『グラディエーター』のリドリー・スコット監督!と言うよりは、『ブラックホーク・ダウン』のリドリー・スコット監督!と言った方が良くないですか?
戦争映画は、ほとんどの場合広義の反戦映画になるようですが、この映画も、ジャンルでは戦争映画を謳ってはいないものの普遍的な反戦を訴え、さらには大国による他国への侵略、略奪を批判したモノになっています。
歴史を紐解いてみれば、ヨーロッパからの十字軍遠征というものは聖地奪回という大義の下にイスラム圏への領土拡大=侵略が行われていたにすぎないのです。映画の中でもティベリアス(ジェレミー・アイアンズ)の台詞にあったように、「土地と金」が全てだった。エルサレム王の軍事顧問が言うのだから、これほど信憑性に富む話はないのです。映画を観ている間ずっと、現在でも続いているパレスチナとイスラエルの国家紛争を思い出さずにはいられなくなり、拡大解釈すれば、アメリカを含む大国主義国家による侵略戦争すべてを批判しているようにも受け取れました。
冒頭、妻の自殺と首を切るという行為にキリスト教への不信感が募ったバリアン(オーランド・ブルーム)。自分が十字軍の英雄ゴッドフリー(リーアム・ニーソン)の息子であると告げられたショックも重なり、司祭を殺しエルサレムへ行くことを決意した。最初は「罪を償う」というテーマだったが、平和を願い、真の騎士道と「国家を守る」という意味をも考えさせる内容にもなっています。
惜しいのは、冒頭の殺人やシビルを妻としなかった理由など主人公の心理描写が弱く、ラブシーンを中心にカットされ過ぎと思わせるほどの物足りない編集が残念だった。ラストの投石を中心とした攻防は迫力ある映像だし、オーリーが刺客に襲われる殺陣シーンもよかったのに、こういったスペクタクルが少なかった。そして、「やっぱり・・・」と思わせる翻訳家にも!まぁ、最も不満な点は、オーリーが弓矢を放たないところかもしれないですけどね・・・
★★★★・
・キングダム・オブ・ヘブン@映画生活
戦争映画は、ほとんどの場合広義の反戦映画になるようですが、この映画も、ジャンルでは戦争映画を謳ってはいないものの普遍的な反戦を訴え、さらには大国による他国への侵略、略奪を批判したモノになっています。
歴史を紐解いてみれば、ヨーロッパからの十字軍遠征というものは聖地奪回という大義の下にイスラム圏への領土拡大=侵略が行われていたにすぎないのです。映画の中でもティベリアス(ジェレミー・アイアンズ)の台詞にあったように、「土地と金」が全てだった。エルサレム王の軍事顧問が言うのだから、これほど信憑性に富む話はないのです。映画を観ている間ずっと、現在でも続いているパレスチナとイスラエルの国家紛争を思い出さずにはいられなくなり、拡大解釈すれば、アメリカを含む大国主義国家による侵略戦争すべてを批判しているようにも受け取れました。
冒頭、妻の自殺と首を切るという行為にキリスト教への不信感が募ったバリアン(オーランド・ブルーム)。自分が十字軍の英雄ゴッドフリー(リーアム・ニーソン)の息子であると告げられたショックも重なり、司祭を殺しエルサレムへ行くことを決意した。最初は「罪を償う」というテーマだったが、平和を願い、真の騎士道と「国家を守る」という意味をも考えさせる内容にもなっています。
惜しいのは、冒頭の殺人やシビルを妻としなかった理由など主人公の心理描写が弱く、ラブシーンを中心にカットされ過ぎと思わせるほどの物足りない編集が残念だった。ラストの投石を中心とした攻防は迫力ある映像だし、オーリーが刺客に襲われる殺陣シーンもよかったのに、こういったスペクタクルが少なかった。そして、「やっぱり・・・」と思わせる翻訳家にも!まぁ、最も不満な点は、オーリーが弓矢を放たないところかもしれないですけどね・・・
★★★★・
・キングダム・オブ・ヘブン@映画生活
知りませんでした。
何でもあのラブシーンはきっちり取ったのをきれいにカットされて女優さんがショックを受けてたそうですよ。
私も心理描写がいまいちだと思いました。
ほとんど見えない月を見上げるシーンとかイスラム教徒に改宗するのかと思ってビクビクしちゃいましたよ。そんな危ない映画はこの時期ないはずって思いながら見てましたけど・・・。
確かに指輪物語にトロイと来たんで城壁から弓を射るシーンがなくて残念でしたよ。やっぱりここで弓を引かせたらやばいと監督も思ったんじゃないですか?
