(ネタバレあります。2010年のM-1グランプリをまだ見ていない人で、これから観ようと思う人は読まないで下さい)
3年ぶりにM-1を生で見た。『生』と言ってもテレビで、だけれど。
見る前の私の状態としては、
・出場者8組+敗者復活1組(これはもちろん『見る前』ではなく、番組途中で分かるコンビだけれど)の内、確実に認識しているのはナイツさんと笑い飯さんだけ。
・ハライチさんはネタを見て、「あ、見たことある」レベル
・去年優勝したパンクブーブーさんは、「去年のM-1のネタは観たはずだけど、覚えていない」レベル
・過去のM-1で好きなコンビは『サンドウィッチマン』さん。「ダイエット中失礼します」は秀逸なセリフだと思っている。
観ようと思った動機は、『最後』であることと、カノジョが絶対観て「おもしろかったん!話」をするので、会話についていくため。
で、感想としては・・・
楽しめました!
特に、第一ラウンドの9組が決勝の3組に残るための課程が良かった!
「もう、この3組で決まりでしょ!後は消化試合」と思っていたら、次から次へと・・・。
もちろん、全てのコンビが素晴らしかったワケではなく、残念ながら笑えなかったコンビもいたし、審査員の得点にすべて納得したわけではないけれど、それは仕方の無いことで、誰が何を面白いと思うかは、その人の人生経験やその時の環境や状況に応じて当然異なる。
例えば、特定の政治家を「彼はバカだ」と言えば多くの人の笑いを取れるだろうが、「そんな彼を選んだ有権者は愚かだ」と言えば、少なくとも彼に票を投じた人は笑えないだろう。でも彼に投票していない人は笑えるかもしれない。。。笑いの一つの要素は『差別』であり、多寡あれど『不謹慎』なものなのだ。
とまれ、第一ラウンドを観た限り、巷で言われている「影響力の低下」「システム・人材の限界」なんかは感じなかった。
多くの人が『来年も・・・』という気持ちを持ったのではないだろうか。
スリムクラブさんは確かに面白かった!けど、私の好きな・・・というか「これぞ漫才!」というタイプでは無い。
が、やはりあの『間』。観ているこちらが「4分しかないのに、大丈夫なん?」と心配してしまうほどたっぷりと開けた『間』は、素晴らしい。
審査委員の松本さんが「勇気がある」と評したのは素人ながらも頷いてしまった。
スリムクラブさん以前と以後で評価の基準が変ってしまったのでは?と思う程のインパクト。
銀シャリさんは、私の中では初見のマイナスイメージをネタの良さで徐々にひっくり返された感があり、『上手い!』という印象。
次のナイツさんは、『いい人そう』という私の好印象を裏切らないどころか、所謂「ヤホー」ネタ以上のものに進化していた。
『いい人そう』な彼らが吐くちょっとした毒は、引く人もいるかもしれないが、私は大好きだ。
パンクブーブーさんのネタはすごく良くできていて、誰もが「全て実際にはやってないという面白さ」を知った上で尚笑えるんだけど、そのエクスキューズのバリエーションの多さが完成度の高さに繋がっているような気がする。
ただ、予見できるだけに決勝でもそのタイプを続けてしまったのが残念。
決勝での順番でオオトリを選び、さらに前の二組のネタも第一ラウンドでの輝きを上回るものでは無かった為、余計に『飽き』を感じてしまったのかもしれない。
決勝はどの組も、第一ラウンドを観た人が抱いてしまう「もっと面白いものを!」という期待感を満たせなかったように思う。
唯一私が声を出して笑ってしまったのはスリムクラブさんの「民主党」ネタだ。(ただ、あれは彼らのスタイルからすると、若干ズルイとは思う)
さっき、笑いの要素の一つとして『差別』を挙げたけれど、もう一つ要素を挙げるとすると、それは『愛』なのだ。
同じネタでも、誰が言ったかによって笑いの有無や質は異なる。
だから、友達同士の会話には笑いが絶えない。互いに気心の通じ合った相手の言うことは面白く感じてしまうしのだ。
芸人で言うと、誰かのファンの人はその人が何を言っても笑ってしまい、アンチはそれを観て気持ち悪いと感じる。
M-1がスゴイのは、「結成10年以下」という縛りによって、『愛』という要素を廃している所。
観ている人が「コイツは誰だ!?」というキツイ状況の中、会話だけで笑いを生み出していくという難しさ。そのハンディを吹き飛ばすほどのエネルギーがM-1のスゴさなんだと思う。
そう考えると、この最後のM-1はやはり『最後』であるべきM-1だったのかもしれない。
そして、決勝でどの組も爆発を感じられなかった以上、「笑い飯を優勝させてあげたい」という『愛』が結果に反映されるのも私は理解できる。
私がそういう年齢になった、ということでもあるが。
3年ぶりにM-1を生で見た。『生』と言ってもテレビで、だけれど。
見る前の私の状態としては、
・出場者8組+敗者復活1組(これはもちろん『見る前』ではなく、番組途中で分かるコンビだけれど)の内、確実に認識しているのはナイツさんと笑い飯さんだけ。
・ハライチさんはネタを見て、「あ、見たことある」レベル
・去年優勝したパンクブーブーさんは、「去年のM-1のネタは観たはずだけど、覚えていない」レベル
・過去のM-1で好きなコンビは『サンドウィッチマン』さん。「ダイエット中失礼します」は秀逸なセリフだと思っている。
観ようと思った動機は、『最後』であることと、カノジョが絶対観て「おもしろかったん!話」をするので、会話についていくため。
で、感想としては・・・
楽しめました!
