タイムトラベル、タイムパラドックスをテーマにした傑作である。何年かぶりに3部作を見直してみた。個人的なブームである。
続編映画が作られ、シリーズ物になるのは初回作がヒットしたからもうひとつ作ってやろうということが多い。けれどもこの作品は明らかに違うことがわかる。パート1とパート2のエンディングで、次作へ続くストーリーが組み込まれているからだ。
パート1が公開されたのは僕が大学生だった1985年。映画のパート2で30年後の未来の2015年もすでに過去となっている。2015年として描かれていた世界に描かれていた物のほとんどは2018年になっても実現していない。
しかし、靴ひもが自動的に締まるNikeのシューズは開発されたようだ。あとマーティに襲いかかるJAWSも3DやVRでほぼ実現したといってよいだろう。あとテレビ電話もすでにある。(あまり使われていないけど。)
How To Use Nike's Auto-lacing HyperAdapt 1.0
未来社会であいかわらずブラウン管テレビが使われていたり、黒人市長どころか黒人大統領が現実のものになっている。悪役のビフ・タネンのモデルとなったドナルド・トランプが現実の世界で大統領になってしまったことなど、今から見るとちぐはぐなところ、不気味なところがいくつか見られる。
ビフのモデルはトランプ氏、「バック・トゥ・ザ…」脚本家明かす
http://www.afpbb.com/articles/-/3063967
タイムパラドックスとして、説明によく使われるのが「親殺しのパラドックス」だ。タイムマシンで自分の両親が結婚する前に行き、父親か母親を殺してしまうとどうなるかという話。親がいなくなれば自分も生まれない。それでは親を殺した自分も存在しないことになるので矛盾が生じる。だから過去に遡るタイムトラベルは不可能だという論理。
しかし、この話には逃げ道がある。親を殺した瞬間に世界が2つに枝分かれすればよいという解釈を持ち込む。ひとつの世界は親が結婚せず、自分も存在しないという世界が分岐して続く。そして、もうひとつは親を殺さずに、自分がそれからしばらくして生まれる世界。このように考えれば、全体として矛盾はなくなる。そしてその結果、パラレルワールドを受け入れることになる。
さて、この映画の3部作にはパラレルワールドがいくつあることになるのだろうか?おさらいしてみよう。3部作で描かれるのは次のとおり。
パート1では1955年と1985年
パート2では1955年と1985年と2015年
パート3では1885年と1985年
年が同じでも世界はいくつかに枝分かれしたパラレルワールドなのだから、ややこしい。特にややこしいのがパート2。
このチャートはわかりやすい。(引用元)
拡大
これを見るとパラレルワールドは6つあるように見える。しかし、年だけでなく日付まで細かく見ると、このようになる。(引用元)
拡大
ドクの飼い犬、アインシュタインの短いタイムトラベル実験を含めれば、パラレルワールドは9つになる。
次のチャートはアインシュタインのタイムトラベルが入っていない。(引用元)しかし、全部で7つしかない。パート2の真ん中の世界が重複してカウントされているようだ。
拡大
この映画は若い人にも見てもらいたい。2つの年代に分けてツイッターでアンケートをとったところ、112名の方に回答をいただき、結果は次のようになった。世代によって違いがあることがわかった。
若い世代にも根強い人気があるとみるか、それとも若い世代にはこの映画を知らない人が多いとみるかは判断が分かれそうだ。
見どころのシーンをいくつか紹介しよう。
バック・トゥ・ザ・フューチャー(サウンドトラック)
バック・トゥ・ザ・フューチャー タイムトラベル詰め合わせ
バック・トゥ・ザ・フューチャー Johnny B. Goode
バック・トゥ・ザ・フューチャー 2 NIKEの電動靴ひもシューズ
バック・トゥ・ザ・フューチャー 2 2015年の未来&ジョーズ19
バック・トゥ・ザ・フューチャー 3 時計台エピソードとマーティ家の相関関係
バック・トゥ・ザ・フューチャー 3 機関車でデロリアンを押すシーン
次の動画はかなり怖い。こじつけとは言い切れないものがある。
【バック・トゥ・ザ・フューチャー】が予告した、「9.11 同時多発テロ」
最後はおまけ。
フェイク予告 バックトゥザフューチャー パート4
ご覧になりたい方は、こちらからどうぞ。
「バック・トゥ・ザ・フューチャー ブルーレイ& DVD一括検索」
Amazonビデオ: 検索
ブログ執筆のはげみになりますので、1つずつ応援クリックをお願いします。
タイムパラドックスなどを含めたタイムトラベルものの中には、私も何度も見返したくなる作品がいくつかあります。但し、とねさんのように Back to the future を分析的に見たことは無かったので、とても興味深いです。
なお、タイムトラベルものの本としては、小松左京の "果てしなき流れの果てに" がとても壮大な時間の流れを扱っていて、最も好きな作品です。
タイムトラベルものは良い作品が多いですね。映画ではバック・トゥ・ザ・フューチャーに次いで「過去へ旅した女」が好きです。
過去へ旅した女
http://blog.livedoor.jp/jan_mori-mori/archives/54629354.html
「果てしなき流れの果てに」は知りませんでした。10億年というスケールなのですね!Kindle版で読んでみようと思います。
私もKindle版で、もう一度読み始めました。
以前読んだのは高校生の頃ですが、細かいところまで結構覚えているくらい、私には鮮烈な作品でした。
色々な知識や経験が増している現在、読み返してみると、新しい作品を読んでいる気分にさえなります。
作品内で近未来として描かれているのが、2018年だったりします。今年読み返そうと思ったのはなにやら因縁を感じます!
作品内での近未来の社会の様子、技術の様子は、実際と異なっているのは当然でした、悪くない予測だと感じました。
まだ途中ですが、良い作品だというのは間違いないです。
読み直されているわけですか!僕も早く読まなければ、と言いつつ「豆腐小僧」の2冊目を読んでいます。通勤電車だけの読書なので時間がかかります。
次は「マチネの終わりに」を読もうと思っていましたが、「果てしなき流れの果てに」にしょうか迷い始めました。
> 作品内で近未来として描かれているのが、2018年だったりします
これはまた別のパラレルワールドですね。やすさんにもコメントいただいた本ですが、倉橋由美子の「シュンポシオン」に描かれていた「不自然な未来社会」の描写を思い出しました。w
シュンポシオン: 倉橋由美子
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/6f45ce0974cf51dac555602c3407faed
宇宙で3次元の起点となるような「ゼロ点」はあるのでしょうか。
宇宙が出来た時の位置が特定出来ると「ゼロ点」と言えるのでしょうか。
The helical model - our solar system is a vortex
https://www.youtube.com/watch?v=0jHsq36_NTU
素晴らしい動画ですね。タイムマシンで同じ場所へ移動するのが無理であることがよくわかります。
現在は「ゼロ点(原点)」はないと考えられていますが、誕生時にはどうだったのでしょうねぇ。そこをゼロ点(原点)と名付けてよいのかわかりません。