見果てぬ夢

様々な土地をゆっくりと歩き、そこに暮らす人たちに出会い、風景の中に立てば、何か見えてくるものがあるかもしれない。

田中元長野県知事の功罪

2006-11-02 23:55:11 | 政治・社会
元宮城県知事浅野さん、元志木市長穂坂さん、少し前では三重県知事北川さん等々。近年の市民派と称されていた全国の首長が退任し、新たな場所から熱いメッセージを発信している。

この夏に長野県知事を辞任した田中さんも全国で語り始めたようだが、前述した方々と並ぶ論客になるかどうかは未知数だ。

先日、田中さんの部下だった方と食事を共にした。
「墓場まで持っていかなければならない話も山ほどある」と笑いながら、彼の功罪について言葉を選びながら語った。

■best3
1 発想・着想が独特。
通常の為政者の発想とは全く違う観点と感性。
2 ぶれない。
一度決心したことを損得の計算では変えない。
3 既得権に左右されない。
個人と組織を同等に扱い、大きな組織と、一個人との公聴や対応に差をつけない。

■worst3
1 組織の動かし方を知らない。
7000人の県職員のうち、知事のために動く核となる職員は10人程度。
2 疑い深い。
人を信用するまでに石橋を壊すまで慎重になる。
3 飽きっぽい。
打ち上げた事業について最後までのフォローがなく、関心が続かない。

田中さんが長野県政にとってどんな存在だったのか、今はまだ混沌としているところが多いが、今後の新しい知事の動きが、田中さんの功罪をさらにはっきりさせていくのだろう。

彼は、いくつかの派手な施策や行動で批判を浴びたために、一般県民から愛想をつかされてしまったが、実は、あまり目立たず地味な個別事業で様々な変革を重ね、成果を上げている。
様々な組織や人との調整が必要な施策が苦手だった。その調整役に長けた側近を副知事として置くべきだったのだが、調整役に長けた出納長を副知事にできなかったところに、警戒心の強い田中さんの小心さが垣間見える。


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