Kossyさんのコメントで今回はちょっとびっくりしました。私と解釈が正反対だったもので。そう言う見方もあるんですね。納得。私はてっきり小国でも武器を持って立ち上がることで戦争を外交手段として使えるってことが言いたいんだと思いました・・・。
早速のコメントありがとうございます!
ラストの戦争に関する描写ですよね。
イスラムが攻めてきたことで、
ルノーとギーは真っ先に突撃して
一方、バリアンは国民を守ることに徹する。
最終的には、土地が国家を形成するんじゃなくて、人が集まるところが国家になるといった意味に取れました。
ティベリウスが「結局侵略したのは自分たちだ」みたいなことを言っていたことに共鳴して、平和的な解決策をとりました。
もう侵略戦争には加担したくなくて、ラストの「勝手に行けば?」みたいな台詞に繋がったように思います。
ただ、専守防衛の戦いは必要なので、全ての戦争に反対するんじゃないことも描いてましたよね。
『ブラックホーク・ダウン』でも、反戦映画か愛国映画かと意見が分かれていましたけど、この映画も色々な取り方が出てくるでしょうね~
はじめまして。
TB、ありがとうございます。
私からもTBさせていただきました!
「グラディエーター」は好きなんですよ。
ほんとうにヒーローものだと思うし。
ただ、「キングダム」はヒーローものとは
ちょっと違う印象なんですよね。
エルサレムをあけわたしたのに、
どうして民衆があそこまで喜ぶんだ?
って疑問がいっぱいです。
(私には)も一度観なくちゃ解らないです。
でも、オーリーに弓を持たせていないから、というのは
面白いですね~!
ウケましたv
映画好きな人がまわりにいないので、またあそびにきますね。
疑問はいっぱい残っていますよね。
編集のせいか、字幕のせいかはわかりませんが・・・
ディレクターズカット版が出るまで謎のままかもしれません。
民衆が喜んだ理由は、武器を持たない人たちですので、殺されたり改宗させられたりするより生き残ればずっとキリスト教徒でいられるからじゃないでしょうか。
2回目の感想も楽しみにしてま~す。
>真莉愛さま
どんどん遊びに来てください♪
こんなブログでも参考になれば幸いです。
そいうえばここ疑問のまま残りました。
もう一度観たい気もします~。
オーリーが弓矢を放たない!
確かに不満です(笑)
私も「グラディエーター」より「ブラックホークダウン」の色合いが濃いと思いました。でも宣伝は「グラディエーターの!」ってかんじなんですよね。うーん。
かなりカットされてるみたいで残念です。ディレクターズカット版が見たいー。
もしかすると、ラブシーンを大幅カットしたことも関係があるような気がしてきました。
恋愛劇を重視しないように仕向けるとか・・・
弓矢を放たなかったのは、パロディにしたくなかったといったところなんでしょうかね・・・不満ですけど(笑)
ありがとうございます。
同じように考えてる人がいて嬉しいです。
『グラディエーター』と比較されるのは、中世を扱ったという点だけですもんね。
戦争のテーマや異民族に関しては、『ブラックホーク・ダウン』ですよね~
ぼくもこの映画は反戦映画、
それもいまのアメリカをかなり批判的に
とらえていると思います。
ただ、ぼくはこれを『ブラックホーク・ダウン』とは思いませんでした。
むしろリドリー・スコットは
『ブラックホーク・ダウン』を撮った反動と自省からこれを作った----
そういう気がしました。
というのも『ブラックホーク・ダウン』は
ソマリアの人々をまるでゾンビでもあるかのように不気味に描き、
なおかつアメリカの介入を正当化。
さすが『GIジェーン』でもリビア人を殺しまくったスコットだけある、
当時ぼくはそう見ていたからです。
でも今回は明らかにアメリカ批判。
これはスコットの視座が変わったと言うことではないでしょうか?