特に、第一ラウンドの9組が決勝の3組に残るための課程が良かった!
「もう、この3組で決まりでしょ!後は消化試合」と思っていたら、次から次へと・・・。
もちろん、全てのコンビが素晴らしかったワケではなく、残念ながら笑えなかったコンビもいたし、審査員の得点にすべて納得したわけではないけれど、それは仕方の無いことで、誰が何を面白いと思うかは、その人の人生経験やその時の環境や状況に応じて当然異なる。
例えば、特定の政治家を「彼はバカだ」と言えば多くの人の笑いを取れるだろうが、「そんな彼を選んだ有権者は愚かだ」と言えば、少なくとも彼に票を投じた人は笑えないだろう。でも彼に投票していない人は笑えるかもしれない。。。笑いの一つの要素は『差別』であり、多寡あれど『不謹慎』なものなのだ。
とまれ、第一ラウンドを観た限り、巷で言われている「影響力の低下」「システム・人材の限界」なんかは感じなかった。
多くの人が『来年も・・・』という気持ちを持ったのではないだろうか。
スリムクラブさんは確かに面白かった!けど、私の好きな・・・というか「これぞ漫才!」というタイプでは無い。
が、やはりあの『間』。観ているこちらが「4分しかないのに、大丈夫なん?」と心配してしまうほどたっぷりと開けた『間』は、素晴らしい。
審査委員の松本さんが「勇気がある」と評したのは素人ながらも頷いてしまった。
スリムクラブさん以前と以後で評価の基準が変ってしまったのでは?と思う程のインパクト。
銀シャリさんは、私の中では初見のマイナスイメージをネタの良さで徐々にひっくり返された感があり、『上手い!』という印象。
次のナイツさんは、『いい人そう』という私の好印象を裏切らないどころか、所謂「ヤホー」ネタ以上のものに進化していた。
『いい人そう』な彼らが吐くちょっとした毒は、引く人もいるかもしれないが、私は大好きだ。
パンクブーブーさんのネタはすごく良くできていて、誰もが「全て実際にはやってないという面白さ」を知った上で尚笑えるんだけど、そのエクスキューズのバリエーションの多さが完成度の高さに繋がっているような気がする。
ただ、予見できるだけに決勝でもそのタイプを続けてしまったのが残念。
決勝での順番でオオトリを選び、さらに前の二組のネタも第一ラウンドでの輝きを上回るものでは無かった為、余計に『飽き』を感じてしまったのかもしれない。
決勝はどの組も、第一ラウンドを観た人が抱いてしまう「もっと面白いものを!」という期待感を満たせなかったように思う。
唯一私が声を出して笑ってしまったのはスリムクラブさんの「民主党」ネタだ。(ただ、あれは彼らのスタイルからすると、若干ズルイとは思う)
さっき、笑いの要素の一つとして『差別』を挙げたけれど、もう一つ要素を挙げるとすると、それは『愛』なのだ。
同じネタでも、誰が言ったかによって笑いの有無や質は異なる。
だから、友達同士の会話には笑いが絶えない。互いに気心の通じ合った相手の言うことは面白く感じてしまうしのだ。
芸人で言うと、誰かのファンの人はその人が何を言っても笑ってしまい、アンチはそれを観て気持ち悪いと感じる。
M-1がスゴイのは、「結成10年以下」という縛りによって、『愛』という要素を廃している所。
観ている人が「コイツは誰だ!?」というキツイ状況の中、会話だけで笑いを生み出していくという難しさ。そのハンディを吹き飛ばすほどのエネルギーがM-1のスゴさなんだと思う。
そう考えると、この最後のM-1はやはり『最後』であるべきM-1だったのかもしれない。
そして、決勝でどの組も爆発を感じられなかった以上、「笑い飯を優勝させてあげたい」という『愛』が結果に反映されるのも私は理解できる。
私がそういう年齢になった、ということでもあるが。