1995年3月20日の朝
あの日から20年。この事件やオウム真理教のこと、あの朝に僕がどのように過ごしていたかについては昨年「僕にとってのあの日 (地下鉄サリン事件)」という記事を書いたが、昨日のNHKニュースによるとオウム真理教が改称した宗教団体アレフは今でも麻原彰晃の説法ビデオを使って修行し、勧誘活動を強化して毎年100人くらいが入信しているという。
地下鉄サリン事件は当時戦後最大級の無差別殺人行為であるとともに1994年(平成6年)に発生したテロ事件である松本サリン事件に続き、大都市で一般市民に対して化学兵器が使用された史上初のテロ事件として、全世界に衝撃を与え、世界中の治安関係者を震撼させた。
同じようなことが二度と繰り返されることのないように、若い世代に対してもう一度注意喚起しておこう。詳しいことは昨年書いた記事をお読みいただきたい。
僕にとってのあの日 (地下鉄サリン事件)
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/bd4f209d9465bf3c8a8f0d29badca7b8
今もなお事件に関わった元幹部たちの裁判は続いており、昨年以降この事件やオウム真理教の特集番組がいくつか放送された。20年もたっているのに新しい事実がいくつも明らかになっている。
- オウムは国家転覆を企てていただけでなく、核兵器を使った人類全滅も企てていた。オーストラリア内陸の広大な土地で核兵器開発のためのウラン採掘を行っていたことが今年になってスクープされた。
- 富士山麓に建てられていたオウム真理教の施設では70トンものサリン製造が可能だということが明らかにされた。
- 宗教団体アレフは、衰えるどころか近年勧誘活動を強化しつつある。麻原彰晃の教義に基づく活動を続け、アレフという名称を隠して勧誘活動を行っていることが明らかになった。信者は今も増えつつある。
20年の節目を迎えるにあたって、東京メトロ霞ヶ関駅ではサリン事件慰霊式が行われる。ニコニコ動画でも放送されるそうだ。
地下鉄サリン20年:霞ヶ関駅・地下鉄サリン事件慰霊式
http://live.nicovideo.jp/watch/lv214259095
テレビでは次のような特集番組が放送される。
NHKスペシャル「オウム真理教 地下鉄サリン事件」
2015年3月20日(金)NHK G 午後7:30~8:45 放送
http://www.nhk.or.jp/mikaiketsu/file004/index.html
オウム真理教20年目の真実
地下鉄サリン事件やオウム真理教のことを知らない方はぜひご覧いただきたい。過去のことだと決めつけることはできない。このような団体に入信してしまう社会的な風土は現代においても当時とほとんど変わっていないと僕は思うのだ。
1995年当時のニュース番組(地下鉄サリン事件の翌月の時点での放送)
オウム早川紀代秀会見1995.04.19:ひとつ上のフジテレビの予告動画の中で武器を構えているのはこの早川という男である。(2009年7月17日、死刑が確定。東京拘置所に収監されている。再審請求中。)
報道スペシャル「サリンとオウム徹底検証」鳥越俊太郎
地下鉄サリン事件 警視庁警察無線全記録 (完全版)
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私は当時大学生でした。そのとき金沢まで旅行していまして、その滞在先のホテルで、このニュースに遭遇しました・・・
当時は、事件の全貌もよくわからず、何がなんだかわからないままの報道でした。でもたくさんの人たちが亡くなったり病院に搬送されていて、得体が知れないというか、ただ漠然と、とてもおそろしかったのを覚えています。
あの事件が起こるまで、横浜駅の前などで普通に
教団関係者が踊りを踊っていましたし、
大学に入ってからは、教団関係者が学生に勧誘をしていました。「サークルの勧誘だと思っていったら、
実は教団の勧誘で、なんとかのがれたけど怖かった」、という体験をした友人が何人もいました。
大変身近なところに、恐怖が隠れていた、ということですね。今思い返しても、あの事件のことを考えても、背筋が寒くなります。
コメントありがとうございます。にわとりおかんさんも当時のオウムに不気味さを感じていらっしゃったのですね。
衆院選に立候補した時点で、すでに殺人事件をおこしていたということに戦慄を覚えました。
でも80年代にはふつうにバラエティ番組に出演してヨガの実技を披露していたことを思うと、恐怖が少しずつ私たちの生活に浸食していったわけです。
現在の視点から見れば彼らはテロリストそのものだとわかるわけですが、実態があきらかになるまで私たちはかなり長い間、無防備に生活していたわけですよね。
今の若い世代には、lこのように「知らないうちに生活を脅かす恐怖」があることをよく知っておいてほしいです。
私は今、大学四年生なので正直、サリン事件とオウム真理教については全く覚えていません。
テレビなどでよく目にしますが、今でもあまりにも大きく報道されるので1度自分で調べてみようと思いました。
あれほど大きな過ちを犯した団体の派生団体が今でも活動をしているのが不思議でなりません。留学していた時、アメリカ人にも質問されましたが、答えられませんでした…
心の拠り所が欲しいと思うのでしょうか、そうならば社会が作り出しているような気もします。
私たちの世代の人が知っておくべき事件、問題だと感じました。
はじめまして。真摯なコメントをいただき、ありがとうございまっした。
あの団体が今でも活動しているのは、麻原彰晃のマインドコントロールが解けていない信者がまだいること、そして日本では信教の自由が保証されているからです。元オウムの信者だとしても、犯罪にかかわっていない限り信条や信教によって活動をやめさせることはできません。
社会不安がある限り、同じような団体が生まれる可能性は常にありますから、この事件の教訓は将来に渡ってずっと伝えるべきものですね。