。
ところが、南部氏は61年、素粒子の世界で対称性が自然に失われてしまうケースがあるという考え方を初めて提唱した。「自発的対称性の破れ」という考え方で、これに沿って素粒子の理論を見直したところ、さまざまな謎を解く糸口が見つかった。
素粒子の質量の起源を探る研究や、自然界に存在する力を統一的に論じる研究は、南部氏の理論を土台に発展した。南部氏は、こうした斬新な考えを次々と打ち出した。
小林氏と益川氏の授賞理由は「CP対称性の破れに関する理論的研究」。両氏は73年、宇宙の成り立ちにかかわる「CP対称性の破れ」という現象を説明するには、物質をつくる基本粒子「クォーク」が6種類必要だと予言した。
この予言は、各種の実験でその正しさが確かめられ、素粒子物理学の基礎である「標準理論」の柱に発展した。
「CP対称性の破れ」は、物質を形づくる「粒子」と、性質がさかさまの「反粒子」が、本来は対等であるはずなのに、崩壊のしかたが厳密には対等でなくなる現象を指している。64年に、米国の実験で「破れ」が発見されていたが、うまく説明する理論がなかなか現れなかった。
小林・益川理論では、それまでは4種類と考えられていたクォークを6種類にする、という枠組みを導入した。クォークは実際には少しずつ別の種類と混ざり合って存在している。種類を増やすことで、対称性の「破れ」を鮮やかに導き出してみせた。
当時、クォークの想定は4種類で、しかも3種類しか確認されていなかった。単独の粒子として取り出せないこともあって、存在自体を疑問視する専門家さえいた。
小林、益川両氏は名古屋市出身。名古屋大で理論物理学を学んだ。この研究を発表したのは、ともに京都大助手だった73年。その後、小林氏は高エネルギー加速器研究機構教授、益川氏は京都大基礎物理学研究所長などを務めた。
関連リンク:
南部陽一郎
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8D%97%E9%83%A8%E9%99%BD%E4%B8%80%E9%83%8E
自発的対称性の破れ
http://www2.kek.jp/ja/newskek/2008/novdec/SSBD.html
小林・益川理論
http://www2.kek.jp/ja/newskek/2003/mayjun/km.html
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B0%8F%E6%9E%97%E3%83%BB%E7%9B%8A%E5%B7%9D%E7%90%86%E8%AB%96
量子色力学における自発的対称性の破れを厳密に実証
http://www.kyoto-u.ac.jp/notice/05_news/documents/070424_2.htm
カイラル対称性の自発的破れを計算で実現
http://www.einstein1905.info/whatsnew/2007/04/0704-qcd.html
素粒子物理学勉強のためのリンク:
KEKやさしい物理教室
https://www2.kek.jp/kids/class/index.html
わかるまで素粒子論【入門編】
http://www1.odn.ne.jp/~cew99250/soryusi.html
やさしい「LHCでの物理」入門
http://www.icepp.s.u-tokyo.ac.jp/~asai/lhc2/Main_atlas.html
素粒子物理学 入門講座
http://nucl.phys.s.u-tokyo.ac.jp/torii/physics/soryuushi.html
素粒子事典
http://belle.kek.jp/~uehara/pdic/pdic.html
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それにしても、
何十年も前のことが今更評価されるというのは…。
生きてる内でよかったです(苦笑)
ようやく評価が追い付いてきたというんでしょうかね。
TVでアナウンサーが一所懸命「嬉しい」って言わせようとしてるのに、
二人とも、それほどでもない、といった受け応えで面白かったです(爆)
このニュースを記事にしないなんてあり得ません!(笑)
3人とも現在ではもっと先の研究に進んでいるんですよね。だから、小林・益川の両先生ははるか昔の業績を評価されたことに戸惑っていらっしゃって、僕も見ながらニンマリしてしまいました。
4人も…とは、
驚きですが、そのおかげか、村上春樹がまた逃したのでは、とか考えてしまいました。
さすがに日本人5人というのは、ないでしょうから。
村上春樹も期待していましたが、受賞したのがル・クレジオだと知って納得しました。やはり
ル・クレジオ >> 村上春樹
でしょうね。
> 世間的には評価されてるし、翻訳も多いので
> 気になってた人も少なくないでしょうね。
同感です。
僕は村上春樹は結構読んでましたよ。面白かったのは「羊をめぐる冒険」と「ねじまき鳥クロニクル」だったかな。。