見果てぬ夢

様々な土地をゆっくりと歩き、そこに暮らす人たちに出会い、風景の中に立てば、何か見えてくるものがあるかもしれない。

排他的な大人の行動に重なるこどものいじめ

2006-11-23 22:14:11 | 生き方・生活
パリの下町で、ホームレスにスープサービスをしている団体の慈善活動の内実を指摘する記事が、一昨日の朝日新聞に掲載された。
キャッチは「慈善活動の裏で」。国際面の新連載『新右翼の欧州』の初回。

欧州の右翼というと、ドイツのネオナチが真っ先に思い浮かぶが、欧州における国粋主義的組織は、フランスやベルギー等各地で戦略的に活動している。

記事に紹介された右翼政党FN(国民戦線)は、国民受けしそうな多彩な慈善プログラムを展開しているが、その内実は目眩を覚えそうなほど陰湿だ。

FNのホームレス向け炊き出しの特徴は、その配食メニューに必ず豚肉を使っていることにある。「『豚肉は我々フランス人の伝統的な食材だ』、と組織メンバーは堂々と語るが」「ホームレスの相当部分を占めるイスラム教徒の移民への嫌がらせであるのは明らかだ」と記事は言い切る。

昨今の日本のいじめ問題がオーバーラップする。
特定の者を排除しようとする心情はどこから生れるのだろうか。自分が、誰かを排除したいと思うときの状況を思い出してみる。が、そもそも群れることに慣れない自分は、多くの場合、排除される側にいたように思う。
フランス右翼の排除対象がイスラム系移民であると同様、小学校時代から何度も転校生として既存の組織に入っていった私は、常に排除されるか受け入れられるかの対象だったに違いない。仕事に就いてからも様々な土地を転任し歩く「よそ者」だった。今もこの土地の出身でないということについて強調される場面は少なくない。

ひとつの集団や土地に固定されなかったことが原因だろうか、自分の住む土地や所属する組織だけを唯一絶対的と考えることができない。排他的な群れや、国粋主義的思考に、どうしても理解し得ないものがある。


にほんブログ村 サラリーマン日記ブログへ にほんブログ村 政治ブログへ
コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 日本はG7で最下位 スイス... | トップ | 取材スタッフの服装はあれで... »
最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (安部雅哉)
2014-12-31 01:10:36
お邪魔いたします。朝日新聞の記事をご覧になってこのブログをお書きになられたものと存じます。私は在仏27年で、フランスの現状はそれなりに把握しております。

まず炊き出しおいて、FNは確かに豚肉を使用しているのは間違いありません。しかし、ホームレスにイスラム教徒は実はほぼ皆無です。ですから朝日の記事はありえない事実無根です。  イスラム教徒にホームレスがいない理由は多々ありますが、例えば生活保護の不正受給などイスラム教徒しかいません。その他、確かにイスラム系寺院によるイスラム系貧困者救済があることもあります。  いわゆる路上生活は、一般的なフランス人が主体で、次がルーマニアから流入してきた人たち、ジプシーなどで、彼らは豚肉を当然食べます。ですから、FNが排他的理由から豚肉を使用しているものではないですし、又フランスの伝統食材でもあるのは間違いがない事実で、それを持ってして排外主義と言うのはあまりにも短絡的なのではないでしょうか?
返信する
ありがとうございます。 (wine)
2015-09-05 23:14:51
安部様
ご指摘ありがとうございます。
久しぶりに自分のブログを訪問して、投稿していただいていることに気づきました。
もう半年以上も前のご指摘に気づかず申し訳ありません。
この記事を書いたのは、今から10年近く前になります。安部さんのご指摘のとおり、新聞記事だけ読んでの判断ですが、フランス在住の安部様の方が正しい見方なのだと思います。
ひとつの記事を丸呑みしての投稿でした。反省します。
このブログの書き込みを止めてもう何年もたってしまいました。いろいろな状況が更新を妨げているのですが、そろそろまた自分自身を省みる時間を確保しなければと思う日々です。
書き込みありがとうございました。
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

生き方・生活」カテゴリの最新記事