ここに住んではや二年
今週は勤め先で四月異動の発表かある
毎回、心ひそかに内示を待っている
横光利一の小説、病に伏せる妻にスイトピーの花束が届いた
来るか来ないかの春を待つ妻に
「この花は馬車に乗って、海の岸を真っ先きに春を撒き撒きやって来たのさ」
という最後のシーン
父は決して「最後のシーン」はいらないし
この山ではなく、瀬戸内の方から春はくるはずなのだが
この春は子供たちの進学があった
姫さまは頑張って公立高校に合格し入学準備を行っている
王子ももう中学生だ
父以外にはもう春が来ている
父のところにも「馬車に乗って」こないかと心静かに待っている
ただ、春が告げるのは父の引退話かもしれない
「そろそろ終わりだよ」と
子供たちが育てば、親たちが老いる
これも世の常ではある
500EVAも5月で終了するらしい