見果てぬ夢

様々な土地をゆっくりと歩き、そこに暮らす人たちに出会い、風景の中に立てば、何か見えてくるものがあるかもしれない。

乾燥地帯が守った地上絵(その1)

2008-01-05 22:46:40 | 南米
年末年始の休暇を利用して妹がペルーまでやってきた。
若い時はインドや中米をふらりと歩いた彼女だが、最近は仕事絡みのツアー旅行ばかりで「自由旅行の感覚をすっかり忘れてしまった」と、この旅を楽しみにしていた。

成田を29日16:30に発ち、米国アトランタ経由のリマ到着は同日23:50。
日付変更線を越えるので、実質20時間以上かけて来たことになる。
私は、気の向くままに歩いていた旅のテンポから転換、彼女の超ハードなスケジュールに合わせ、ペルーの神秘のロマンス探訪の旅を組んだ。



彼女の最大の目的は「ナスカの地上絵」。
ネット上で公開されている様々な旅日記を読むと、「激しい飛行機酔いに苦しみ、地上絵鑑賞どころではなかった」という悲惨な報告が多い。時として列車でも酔う敏感な三半規管を持つ私は、やや尻込み気分だったが、怯まない妹に負けてしぶしぶ、彼女が日本から買ってきた『酔ってからでも効く』という酔い止め薬をセスナ搭乗の直前に服用した。



操縦士を含め6人乗りのセスナ機内は予想以上に狭く、閉鎖的な圧迫感に包まれたが、中年の温厚そうな男性操縦士が振り返った笑顔にやや気持ちが落ち着く。乗客5人が座席のシートベルトを装着したところで、耳にヘッドセットをつけるよう指示が出る。どうやら、操縦士が地上絵の案内をするらしい。
説明は英語でいいかと問われ、同乗したドイツ人夫婦は「OK」と答えたが、妹もいるので「日本語は?」と聞いてみると「OK」の返事。本当?素晴らしい!
が、彼がスターターのスイッチを入れるとすぐ、プロペラの爆音に機内の会話はままならなくなった。「Let's go」と操縦士がヘッドセットを通して言った言葉も爆音にかき消される。短い滑走の後、ふわりと機体が上がったとたん足元がぞくっとした。



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