BLOG 思い遥か

日々新たなり/日本語学2020

ムード

2021-02-07 | #日本語教育

国語の助動詞についてその文法機能を分類して意味による捉え方があった。

助動詞の意味による分類
使役   せる させる
受け身 れる られる
可能   れる られる
自発   れる られる
尊敬   れる られる
打ち消し(否定)ない ぬ(ん)
推量  う よう まい
意志  う よう まい
希望   たい たがる
過去・完了 かんりょう た(だ)
様態  そうだ
伝聞  そうだ
推定  ようだ らしい
たとえ ようだ
丁寧  ます
断定  だ です

意味で分類
受け身・可能・自発・尊敬・使役・丁寧・希望・打ち消し・断定・過去・完了・推量・意思・たとえ・例示・推定・伝聞・様態

表現意図には「意志」以外に、「願望」「義務」「可能性」「推量」「勧誘」「助言」「許可」「時」「条件」「原因・理由」「目的」「逆接」「例示」「限定」「付加」

話し手の意図
ムード

モダリティー  分類
モダリティの分類については,いくつかの異なった見方がある。また,用語等も研究者
によって異なるが,大まかには次のような分類が可能である
1)命題内容に対する話し手の判断のあり方を表すもの
(判断のモダリティ,対事的モダリティ,命題めあてのモダリティ)
a 真偽判断のモダリティ(認識的モダリティ)
・確言(~φ)
・推量(だろう,まい)
・蓋然性判断(かもしれない,にちがいない)
・証拠性判断(らしい,ようだ,(~し)そうだ)
・当然性判断(はずだ)
・伝聞((~する)そうだ)
・説明(のだ,わけだ)
b 価値判断のモダリティ(当為評価のモダリティ)
・適当(べきだ,ほうがよい,(~すれ)ばよい,等)
・必要((~し)なければならない,(~せ)ざるをえない,等)
・容認・非容認((~し)てもいい,(~し)てはいけない,等)
2)聞き手に対する発話態度・伝達態度を表すもの
(発話・伝達のモダリティ,対人的モダリティ,聞き手めあてのモダリティ)
a 述べ立て
b 表出(意志,願望)
c 働きかけ(命令,依頼,禁止,勧誘)
d 疑問・問いかけ・確認
e 強調 など

以上は、次のファイルより引用。
方言研究のモダリティーのためにまとめられた。

モダリティ  井上 優
https://www2.ninjal.ac.jp/takoni/DGG/09_modarityi.pdf
>モダリティ研究のタイプ
モダリティに関する研究には,大きく分けて三つのタイプがある。
第一のタイプは,
・モダリティの体系の全体像を描き出す。
という研究である。そのような研究の代表としては,仁田(1991),益岡(1991),森山(2000)
があげられる。
第二のタイプは,
・当該のモダリティ形式の基本的な意味を抽出するとともに,そこから具体的な用法が派生されていくさまを記述する。
という研究である。
(略)
これらは,当該形式がある基本的な意味――「述語+φ」は〈確言(断言)〉,「~だろう」は〈判断形成〉,「~(よ)う」は〈意向形成〉――を有し,それが場面やイントネーションによって,より具体的な用法として具現化されるということである。このタイプの研究では,「どのような基本的な意味が,どのような条件のもとで具体的な意味用法として具現化されるか」が問題にされる。 このタイプの研究の手本というべき研究に,「のだ」に関する田野村(1990)がある。
第三のタイプは,
・複数形式の特定の用法を〈確認要求〉〈意志〉といったカテゴリーにまとめ,その中での各形式の使い分けを記述する。
(略)
 このタイプの研究では,このような「確認要求表現」「意志表現」といった枠において,そこに含まれる形式がどのように役割分担をしているか――「確認要求表現」や意志表現」がどのような体系をなしているか――が問題にされる。 宮島・仁田編(1995)には,このようなタイプの研究が集められている。


文の内容に対する話し手の心的態度の相違が、動詞の語形変化の上にあらわれたもの。英独仏などの言語に見られ、直説法・接続法・命令法などがある。法、叙法などと訳される。
精選版 日本国語大辞典の解説
〘名〙 (mood)


インド‐ヨーロッパ語で、文の内容に対する話し手の心的態度の相違が、動詞の語形変化の上に現れたもの。直説法・接続法・希求法・命令法・条件法など。叙法。
精選版 日本国語大辞典の解説

言語学用語。動詞にみられる文法的カテゴリーの一つで,状況・行為に対する話し手の主観的な心持ちのありよう――願望,可能,義務,命令,さらに疑問,否定など――にかかわる。 たとえば,ラテン語では直説法,接続法,命令法の3種が動詞の形態によって区別される。cantare〈歌う〉を例にとれば,一人称単数・現在・能動の直説法形はcantōであるのに対し,接続法形はcantemである。また命令形(二人称単数・現在)はcantāである。
世界大百科事典 第2版の解説

文法範疇の一つ。定動詞の語形替変として現れ,文の内容に対する話者の心的態度を示す。ギリシア語などの古典文法に由来する概念で,たとえばギリシア語には,直説法,接続法,希求法,命令法の4つの法があった。近代のインド=ヨーロッパ語族の諸言語では,動詞の活用組織が簡略になったり,助動詞を用いる分析的表現が多くなったりして,動詞の替変形から定義されるものとは必ずしもいえない言語もある。たとえば,英語ではI am rich.は事実として述べる形で直説法,If I were rich ! は非現実のことを想像していて仮定法,Be rich.は命令法と説かれる。
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

本来は、mood(述べ方、叙法)の形容詞形 modal(叙法の)を再び名詞化した語が modality(mood のようなもの)であった。


コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。