とね日記

理数系ネタ、パソコン、フランス語の話が中心。
量子テレポーテーションや超弦理論の理解を目指して勉強を続けています!

NEC TK-80やワンボードマイコンのこと

2013年08月08日 13時00分41秒 | 電子工学、工学系
NEC TK-80 (1976)


安田寿明先生の「マイ・コンピュータ」3部作(ブルーバックス)」で1976年に発売されたNEC TK-80という8ビット・マイコンのトレーニングキットを紹介したが、今日は当時のようなマイコンを手軽に楽しんでみたいという方のための記事。

NEC TK-80(ウィキペディアの記事)
https://ja.wikipedia.org/wiki/TK-80

この製品の登場はまさに衝撃だった。というのもそれまでコンピュータと言えば大型のものばかりで、9万円近くするとはいえ個人で買えて使える小型のものがいきなり発売されたからだ。電卓のようにだんだんと小型化していったわけではない。

そしてこのマイコンキットは今では骨董品扱いで、つい先日もヤフオクで8万1千円の値がついた。6月には動作しないジャンク品が出品されたがそのような品でも3万1千円でオークションが終了している。

また拡張キットを追加したTK-80BSにいたっては6月のオークションでなんと35万3千円で落札されている。これはキーボード付き、テレビ出力のためのインタフェース付きで、BASIC言語が使えたりアセンブラのコンパイルができる仕様だ。

TK-80, TK-80BS ケース入り
http://keikato.cocolog-nifty.com/blog/2013/07/auto-22.html



ヤフオクでNEC TK-80を探してみる。→検索!

実機を試してみたくてもこんなに値が張るようではとてもとても。。。でも、もしできるなら遊んでみたいという方にはこちらがお勧め。なんとHTML5でTK-80エミュレータを作ってしまった方がいるのだ。

TK-80のHTML5によるエミュレーター
http://www.recfor.net/jeans/?itemid=868

ここをクリックするとPCからTK-80が起動する。使い方はこのページだ。

ホームページ上で動いているのでスマートフォンからでも実行できる。以下はAndroidとiPhoneのスマートフォンで実行した画面。

 

使い方は公開されている次のマニュアルをお読みになるとよいだろう。

TK-80互換マイコンを作る(このページの中の「TK-80資料メモ」)
http://star.gmobb.jp/koji/cgi/wiki.cgi?page=AVRとZ80でTK-8


シミュレータではなく実機で体感したいという方にお勧めなのは大人の科学から出ているマイコン。ただしこれは4ビットマイコンなので、できることは本当に限られている。小学生のお子さんと夏休みの自由研究用としてお買い求めになるとよいだろう。2,500円で買えるしコンピュータの原理も詳しく学ぶことができる。

大人の科学マガジン Vol.24 GMC-4 (4ビットマイコン)


詳細はこちら。
http://otonanokagaku.net/magazine/vol24/


実のところ僕が気になっているのは次の製品。中日電工さんのZ80マイコンボードである。価格は2万円ほど。電子工作経験者用だが完成品も購入することができる。写真をクリックすると製品紹介ページが開くようにしておいた。

TK80ソフトコンパチブル!
Z80マイコン組立キットND80ZⅢ


Z80(8ビットCPU、1976年発表)


なんとこの会社からはTTL(トランジスタ-トランジスタ論理)のワンボードでTK-80で採用されたIntel 8080相当のCPUを作るキットまで発売されているのだ。

MYCPU80組立キット



参考:Z80のエミュレータ、アセンブラ

Z80のエミュレータ(その1、Silverlight3版)
http://ariyukitano.sakura.ne.jp/blog/2009/10/silverlight3z80.html

Z80のエミュレータ(その2、使い方
http://www.cug.net/~manuke/z80emu.html

Z80のシミュレータ(その4)
http://www.game3rd.com/soft/z80edit/

Z80のエミュレータ(その5)
http://www.mathematik.uni-ulm.de/users/ag/yaze/

Z80のエミュレータ(その6)
http://www.z80.info/z80emu.htm


Z80のアセンブラ
http://www.z80.info/z80sdt.htm


今日紹介したのは古いタイプのマイコンばかりだ。最近はPICやH8、ARM、Arduinoなどが主流だし、市販本もたくさんでているのだから、あえて古いものをお勧めしているわけではない。

とはいってもマイコン黎明期のノスタルジーを楽しみながらコンピュータの原理を学ぶのだったらやはりZ80あたりのキットを組み立てて、BASICが使えるまで拡張してみたりするのがよいのだろう。


応援クリックをお願いします!
にほんブログ村 科学ブログ 物理学へ 人気ブログランキングへ 




関連記事:

真空管式コンピュータへのノスタルジア(EDSAC)
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/14c9aeedfcda78c9fd9ff4b677435283

マイクロコンピュータの誕生―わが青春の4004:嶋正利
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/fe74cdf21a2be8999cb101cc62018f8b

ファインマン計算機科学:ファインマン, A.ヘイ, R.アレン
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/4f7f453019fd463ed2bfdeaa7b288d79

量子コンピュータ入門:宮野健次郎、古澤明
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/ef75709187cf4b35a12f2d9fdf73a320

発売情報: クラウド量子計算入門: 中山茂
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/d360b69100fbe723c5b9410dbf3f5f4d
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 安田寿明先生の「マイ・コン... | トップ | マイ・コンピュータ入門―コン... »

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

電子工学、工学系」カテゴリの最新記事