イマコト

ありのまま きままに 日々の中での あれこれ

会社の力を見きわめる

2012-03-15 21:36:13 | 一日一話(松下幸之助)

私は常に自分の会社の自己検討ということをしています。

要するに新しい一つの仕事を始めるにしても、
それは考えのうちに入れておくだけですぐには手をつけません。

きょう手をつけるのは、きょうの自分の貪欲に合ったものだけです。
それ以上はいくらおいしくても食べません。

それが自分の腹であれば、うまく調節できますが、
事業欲は食べすぎても調節するものがありませんから、
ただ自分の良識によって調節するしか方法がありません。

だから常に自己反省して、あわせて会社の統合力を検討し、
それにふさわしい仕事をしていこうと心がけています。

そこを見きわめることが、経営者として、
非常に大事なことだと思います。

 


人間疎外は人間が生む

2012-03-14 21:27:39 | 一日一話(松下幸之助)

現代文明における、科学技術の発達によって人間が軽視され、
忘れられているというのが問題になっています。

そういった人間疎外をなくすためには、
常に人間の幸せということが前提にされなくてはなりません。

「なぜこういう新しい機械を造るか」「それは人間の幸せのためである」
ということがいつも考えられ、それに基づく配慮がなされるならば、
どんな機械が生み出され使われても人間疎外はおこらないと思います。

現実に人間疎外のような観を呈しているのは、機械が人間を疎外しているのではなく、
人間自身が人間を大事にせず、人間疎外を生んでいるものではないでしょうか。

※松下幸之助【一日一話】より


よしみを通じて

2012-03-13 00:02:36 | 一日一話(松下幸之助)

最近は商売の上での競争が大変激しくなり、同業者どうしでも、
ともすればお互いを競争相手とばかり考えているようです。

もちろん競争意識は必要でしょうが、考えてみれば、
誰も争うために商売をしているわけではありません。

ですから、近所に新しく同業者のお店ができたからといって、
目にカドを立てるのではなく、おおらかに迎える。

新しいお店の方も、先輩に対し謙虚な気持ちでいわば"仁義"をきる。
そういう好もしい姿は、お客さまのお店全体に対する信用を高めることになるでしょう。

だから一方で適正な競争をしつつも、同じ道にたずさわるお店どうし、
お互いによしみを通じていくことが大切だと思うのです。

※松下幸之助【一日一話】より

 


得心がいく仕事を

2012-03-12 23:36:25 | 一日一話(松下幸之助)

私たちが仕事なり商売を進めていく上で、いいかげんな妥協をしない、
言いかえれば自分に得心がいくまでは仕事を進めない、ということが非常に大事ではないかと思います。

たとえば、かりにある品物に大量の注文があったとします。
そういう場合、ともすれば、あとで注文が取れなくては困るからというので、つい安易に妥協しがちになります。

けれども、そのようなときに往々にして失敗があるわけです。

ですから、いかなる人の注文であっても自分が得心しない仕事は進めないという基本の考えをしっかり持たないと、
仕事が大きくなり扱う品物が多くなるにつれて収拾がつかなくなってしまいかねないと思うのです。

※松下幸之助【一日一話】より

 


塩の辛さはなめてみて・・・

2012-03-11 11:24:22 | 一日一話(松下幸之助)

たとえば水泳の先生が、三年間講義をしたとします。
それでその講義を受けた人がすぐ、泳げるかといいますと、必ずしも泳げないと思うのです。

また、塩の辛さというものでも、塩をなめさせることをしないで、塩は辛いぞ、と言ってもわからないでしょう。
塩の辛さはなめてはじめて、ああこれが塩の辛さやな、とわかるわけです。

処せのコツとでも申しますか、お互いの人生において大切な事柄を会得するということも、
事を行なって、そのやったことを、仔細に考え検討してゆくところから、
はじめて可能になるのではないかと私は思います。

 ※松下幸之助【一日一話】より

 


日本の伝統精神

2012-03-10 10:55:49 | 一日一話(松下幸之助)

私は日本の伝統精神はきわめてすぐれたものだと思います。ではその伝統精神とは何か。
その一つは「和を似って貴し」とする平和愛好の精神です。

千三百五十年も前に、この「和」の精神が聖徳太子によって掲げられています。

第二は「衆知を似って事を決す」という、つまり民主主義です。
古事記にも八百の神々が相談して事を決したとあります。日本は真の民主主義の本家本元だと言えるでしょう。

第三は「首座を保つ」。古来日本人は常に首座を失わずに外来のものを消化吸収し、日本化してきました。
この和、衆知、首座、という三つの柱を守っていくことは、今後においても大切なのではないでしょうか。

※松下幸之助【一日一話】より

 


三日の手伝い

2012-03-09 11:57:56 | 一日一話(松下幸之助)

「三日の手伝い」という言葉があります。

たとえ三日間の手伝い仕事であっても、その仕事に一生の仕事のような心構えで真剣に立ち向かうならば、
そこから必ず大きなものを得ることができる、ということです。

そうしてあらゆる場合に直面しても動じない精神が身につくことでしょう。

そう言うと「本業についたらもちろん一生懸命に努力する」と言う人がいるかもしれません。
しかし、私のこれまでの体験から言うと、現在与えられた、いまの仕事に打ち込めないような心構えでは、
どの職場に変わっても、決していい仕事はできない。これははっきり申しあげることができると思うのです。

※松下幸之助【一日一話】より

 


利は元にあり

2012-03-08 13:04:18 | 一日一話(松下幸之助)

昔から「利は元にあり」という言葉があります。これは利益は上手な仕入れから生まれてくるということだと思います。
まずよい品を仕入れる。しかもできるだけ有利に適正な値で買う。そこから利益が生まれてくる。

それを「利益は元にあり」と言ったのでしょうが、実際、仕入れはきわめて大事です。
ところが、この「利益は元にあり」ということを、ともすれば単に安く買い叩けばよいというように解釈する人があるようです。

しかし、決してそうではなく、仕入先を、品物を買って下さるお得意先と同じように大切にしていくことが肝要だと思います。
そういう気持ちがないと、結局は商売は繁昌しないと言えましょう。

※松下幸之助【一日一話】より

 


大西郷の遺訓

2012-03-07 16:02:26 | 一日一話(松下幸之助)

西郷隆盛が次のような遺訓を残している。

「国に功労がある人には禄を与えよ。功労あるからといって地位を与えてはならない。
地位を与えるには、おのずと地位を与えるにふさわしい見識がなければならない。
功労があるからといって、見識のないものに地位に与えるということは国家崩壊のもとになる」と。

これは国のことであるが、事業経営についても同じことが言える。あの人には会社に大きな功労がある、
だから重役にしようとなりがちであるが、この点は充分に注意しなければいけない。

あくまでも、功労ある人には賞をもって報い、その見識ある人に地位を与えることが大事だと思う。

※松下幸之助【一日一話】より

 


不安に挑む

2012-03-06 15:44:29 | 一日一話(松下幸之助)

いつの世でも、われわれにとって完全に安穏であるという状態はないといってよい。
お互い人間である以上、程度の差こそあれ不安動揺なしにはいられないと思う。それが人間本来の姿である。

しかしだからといって、ただ不安動揺し、それにおびえてなすところなくウロウロしているというのでは、
そこから何も生まれてこない。

そうではなく、不安は感じるが、しかしその不安に敢然と闘いを挑み、これを打破していく。
むずかしい仕事、困難な要求に直面して、一面に不安に感じるが、反面かえって心が躍る。

そしていろいろの考えを生みだしこれを克服していく。
そういうふうでありたいと思う。

※松下幸之助【一日一話】より