見果てぬ夢

様々な土地をゆっくりと歩き、そこに暮らす人たちに出会い、風景の中に立てば、何か見えてくるものがあるかもしれない。

素朴なイースター島の暮らし

2008-01-11 02:11:01 | 南米
イースター島のモアイ像に会いたいとずっと思っていた。

日本から独自に行くには、タヒチ島経由か、南米チリのサンチアゴ経由の空路で、航空券が高く入手も難しいと聞く。だからこそ、巨大なモアイ像が海岸線に沿って並ぶだけの、ひと気のない秘境の島というイメージが大きかったのだが・・・



島に入ってわかったのは、今も多くの人々が生活を営んでいる島なのだということ。
にもかかわらず、仏領ポリネシアの洗練されたリゾートアイランドたちとは全く異なる地味で無骨で素朴な島であるということを知った。
人々は観光と農業と漁業を中心に生活しているが、目立つ大きなホテルや観光施設はなく、南国であってもフルーツは本国から週に一度の船で運ばれ、自給できる農産物もごく限られている。島で一番大きいというスーパーマーケットに行ってみると、生鮮食料品を含めた品目数は極端に限られ、店内には空いた棚が寂しく連なっていた。



「何でも本土から持ってこなければならないから、生活費はかかるんだ」と4年前に島の女性と結婚して移り住んだドイツ人のジョゼが言う。
「家を建てるにも、原材料はすべて本土から運んでくる。ここでペンションを新築した時は、チリ本土の10倍のコストがかかると言われたよ」と。



太平洋の孤島と呼ばれるイースター島の海は透明で美しい。島の周囲はほとんど岩礁で、白い砂浜の海岸線は島内のわずかな場所だけ。それでも、人々は岩礁の浅瀬を利用し、透き通った海の中で魚と戯れたり、波に乗ったりしている。



島の多くの家では、馬を飼っている。数本のメイン道路以外はすべてむき出しの赤土の道を、馬に乗った人たちが風を切って通り過ぎていく。島の日常の乗り物なのだ。
馬に、重い鞍は着けない。折りたたんだ厚い羊毛シートをかけただけの馬の背中に身軽に飛び乗り、自分の足のように自在に操っている。


↑舗装されているメイン道路でも、馬が走れるように両脇は土がむき出しになっている。
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