前回のお話
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2、 http://blog.goo.ne.jp/ktam7pm/e/ad25bd898e0d28b5b369a2ca363e255f
マイケル(探偵)
栄 佑貴(依頼者)さかえゆうき。別名ウー
八雲紗里(ウーの恋人)
【写真なし】
なぎささん(マイケルの知人。京都ツウ)
俺はいま、品川駅にいた。
8:57発、のぞみ14号に、サリーが乗るから。
高い報酬を出しただけあって、マイケルの仕事は早かった。
昨夜マイケルから電話があり、新幹線の時間の報告を受けると、京都まで尾行してくれと頼んだ。
快く了解してくれた。一安心だ。
俺は経営するクラブの見回りで東京を二日とあけることができない。
マイケル、頼んだぞ!
しかし、深夜、再びマイケルからの電話。
マイケルの報告をききながら俺はムカムカしてきた。
「なに?それはほんとか?」
ガチャ!
俺はたまらず、電話を切り床に投げつけた。
「ホテル・モントレーだって?!まじかよ!!」
それは…
サリーと俺が、一度泊まったことのあるホテル…。
「サリー…男と泊まるのか?ホテルモントレー。うそだろ?うそだっていってくれよ」
やりきれない。
そして俺は仕事もほっぽりだして京都に行く決意をした。
この目で確かめてやる。
サリーが、男と一緒なのか、どうなのか。
のぞみに乗り込む。
サリーはグリーン車に乗ったので俺はその隣の普通車にのりこむ。
通路に…マイケルがいた。
「来ちゃったね…危険だぜ?ばれるぜ?」
「サリーがもしかしたら男と旅行かもって思っただけで、胸が締め付けられるんだ。
駄目だってわかってるけどじっとしてられなかった。
おれサリーに相当やられてるな…」
「ひゅー」
マイケルが冷やかすが、俺はマジだ。
「サリーは一人だぜ?まあ、今のところは、だがね…」
向こうで合流ってこともあり得るよな。
「おっと、なぎささんからだ」
電話にでるマイケル。
「え?なるほど!そいつは助かります。じゃあ京都についたら早速寄ってみますよ。」
電話を切る。
「ウーさんよ、俺はホテルまで尾行したら、あっちの探偵に情報をもらいにいく。
なにせ京都はアウェイだからな。腕利きの探偵らしい。」
「なに、サリーには既にGPSを仕込んだから、見失う心配はない。
あんたはどうする?素人の尾行は難しいぜ?」
そうだな…
尾行したところで、男と会うサリーを直視できるかな。
俺はなにもいえず、その場を去った。
普通車に空席をみつけて窓の景色を見ていた。
―つづく(きっと)―
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