とね日記

理数系ネタ、パソコン、フランス語の話が中心。
量子テレポーテーションや超弦理論の理解を目指して勉強を続けています!

新解さんの謎(文春文庫):赤瀬川原平

2013年09月07日 13時55分49秒 | 学校で教えてくれないコト
新解さんの謎(文春文庫):赤瀬川原平」(Kindle版

内容紹介
辞書の中から立ち現われた謎の男。魚が好きで苦労人、女に厳しく、金はない―。「新解さん」とは、はたして何者か?三省堂「新明解国語辞典」の不思議な世界に踏み込んで、抱腹絶倒。でもちょっと真面目な言葉のジャングル探検記。紙をめぐる高邁深遠かつ不要不急の考察「紙がみの消息」を併録。


これは「新解さんブーム」を引き起こしたことで知られている本だ。みなさんは三省堂の「新明解国語辞典」がとても変なユニークな辞書だということをご存知だろうか?

たとえばこのような感じだ。語意解釈に独自の主観、主張が盛り込まれている。

れんあい【恋愛】 
特定の異性に特別の愛情をいだき、高揚した気分で、二人だけで一緒にいたい、精神的な一体感を分かち合いたい、出来るなら肉体的な一体感も得たいと願いながら、常にはかなえられないで、やるせない思いに駆られたり、まれにかなえられて歓喜したりする状態に身を置くこと。(第5版)

こうやく【公約】
政府・政党など、公の立場にある者が選挙などの際に世間一般の人に対して、約束すること。また、その約束。〔実行を伴わないことも多い〕(第5版)


もともと本書が発売される前、この辞典の可笑しさは次のホームページで紹介されていた。スマートフォンからだと文字化けするのでパソコンから開いていただきたい。(文字化けしてしまう方のために「入門編」のところだけPDF化して読めるようにした。ここをクリックしていただくと読むことができる。)

新明解国語辞典を読む 万省堂(第5版までに対応)
https://geolog.mydns.jp/www.geocities.co.jp/Bookend-Soseki/3578/

このホームページを書籍化したのが「新解さんの謎(文春文庫):赤瀬川原平」(Kindle版)である。

まさに抱腹絶倒。電車の中では絶対に読まないほうがよい。僕はいつもの喫茶店で読み始めたのだが、笑いをこらえきれなくなりやむなく中断した。

本書を読むとこの辞書が欲しくなるものだ。初版から第7版までお求めやすいようにまとめておいた。(初版から第6版までは中古本だ。)

とね書店:新明解国語辞典売り場
http://astore.amazon.co.jp/tonejiten-22?_encoding=UTF8&node=47




また「新明解国語辞典」の第6版と第7版は、iPhoneアプリ、Androidアプリとしても1800円で販売されているので検索してみてほしい。

「新明解国語辞典」の面白い用語説明をつぶやくツイッターも見つけることができた。

新明解国語辞典_bot
https://twitter.com/shinmeikai_bot


思う存分笑って気分をすっきりさせたい方は、ぜひ読んでみてください。「笑う門には福来たる。」である。

ところで本書の著者の赤瀬川原平さんは、有名な方なのだ。赤瀬川さんのご経歴はウィキペディアの記事をお読みいただきたい。


なお、その後2003年と2005年に夏石鈴子さんが次の2冊をお書きになっている。ページ数はそれぞれ377ページ、391ページと笑いがぎっしり詰まっている。

新解さんの読み方 (角川文庫)
新解さんリターンズ (角川文庫)

 


あと、この本もお勧め!

辞書になった男 ケンボー先生と山田先生 (文春文庫) 」(Kindle版




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コメント (6)    この記事についてブログを書く
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6 コメント

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毎度の御目汚しです (noboshemon)
2013-09-07 17:53:14
赤瀬川原平の文章は、とても好きだったりします。

時々、酒飲み話に千円札裁判のネタを出すのですが、
もう知ってる人が居なくて、あまり受けません。

いわゆる、アカイアサヒ事件も同様。

とねさんのサイトとの関連では、断然、
"宇宙の缶詰" が面白いのですが、
酔っ払いに説明しても、大抵理解してもらえません。
詳しくは、この辺り。
http://www.amazon.co.jp/dp/4000006088/
返信する
noboshemonさんへ (とね)
2013-09-07 18:05:35
赤瀬川さんの本までお読みになっていたのですか!
僕も彼の文章は好きです。

それにしてもずいぶん年配の方なのですね。ウィキペディアで検索すると76歳におなりになっていることがわかります。

さすが(前衛)芸術家は感性が若いと思いました。
「宇宙の缶詰」のこと調べてみますね。教えていただきありがとうございました。
返信する
悪魔の辞典と紋切型辞典 (271828)
2013-09-13 18:08:20
とねさん

この記事を読んで、私が2007年9月に書いた「『悪魔の辞典』THE DEVIL'S DICTIONARY」を思い出してしまいました。私もビアスを真似て言葉の定義をしたのでした。
フランス好きなとねさんはフローベールの「紋切型辞典」をご存知でしょうか?岩波文庫で、古書はアマゾンで買えるうおうです。
返信する
Re: 悪魔の辞典と紋切型辞典 (とね)
2013-09-13 18:47:51
271828さん

2007年9月にお書きになった記事を読ませていただきました。【たらい回し】と【出来ない】は、日本中にはびこっている気がします。

「悪魔の辞典」は高校時代に読みましたが「紋切型辞典」のことは知りませんでした。
返信する
出た。。。 (astray)
2013-09-23 21:52:33
宇宙の缶詰がこんなとこに。。。
http://planck.exblog.jp/20764681/
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Re: 出た。。。 (とね)
2013-09-23 22:04:36
astray様

あ、本当ですね!
大栗先生のお書きになった記事の中にも赤瀬川さんが登場していたとは。。。
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