いや、もともとは見る気はなかったのです。ツアー3日目、きつめのスケジュールの日でかなり疲労してしまい、夜はホテルで早めに休みたいと思える日でした。オプションなので申し込んでいない人もいました。申し込んでいなかった人は、正解だったとVサインを出していました。私も申し込んではいなかったのですが、前々日に旅行社から電話があった時、申し込んだことになっていて既に料金も引き落とし済みと言われ、それならまあいいか、とおおらかな気持ちで見てみることにしてしまったのでした。
会場は予想に反して座席数は多く見積もってもせいぜい400席。常設館で毎日公演をしている上に5か所も会場があるということなので、この程度の大きさが限界なのでしょう。丸いリングの周りに観客席がある、いわゆるサーカスタイプの会場を予想していたら、正面に舞台があって、小さな公会堂といった趣でした。
一番の見ものは出し物よりも、それはそれは美しいドレス姿の司会者の女の子でしたが、司会者を見て満足しているわけにもいきません。本番もしっかり見ないと・・・・。しかし、私の性格は相変わらずひねくれていて、女の子たちが集団で演技をしているところを見ながらも、見事な技には目もくれず、危険な集団演技を指揮しているのはどの子だろうと、そこばかりに意識がいっていました。よくみると、恐らくは最年長であろうと思われる、多分18歳くらいの女の子がハッ!ハッ!と声をかけ、それに合わせて次の動きに移っているのでした。女子ばかりの集団をまとめるのはさぞかし苦労があることだろうと思わず感情移入してしまいました。
上海雑技団、国際的にも有名ですし、日本でも普通の大人ならその名前を聞いたことがあるはずの、人間の肉体を使った曲芸だけを売り物にしているサーカスです。実際に見る前は、ボリショイサーカス(これは見たことがあります)のような華やかな舞台を想像していたのですが、実際はそれとはかけ離れたものでした。半分は男子の演技ですが、どうしても女子の演技が気になります。身長からみたら小学校1年生としか思えないような子が混じっています。しかし1年生では複雑な演技に頭がついていけないでしょうから、身体がおそろしく小さな高学年の女の子であるはずです。そんな子供たちがどうして過酷な訓練を必要とするサーカス団に入っているのか、元教師としてはそこがとても気になります。中国でも今やお金さえあれば塾通いに精を出す時代です。そんな時代に夜の9時まで毎日命綱をつけ、身体をはって演技を見せなければならない子供たちとはいったいどういう存在なのか、考えさせられてしまいます。
これだけ有名な雑技団ですが、私の見たところでは団員達の待遇はあまり良さそうではありませんでした。上演終了と共に立って会場を出ようとした私たちより先に、今舞台に立って挨拶をしていた団員たちが玄関に先回りして、自分達のDVDを手に持って販売しています。テーブルに置いて客に声をかけるのではなく、手に持って通り過ぎる客たちに声をかけ続けるのです。その姿は会場の外で私たちに偽のグッチを売りつけようと立っていた人たちと変わりません。また、演技中の服、つまり舞台衣装もかなり擦り切れて穴があいたままになっているのが客席からもはっきりと見て取れます。この子たちは明らかに経営者からみたら搾取の対象でしかないと思われます。
私達が今回上海雑技団の演技を見るために支払った料金は一人につき5,000円です。中国人の平均月収は現在4万円だそうです。これだけ高額の料金を受け取りながら、団員達の衣装は擦り切れたまま。その裏にある社会事情に思いをはせてしまった私でした。
会場は予想に反して座席数は多く見積もってもせいぜい400席。常設館で毎日公演をしている上に5か所も会場があるということなので、この程度の大きさが限界なのでしょう。丸いリングの周りに観客席がある、いわゆるサーカスタイプの会場を予想していたら、正面に舞台があって、小さな公会堂といった趣でした。
一番の見ものは出し物よりも、それはそれは美しいドレス姿の司会者の女の子でしたが、司会者を見て満足しているわけにもいきません。本番もしっかり見ないと・・・・。しかし、私の性格は相変わらずひねくれていて、女の子たちが集団で演技をしているところを見ながらも、見事な技には目もくれず、危険な集団演技を指揮しているのはどの子だろうと、そこばかりに意識がいっていました。よくみると、恐らくは最年長であろうと思われる、多分18歳くらいの女の子がハッ!ハッ!と声をかけ、それに合わせて次の動きに移っているのでした。女子ばかりの集団をまとめるのはさぞかし苦労があることだろうと思わず感情移入してしまいました。
上海雑技団、国際的にも有名ですし、日本でも普通の大人ならその名前を聞いたことがあるはずの、人間の肉体を使った曲芸だけを売り物にしているサーカスです。実際に見る前は、ボリショイサーカス(これは見たことがあります)のような華やかな舞台を想像していたのですが、実際はそれとはかけ離れたものでした。半分は男子の演技ですが、どうしても女子の演技が気になります。身長からみたら小学校1年生としか思えないような子が混じっています。しかし1年生では複雑な演技に頭がついていけないでしょうから、身体がおそろしく小さな高学年の女の子であるはずです。そんな子供たちがどうして過酷な訓練を必要とするサーカス団に入っているのか、元教師としてはそこがとても気になります。中国でも今やお金さえあれば塾通いに精を出す時代です。そんな時代に夜の9時まで毎日命綱をつけ、身体をはって演技を見せなければならない子供たちとはいったいどういう存在なのか、考えさせられてしまいます。
これだけ有名な雑技団ですが、私の見たところでは団員達の待遇はあまり良さそうではありませんでした。上演終了と共に立って会場を出ようとした私たちより先に、今舞台に立って挨拶をしていた団員たちが玄関に先回りして、自分達のDVDを手に持って販売しています。テーブルに置いて客に声をかけるのではなく、手に持って通り過ぎる客たちに声をかけ続けるのです。その姿は会場の外で私たちに偽のグッチを売りつけようと立っていた人たちと変わりません。また、演技中の服、つまり舞台衣装もかなり擦り切れて穴があいたままになっているのが客席からもはっきりと見て取れます。この子たちは明らかに経営者からみたら搾取の対象でしかないと思われます。
私達が今回上海雑技団の演技を見るために支払った料金は一人につき5,000円です。中国人の平均月収は現在4万円だそうです。これだけ高額の料金を受け取りながら、団員達の衣装は擦り切れたまま。その裏にある社会事情に思いをはせてしまった私でした。