とね日記

理数系ネタ、パソコン、フランス語の話が中心。
量子テレポーテーションや超弦理論の理解を目指して勉強を続けています!

ついにLHC稼動!!

2008年09月11日 00時03分23秒 | 物理学、数学
ずっと建設中だったLHCという巨大加速器がとうとう稼動した。この夏に実験開始と言われていたので、ずっと待ち続けていた。世紀の大発見に期待したいところだ。

このところブログをさぼりがちだったが物理マニアのひとりとして、このニュースを記事にしないわけにはいかない。


「最後の素粒子」発見挑む 国際プロジェクト始動 

物理学の歴史を塗り替える可能性を秘めた壮大な実験が、スイスのジュネーブ郊外で現地時間10日、始まった。欧州合同原子核研究機関(CERN)の巨大な加速器を使って、未知の素粒子発見を目指す国際共同プロジェクトだ。日本からも研究者約100人が参加しており、物質が持つ質量の起源や、宇宙誕生の謎に迫るノーベル賞級の成果が期待されている。

実験施設は世界最高のエネルギーを誇る「大型ハドロン衝突型加速器」(LHC)。地下約100メートルにある円周状のトンネル内に、極低温に冷やした約1600台の超電導磁石が並ぶ。1周の長さはJR山手線にほぼ匹敵する約27キロ。約5000億円の費用と14年の歳月をかけて建設された。

光の速さ近くまで加速した陽子同士を正面衝突させ、宇宙誕生時の「ビッグバン」直後の状態を再現。崩壊の様子を解析し、新粒子の存在を探る。

最も注目されるのは、物質の「重さ」を生み出した「ヒッグス粒子」の発見だ。物質の最小構成単位である素粒子の標準理論では、素粒子は17種類存在すると予言されたが、ヒッグス粒子だけは提唱から40年以上たっても見つかっていない。

「最後の素粒子」が見つかれば、20世紀の物理学の金字塔である標準理論の正しさを裏付ける“世紀の大発見”。また、宇宙全体の約23%を占める正体不明の「暗黒物質」の有力候補で、原始宇宙の解明につながる別の新粒子や、「ミニ・ブラックホール」が発見される可能性もある。

日本チームの共同代表者で、東大素粒子物理国際研究センター教授の小林富雄氏は「ヒッグス粒子は2010年ごろ、ほぼ確実に発見できる。標準理論に当てはまらない現象が見つかれば、新たな物理学への突破口になる」と話している。

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関連リンク:

CERNのホームページ(英語)
http://public.web.cern.ch/public/

ATLAS日本(KEK)のホームページ(日本語)
http://atlas.kek.jp/

LHCのホームページ(英語)
http://lhcathome.cern.ch/
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6 コメント

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わくわく (ミネルヴァ)
2008-09-11 21:09:26
 昨日は陽子ビームの「周回」が行われて、無事成功したそうですね~!「衝突」は2ヵ月以上後になるそうで。

 テレビや新聞で取り上げられる程の物理のニュースに僕はほとんど出会ったことが無かったですし、とても楽しみにしています(^o^)/

 「最後の素粒子」見つかるか否か・・・。今からワクワクドキドキですw
返信する
Re: わくわく (とね)
2008-09-11 23:18:30
ミネルヴァさん

お久しぶりです。コメントありがとうございます。
LHCのことはミネルヴァさんも記事にされていますね。(笑)

これから数年はいろいろな大発見がなされることでしょうし、ニュースで報道されることで物理学ブームが巻き起こるといいですね!

私たちはこのようなまったくすごい瞬間に立ち会えるだけでもこの世に生まれた甲斐があるというものです。

まだ先のことでしょうがLHCの次にはどういう実験が計画されるのでしょうね。規模を大きくするのは限界があるでしょうから、未来の科学者のユニークな発想に期待しています。

科学技術は善にも悪にも使えるのが常ですが、ことLHCについては今のところ「善」もしくは「夢」ばかりですね!(笑)
返信する
以前… ()
2008-09-11 23:28:16
サイエンスZEROでやっていたものですかね??

記憶が定かでないんですけど(苦笑)
返信する
Re: 以前… (とね)
2008-09-13 14:06:21
まさんの記憶は正しいと思いますよ。

サイエンスZEROの過去の放送を調べたところ、LHC関連ではこれらの放送かと思われます。

http://www.nhk.or.jp/zero/contents/dsp164.html
http://www.nhk.or.jp/zero/contents/dsp63.html
返信する
科学が発展してどうなるの? (Angelique)
2008-09-14 22:47:11
随分前からこのHPを拝見しています。
数学 理科 科学 化学 とっても興味深いです。
相対性理論など夢があって素晴らしい。
でも、そういったことを紐解いていくそいうことはとても危険な気がします。
人間が自然に=?神に近づこうとすればするほど弊害が多くやってくるような気がします。特に昨今の温暖化を考えると、人が神に近づこうとすればするほど大変な事が起こる様な気がします。
私、特に宗教にこっているわけではありません。
ただ、人間が便利さを追い求め、不思議と思われたものを論理的に解明しようとするたびに、負の出来事が人間に押し寄せるような気がします。

ここらで、便利さ、不思議と思われたことの解明を止めて、自然と共存することを考えた方が人間という社会はさらに長らえるのでは。と思うAngeliqueでした。
皆様、どう思いますか?
返信する
Re: 科学が発展してどうなるの? (とね)
2008-09-15 15:39:08
Angeliqueさん

はじめまして。コメントありがとうございます。
「科学が発展してどうなるの?」はとても重要な課題です。僕がこのブログで目指しているのは理論物理学なので机上だけの世界ですが、科学や技術が進歩すると生活が便利になる反面、携帯電話やTVがもたらした社会への悪影響、核兵器や化学兵器、生物兵器など、計り知れない悪い手段も同時に生み出してしまいます。かといって科学や技術が未発達だった200年前のように先進諸国においてさえも貧富の差が極端に激しい社会がよかったかというとそれに対しても僕はうなづくことができないのです。

科学や数学の法則によって発見される「美しさ」は、人間が判断する善悪とはまったく無関係です。美しいから善いというわけではないと僕は思います。電磁気学、相対性理論、量子力学の美しさは人間社会に善と悪の両方をもたらしました。

「科学技術が進歩する」ということによって人間が本来もっている良識がより拡大された形で試されるのだと僕は自分自身を納得させています。

この世界のあり方、この世界の法則を知りたいという欲求も科学者が研究を続ける大きな動機となりますが、その結果に対して責任をとるということは至難の業であることも確かです。E=mc^2を導いたアインシュタインでさえ、後半生は平和活動に身を投じたのはよく知られていることです。人間に金銭欲や権力欲がある限り、この世界から争いは絶えないでしょう。

クローン人間の技術や、人間の誕生にかかわる技術については、神の領域と言われていますが、僕自身は神というものを信じていないので、人間の倫理の根幹にかかわる問題という立場から強く反対したいと思っています。

本当のことが知りたい、でも知らないほうが幸せかもしれない。容易に決めることのできない深い問題です。
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