「イグアスの滝」なら見ましたよ!『ブエノスアイレス』の映画の中でですが・・・
「ウィスキー」「チーズ」、『オオカミの誘惑』で知った「はい、キムチー」。これら写真を撮るときの言葉。もちろん笑顔を作るための言葉だが、主人公のハコボは写真を撮るときしか笑顔を見せなかったほど、とにかく気難しいタイプの初老男性だ。弟を招待するために助手のマルタに夫婦のフリをさせる心理もわかりづらいし、UFOキャッチャーに夢中になるという心理もわからなかった。
極端に台詞が少ない脚本が観る者それぞれに違った感想を与えることは素敵なことだと思います。工場のシャッターを開け、照明を点け、事務所に入る。タイムカード、持ち物チェック、中々かからない車のエンジン。同じことを繰り返す映像によって零細工場経営の単調な毎日を描き、疎遠だった弟と会うことで変化を描く。映像だけの表現なのに、弟が泊まる部屋にさりげなく酸素ボンベを置くシーンは見事です。自分が母親の介護を一人でやり通したことを弟に見せつけるという無言の圧力だった(かなりお気に入り)。
ハコボの行動が観る者に最もグサリと響くのは、カジノにて弟からもらった金を全てコインに替えるシーンでしょう。この終盤の展開は素晴らしかった。それまではオフビート感漂う淡々とした映像表現だったのに、終始無表情で掴みどころのない男を一気にドラマチックに描いた瞬間でした。対する弟エルマンの性格は非常にわかりやすく、どこにでもいるような男。偽の妻役を演じたマルタ(ミレージャ・パスクアル)も、弟の部屋で一夜を過ごした点とエンディング以外は馴染みやすい。
想像力を刺激するシーンも満載だった。弟の部屋で一夜を過ごしたマルタは性的なものは何もなかったのだろうけど、何をしゃべっていたのか非常に気になるところ。また、「飛行機の中で読んでね」とエルマンに渡した手紙には何が書かれていたのか。そして、ラストの無断欠勤の意味するところは!!ある程度、自分なりの答えを考えてはみましたが、もう一度観たときには、また違った想像をしてしまいそうです・・・
★★★★・
《追記》
ウィスキーは出てこないのかと思い、飲み物をチェックしてみた。
ワイン、水、カクテル・・・やはり出てこなかった。
「ウィスキー」「チーズ」、『オオカミの誘惑』で知った「はい、キムチー」。これら写真を撮るときの言葉。もちろん笑顔を作るための言葉だが、主人公のハコボは写真を撮るときしか笑顔を見せなかったほど、とにかく気難しいタイプの初老男性だ。弟を招待するために助手のマルタに夫婦のフリをさせる心理もわかりづらいし、UFOキャッチャーに夢中になるという心理もわからなかった。
極端に台詞が少ない脚本が観る者それぞれに違った感想を与えることは素敵なことだと思います。工場のシャッターを開け、照明を点け、事務所に入る。タイムカード、持ち物チェック、中々かからない車のエンジン。同じことを繰り返す映像によって零細工場経営の単調な毎日を描き、疎遠だった弟と会うことで変化を描く。映像だけの表現なのに、弟が泊まる部屋にさりげなく酸素ボンベを置くシーンは見事です。自分が母親の介護を一人でやり通したことを弟に見せつけるという無言の圧力だった(かなりお気に入り)。
ハコボの行動が観る者に最もグサリと響くのは、カジノにて弟からもらった金を全てコインに替えるシーンでしょう。この終盤の展開は素晴らしかった。それまではオフビート感漂う淡々とした映像表現だったのに、終始無表情で掴みどころのない男を一気にドラマチックに描いた瞬間でした。対する弟エルマンの性格は非常にわかりやすく、どこにでもいるような男。偽の妻役を演じたマルタ(ミレージャ・パスクアル)も、弟の部屋で一夜を過ごした点とエンディング以外は馴染みやすい。
想像力を刺激するシーンも満載だった。弟の部屋で一夜を過ごしたマルタは性的なものは何もなかったのだろうけど、何をしゃべっていたのか非常に気になるところ。また、「飛行機の中で読んでね」とエルマンに渡した手紙には何が書かれていたのか。そして、ラストの無断欠勤の意味するところは!!ある程度、自分なりの答えを考えてはみましたが、もう一度観たときには、また違った想像をしてしまいそうです・・・
★★★★・
《追記》
ウィスキーは出てこないのかと思い、飲み物をチェックしてみた。
ワイン、水、カクテル・・・やはり出てこなかった。
あぁ、そういえば・・・
マルタが引きずってましたね。
もしや偶然?
もう一度観てみたいけど、時間帯が・・・
マルタの変化は女性から見ていると恐ろしいものがありましたよ!
やっぱり変化を望んでいたのかなぁ?
どういう人生を歩んできた女性か知りたいなぁ。
そうかぁ~
さすがに女性の目から見ると違う感想になるのですね!
どうしてもハコボに感情移入しがちだったので、彼の心理を理解しようと必死になる自分がありました。
たしかに、弟の部屋で一夜を過ごしたマルタの心は考えさせられますよね。
多分、平凡で退屈な人生を過ごしてきたマルタ。
ハコボからのプレゼントを見た彼女が今までの常識をどのくらい打ち破ることができたのか・・・次回観るときには、目一杯マルタに感情移入して理解したいと思います!
わたし的には、マルタの変化はかわいらしく、ほほえましいものでしたよ。
いや、実際、自分の身近のその年代の女性が、ああいうふうにウキウキ色気づいていったら、引くかもしれないけど。(笑)
映画を観ている限りでは、マルタの乙女心は共感できました。
歳をとっても恋心。
大事にしたいものです・・・
共感できるからこそ、手紙の中味やその後のマルタが気になるところですよね~
マルタが一生懸命片付けたのに…
う~ん、意固地なハコボ!
って、かわいいんですけどねぇ(笑)
そうかぁ~、よかったのか・・・
まぁ、ハコボが置いたというのも想像の世界ですから、ハッキリと言えないところが素敵なんだと思います。
ちょっとしたところに心が見えるハコボは可愛いですよね。
カジノの件は賛否両論になるかもしれないけど・・・
弟のくれた靴下の品質にも何も言わないのは、地元に残ってひとり工場を営み、母を見取った長男の意地なんでしょうね。
男って・・・。
最後のマルタの無断欠勤は、未だに気になってます。
あの金で逃げた(?)のか、
それともハコボを本気で好きになってしまって、
それでもそっけないからイジケた(?)のか、とか。
観終わった後も、いろいろ考えるとおもしろいですよね!