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「半夏生(はんげしょう)」今さら聞けな~い!花や植物の話!

2017年11月20日 | 花や植物の話
「ハンゲショウとカラスビシャク」紛らわしいハンゲショウとカラスビシャク!花や植物の話!



半夏生(はんげしょう)は、夏至から数えて11日目の7月2日頃を、
七十二候のひとつ半夏生と呼ばれる日です。
この頃、一斉に生えてくる、半夏と呼ばれる雑草のカラスビシャクと、
コンロンカのように、葉っぱが白くなるハンゲショウという、
雑草の植物もあります。どちらがハンゲショウなのか、間違いやすいです。

葉っぱが白くなるハンゲショウは「半夏生、半化粧」などの、
漢字があてられています。
7月2日頃に花が咲き、七十二候のひとつ半夏生と重なり、
名前が付けられたようです。

また、葉っぱの片面(表面)だけが、白くなることから、
古くはカタシログサ(片白草)とも呼ばれています。
茎や葉っぱを傷つけたり、折ったりすると、ドクダミの臭いがします。
同じ仲間に北アメリカの、アメリカハンゲショウがありますが、
アメリカハンゲショウは、葉っぱが白くなりません。



ハンゲショウは本州以南、中国、朝鮮半島、フィリピンなど、
東アジアの亜熱帯性湿地に、分布している雑草です。
繁殖力が強く、根っこを取っても取っても、生えて嫌われる雑草に、
ドクダミ、セイタカアワダチソウ、チガヤなどありますが、
ハンゲショウも、そのひとつで「百姓泣かせ」と言われています。
少しでも根っこが残ってると、翌年生えてきます。

7月2日頃に咲き、葉っぱが白くなるハンゲショウは、ドクダミ科です。
同じ時期に咲き出すカラスビシャクは、サトイモ科です。
カラスビシャクは、漢方薬に使われる半夏(はんげ)で、
全草は三白草(さんぱくそう)、根茎は三白根(さんぱくこん)の、
生薬名で呼ばれ、利尿、解毒などの作用があるとされています。

昔は、カラスビシャクが、あたり一面咲いていて、
農家は半夏作(はんげさく)といって、カラスビシャクが咲きだすと、
大事な節目の日、七十二候のひとつ半夏生を目安にして、
この日までに「畑仕事を終える」「田植えを終える」
目標の日とされ野良仕事を終える。
終えると7月2日頃から5日間は休んで、祝い事の行事を行った。

カラスビシャクは、ウラシマソウを小さくしたような花の姿で、
特徴として雌花が背面で仏炎苞になり、垂れ下がることはなく、
伸び上がったままになります。 
北海道から九州まで広く分布し、中国、朝鮮半島などにも分布。
元々は中国から来たようですが、繁殖力が強くて駆除が大変なので、
嫌われる雑草です。
     
  • 別名 

  • 特色 七十二候の半夏生

  • 科  ドクダミ科

  • 原産 東アジア

  • 花期 6下旬~7月

 




カラスビシャク

いかがでしたか?
花の楽しみ方は、色々ありますね。
自然界や植物を知る事も、そのひとつです。

7月上旬は梅雨も後半となり、農作物を育てる上で、
ひとつの目安となる時期で、各地では様々な行事や習慣があります。

近畿地方では半夏生餅と言って、昔から大和の国、南河内、北和歌山地方で、
きな粉をつけていただく餅があります。三つの地域では、
半夏生の日に、半夏生餅を食べる習慣が現存しています。
小麦粉を入れた半夏生餅の味は、誰が食べても、
サクサク感があり、懐かしく郷愁をそそる味だそうです。

関西地方では、田に植えた稲の苗が、蛸の足のように、
大地にしっかりと根を張り、豊作になるようにと、
祈願する意味が込められて、蛸を食べる所もあります。

大阪のたこ焼きも、同じような意味か、商売繁盛から、
生まれたのかもしれませんね。どうして大阪が、
たこ焼きなのか不思議でした。7月2日は「タコの日」だそうです。

また讃岐地方の農村では、半夏生にうどんを食べる習慣があり、
1980年に香川県製麺事業協同組合が、7月2日は「うどんの日」
と制定してます。うどん県と言われるまでになっています。

福井県大野市を中心にした地域では、江戸時代に大野藩藩主が、
半夏生の時期に、農民に焼き鯖を振舞ったという逸話があり、
現在でも大野市の地域では、半夏生に焼き鯖を、食べる習慣があります。
若狭小浜の焼き鯖が有名ですね。その名残でしょうか。

ハンゲショウ(半夏生)は、同じ雑草でも、歴史的な流れから言って、
カラスビシャクが、ハンゲショウの花という事になりそうです。


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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
半夏生(はげっしょ)は集金の日 (mobile)
2018-08-21 13:53:17
何故かは知りませんが、半夏生(はげっしょ)は「夏の集金の日」と聞いたことがあります。世間では暮れとお盆が掛け取りの日のように思われていますが、実際は夏の集金日は半夏生(はげっしょ)なのだそうです。
返信する
半夏生 (高橋克郎)
2018-08-22 17:36:18
貴重な情報ありがとうございます。
半夏生の期間までに野良作業を終えて、祝杯と料理を食べて楽しむ日と聞いていますが、今の農家はどうでしょうね。また、集金は年末と聞いています。1年のツケが翌年になるとチャラになる。それで坊さんも走ってるから師走と言ったそうです。
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