BLOG 思い遥か

日々新たなり/日本語学2020

スモールワールド

2004-07-26 | Weblog
働くということ、日経新聞朝刊囲み記事連載に、若年世代が話題になっている。
ニート、neetと呼ばれる、学校に通わず職探しをせず、職業訓練も受けない若者は2003年は63万人、フリーターは420万人ちかくになる、労働政策研究・研修機構調べ。
仕事をこなす歯車のような人が求められ、能力を矯めてこき使われる、との思いがあるらしい。

小世界の新組織論に、6度の分離、接続現象が紹介されている。
スモールワールド現象と言われ、例えば転職のような重大情報も知人を6回たどれば得られる経験則をさす。
知人の知人の知人の現象に法則性を見出したのは社会心理学者ミルグラム、1960年代に大量のサンプル実験を行った、小世界のネットワークの証明がなされた。
5人の仲介者で目的の人につながると言うわけだ。

そこでこのスモールワールドの理論がグラノベッターの転職に関する研究によって強化された、1970年代のこと、ハーバード大の博士課程の院生だった。
転職の重要情報をもたらしたのはネットワーク理論の親しい友人ではなくて、遠い知人が決定的に重要な情報を提供していたことを発見した。
遠い知人がもたらす情報は、本人や親しい友人世界から隔たっていて、構造的に重複や過剰が少なく、異質で豊かで転職のような人生の大事には有用であった。
直近の友人ネットワークでなくて、周辺的なネットワークこそがしばしば決定的な役割を果たしていたのである。


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