八雲紗里の部屋
「明日から京都?まさか、男とじゃないよな」
サリーは何も答えず、ツンとしてウーのとなりからするりと抜けだした。
冷蔵庫から水をだし、一口飲む。
怒らせたか
「ゴメン、疑って。でもサリーと離れたくないんだ」
”それがどうしたの”という刃(やいば)のような鋭い目線でウーを見る。
ああ、この目線がたまらない。キミは俺をどこまで狂わせる気だ?
ウーは体の芯が高揚するのを感じた。
「おいで。離れてしまうぶんまで、サリーに俺の跡を、残すから。」
サリーは”仕方ないわね”という風に気怠く歩み寄ると、もといたウーの腕に再び戻った。
マイケル探偵事務所。
マイケルは京都の知人に電話をかけていた。
「もしもし。マイケルです。」
『あら、久しぶり。どうしたの?』
「ええ、ひとつご相談が。この時期京都行く理由って、何ですかね?このくそ熱いなか盆地に出かける理由」
『理由、そうね、きっと送り火ね。大文字焼きよ。知ってるでしょ?」
大文字焼き・・・
なるほど。
「ありがとうございます、助かりました、またご相談するかもしれません。」
『はいはーい、いつでもどーぞー』
大文字焼きか。
一度も見たことないな。
―つづく(たぶん)-
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