昨日の定例議会でのこと。
一般質問の最初に立った議員が、「12月の町長選挙に出馬する意向はあるか」と質問した。
任期が迫る定例議会ではありがちな質問だ。
首長派議員が応援の意味を込めて質問に立つことも多い。
対して、曖昧な答弁でお茶を濁す首長もいる。
浜中町長の言動に注目した。
「一期目の課題は山積みでまだその解決は緒に就いたばかり。様々に取り組み始めた案件を、継続して私の責任で進めていきたい。立候補する」
と、長谷川町長は原稿に目を落とすことなく、正面の質問議員を見据えてはっきりと言った。
予想以上に毅然とした町長の印象だった。
同議員は、最初の町長の答弁に一応の納得を示し、さらに2回目の質問とし、細かい質問を矢継ぎ早に連ねた。
①一期目にやろうとしてできなかったことは何か。
②出馬の決意は、後援会の勧めで決意したのか、自身の決断か。
③必要な機関への挨拶周りが十分とは思えないが、いかがか。
④人事が硬直していると思われるが、いかがか。
⑤長として町民にあるべき姿を啓発すべきと思うが、いかがか。
⑥事務事業の評価システム導入は考えているか。
⑦職員研修の一環で民間サービス業への職員派遣は考えているか。
⑧職員の評価をどう考えているか。町長は細かすぎるという職員の声がある。
⑨役場前の「霧多布中央通り」は昔の親しんだ名前「カボウ線」からどうして変更されたのか。
⑩カボウ線の診療所前の未舗装部分の改良工事費用はいくらかかるのか。
これでもかと思えるほどの質問10項目を言い切り、同議員は発言席の肘掛け椅子に腰を下ろした。
完全な対面式の質疑応答である。
本来あるべき議会の姿に見えた。
一般的には、議場では、理事者も議員も、議員側に対面した発言席に立つ。
質問議員は、理事者に背を向け、議員(+傍聴者)に向って発言するように設定されている。議会は一種のパフォーマンスだと言った議員も昔いた。
しかし、質す相手の顔を見て発言するのは至極当然だ、と浜中町の議場に臨んで思わせられる。
それにしても、「通告に従った質問」は、町議会のルールである。
が、同議員の10項目の半分近くがそのルールを逸脱していることは確かだった。
同議員の質問の事前通告は「町長の次期選挙への出馬の有無を問う」と「霧多布中央通りの道路改良について」の2つのみ。
しかも、同議員は質問に入る前に「リーダーの条件は、」と元岩手県知事の増田さんと元ニセコ町長の逢坂さんの二人のリーダー論を長々と披露したのだ。
増田さんが言うリーダーの条件・資質とは、洞察力とコミュニケーション能力。逢坂さんは、強い意志と創造力、というように。
質問回数は3回と制限されているが、持ち時間制限はないので、議員は思う存分に時間を使うことができる。
議長から質問内容に関する指摘はない。大らかな議会なのかもしれない。
が、細かく数多い質問に、理事者はどう対応するだろうか。
「議長、町長!」長谷川町長が立った。
驚いた。
質問10項目の全てについて、時には反論を加えながらも、町長はひとつひとつ真摯に答弁したのだった。
質問のどれ一つとして漏れがなく、丁寧な物言いである。
最後の工事費についてのみ、建設整備課長が答えただけだった。
たいした町長だった。
そして、最後に彼は言った。
「議員前段の、リーダーの資質については、十分参考にさせていただきたい。が、私は、町長としての資質は『愛』であると考える。町と町民を愛する心。愛のあるところに、コミュニケーションも生まれると信じている」
通告にない質問である。事前に担当課が作った答弁シナリオではない。
長谷川町長は、ゆっくりと自分の言葉で語った。
思わず、羨望の溜息が出た。
こいうリーダーに率いられる町民は幸せだろう。
長谷川町長の2期目に期待をかけずにはいられない。
一般質問の最初に立った議員が、「12月の町長選挙に出馬する意向はあるか」と質問した。
任期が迫る定例議会ではありがちな質問だ。
首長派議員が応援の意味を込めて質問に立つことも多い。
対して、曖昧な答弁でお茶を濁す首長もいる。
浜中町長の言動に注目した。
