便所を美しくする娘は 美しい子供をうむ
といった母を思い出します
僕は男です
美しい妻に会えるかも知れません
といった母を思い出します
僕は男です
美しい妻に会えるかも知れません
(濱口國雄)
今からトイレ掃除をする
一緒に心の中も掃除する
私は単純だけど美しいことが好き
清々しいしなやかさが好き
(くろほとき)
濱口國雄の「便所掃除」という詩を載せます。
少し長いですねが、読んでみてください。
少し長いですねが、読んでみてください。
扉をあけます
頭のしんまでくさくなります
まともに見ることが出来ません
神経までしびれる悲しいよごしかたです
澄んだ夜明けの空気もくさくします
掃除がいっペんにいやになります
むかつくようなパパ糞がかけてあります
どうして落着いてしてくれないのでしょう
けつの穴でも曲がっているのでしょう
それともよっぽどあわてたのでしょう
おこったところで美しくなりません
美しくするのが僕らの務めです
美しい世の中も こんな処から出発するのでしょう
くちびるを噛みしめ 戸のさんに足をかけます
静かに水を流します
パパ糞に おそるおそる箒をあてます
ポトン ポトン 便壷に落ちます
ガス弾が 鼻の頭で破裂したほど 苦しい空気が発散します
心臓 爪の先までくさくします
落とすたびに糞がはね上がって弱ります
かわいた糞はなかなかとれません
たわしに砂をつけます
手を突き入れて磨きます
汚水が顔にかかります
くちびるにもつきます
そんな事にかまっていられません
ゴリゴリ美しくするのが目的です
その手でエロ文 ぬりつけた糞も落とします
大きな性器も落します
朝風が壺から顔をなぜ上げます
心も糞になれて来ます
水を流します
心に しみた臭みを流すほど 流します
雑巾でふきます
キンカクシのうらまで丁寧にふきます
社会悪をふきとる思いでカいっぱいふきます
もう一度水をかけます
雑巾で仕上げをいたします
クレゾール液をまきます
白い乳液から新鮮な一瞬が流れます
静かな うれしい気持ですわっています
朝の光が便器に反射します
クレゾール液が 糞壷の中から七色の光で照らします
便所を美しくする娘は
美しい子供をうむ といった母を思い出します
僕は男です
美しい妻に会えるかも知れません
何故、この詩を載せたか?
歳をとればとるほど、精神はしなやかでいたいから。
シニアの人たちには、必ずドラマがあり、詩的な想いがある。
それをアウトプットしよう。
仕事のことでもいい、登山でもいい、虫や鳥のことでもいい。
その時の精神のうねりを言葉にしよう。
シニアには、シニアの文化があるのだから。
便所を美しくする…。シニアの文化。そう言われてみればそうですね。
あと、台所仕事をできるだけ音を出さないようにするという文化もありますよね。
自分ができているかと問われると?ですが、でも、日本文化の美しい考え方が詰まっているように思います。
自分の人生の切り口をどう表現しながら生きていくか、というのは結構大問題ですね。これからもよろしくお願いします。
今から夏の間さぼっていたトイレ掃除をすることにします。
頭が固く、融通が利かないと云われます。
しなやか・・しなやかさを充分に心がけて生きて行こうと思います。