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Remains of The Accidents

アクシデンツなページ

結局11回も引っ越した

2025年04月05日 | つれづれ

日本の会社は3月と4月の間を区切って決算をする会社が多い。

決算はなくとも新入社員の受け入れは決まって4月のようだ。

今年も通勤電車や駅のホームには黒いスーツを着た研修生の群れがきょろきょろしている。

長女もそんな中の一人なのだが、もともと神奈川に住んで東京の大学に通っていたので
通勤経路でうろうろすることはないようだが、一緒に研修を受けている地方出身者は
なかなか大変だという。

東京にいて、東京に通うのもあまり面白い話ではない。

自分も25歳の春に東京に転勤することになり、新幹線に乗った。

東京駅に到着、はてさて指定された独身寮にはどう行くのが正解かよくわからない。

当時はまだネットもなく、事前に聞いて覚えていた駅までどうやって行くのかを
出札口自動販売機の上の路線図で確認して進んだ。

東京は路線が多く、私鉄と相互乗り入れしているところもある。

新多摩川線といわれて上京したものの、東京駅の路線図にはそんな線はない。

仕方なく第二ヒントとして覚えていた「渋谷で乗り換え」をキーにして、まずは山手線で
渋谷駅まで進んだ。

渋谷駅のホームに降り立つと乗り換え路線に「新多摩川線」というのがあった。

「よかった」と独り言を言いながら、なぜか東横デパートの中に誘導されてしまった。

デパートには用はないのだが、人の流れに乗っていくと自然に店の中のエスカレーターに
載せられそうになってしまった。

これではいかんと、逆行して銀座線の出口からハチ公口の方に降りた。

新多摩川線は地下を走っていると聞いていたので、そのまま地下に流れるとようやく
新多摩川線/半蔵門線の看板があり渋谷駅にたどり着いた。

あとは各駅停車でソロソロと数駅進めば目的地、無事に独身寮にたどり着いた。

当時は、わくわくしながらもここまでで疲れてしまってゲッソリしていた。

当日は独身寮の先輩が結婚式、独身寮の住人は全員がその二次会に出掛けてしまっていた。

ほぼ誰もいない独身寮の部屋で、届いていた荷物を広げて部屋に並べていると、わいわい
がやがやと住人たちが帰ってきた。

ここから奇想天外なストーリーが始まり、俄かに楽しい生活が始まるのだが
その日のうちはまだ、そんなことも予想できずに不安や懸念ばかり頭に浮かべていた。

結局、それから11回も引っ越してこの場所に着くことになるとは全く想像もしていなかった。

 

横光ではないが

春は、岬ではなく、山手線をまわって新多摩川線でやってくる

といいたい。

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