「一期目の課題は山積みでまだその解決は緒に就いたばかり。様々に取り組み始めた案件を、継続して私の責任で進めていきたい。立候補する」
と、長谷川町長は原稿に目を落とすことなく、正面の質問議員を見据えてはっきりと言った。
予想以上に毅然とした町長の印象だった。
同議員は、最初の町長の答弁に一応の納得を示し、さらに2回目の質問とし、細かい質問を矢継ぎ早に連ねた。
①一期目にやろうとしてできなかったことは何か。
②出馬の決意は、後援会の勧めで決意したのか、自身の決断か。
③必要な機関への挨拶周りが十分とは思えないが、いかがか。
④人事が硬直していると思われるが、いかがか。
⑤長として町民にあるべき姿を啓発すべきと思うが、いかがか。
⑥事務事業の評価システム導入は考えているか。
⑦職員研修の一環で民間サービス業への職員派遣は考えているか。
⑧職員の評価をどう考えているか。町長は細かすぎるという職員の声がある。
⑨役場前の「霧多布中央通り」は昔の親しんだ名前「カボウ線」からどうして変更されたのか。
⑩カボウ線の診療所前の未舗装部分の改良工事費用はいくらかかるのか。
これでもかと思えるほどの質問10項目を言い切り、同議員は発言席の肘掛け椅子に腰を下ろした。
完全な対面式の質疑応答である。
本来あるべき議会の姿に見えた。
一般的には、議場では、理事者も議員も、議員側に対面した発言席に立つ。
質問議員は、理事者に背を向け、議員(+傍聴者)に向って発言するように設定されている。議会は一種のパフォーマンスだと言った議員も昔いた。
しかし、質す相手の顔を見て発言するのは至極当然だ、と浜中町の議場に臨んで思わせられる。
それにしても、「通告に従った質問」は、町議会のルールである。
が、同議員の10項目の半分近くがそのルールを逸脱していることは確かだった。
同議員の質問の事前通告は「町長の次期選挙への出馬の有無を問う」と「霧多布中央通りの道路改良について」の2つのみ。
しかも、同議員は質問に入る前に「リーダーの条件は、」と元岩手県知事の増田さんと元ニセコ町長の逢坂さんの二人のリーダー論を長々と披露したのだ。
増田さんが言うリーダーの条件・資質とは、洞察力とコミュニケーション能力。逢坂さんは、強い意志と創造力、というように。
質問回数は3回と制限されているが、持ち時間制限はないので、議員は思う存分に時間を使うことができる。
議長から質問内容に関する指摘はない。大らかな議会なのかもしれない。
が、細かく数多い質問に、理事者はどう対応するだろうか。
「議長、町長!」長谷川町長が立った。
驚いた。
質問10項目の全てについて、時には反論を加えながらも、町長はひとつひとつ真摯に答弁したのだった。
質問のどれ一つとして漏れがなく、丁寧な物言いである。
最後の工事費についてのみ、建設整備課長が答えただけだった。
たいした町長だった。
そして、最後に彼は言った。
「議員前段の、リーダーの資質については、十分参考にさせていただきたい。が、私は、町長としての資質は『愛』であると考える。町と町民を愛する心。愛のあるところに、コミュニケーションも生まれると信じている」
通告にない質問である。事前に担当課が作った答弁シナリオではない。
長谷川町長は、ゆっくりと自分の言葉で語った。
思わず、羨望の溜息が出た。
こいうリーダーに率いられる町民は幸せだろう。
長谷川町長の2期目に期待をかけずにはいられない。
日本は広いんだなあ・・
という感想を持ちました。
毎日のように報道される政治家や
コメンテーターの抽象的でおおざっぱな議論
は聞き飽きました
「愛」ですね。「愛」だ。
そうなんです。
愛が感じられないんだなあ・・・
それを自分の言葉で言えるなんてすごい・・。そのように生きているからそのように言えるのでしょう。
ヒグマや鮭の解体も身近に見られるいい町に住んでいらっしゃいますね。
地方から発信できることはたくさんあるように思えますが、そのツールや技術もまた貧弱であることも事実。
この人に任せれば、この人についていけば、明日の希望が持てるリーダーがほしいと切に思う昨今です。