コニタス

書き留めておくほど重くはないけれど、忘れてしまうと悔いが残るような日々の想い。
気分の流れが見えるかな。

京劇鑑賞会ご報告

2010-10-07 20:33:14 | 
10月6日、静岡大学の大学会館で京劇鑑賞会が開催されました。
写真撮影・掲載OKと言うことでしたので、一日の様子を写真入りで報告させて頂きます。



朝、9時頃まず荷物の搬入。
10時前にだいたい机並べ終了。
配付資料は300用意したのですが、椅子は当初200脚でした。


11時少し前に演者さん達(4名)到着。
休む間もなく早速設営。
後の幕がとても縦に長く(というか、大学会館ステージの天井低すぎ)半分ぐらいしか拡げられずせっかくの幕が……、残念!


音響や照明の操作でも諸々困難な事態があり、準備作業は意外に大変でした。

これはあとで「体験」に使う打楽器。


やっと準備完了。
私を含む教員3人と皆さんで昼食。
ここでやっと自己紹介など。
この時点で、石山さんは中国人より中国人らしい、と言うことが判明。
そして、私は音響やさんだと思われていたことも……。

雑談の中で、おそるおそる中国琵琶の鮑捷を知ってますか、と聞いたら一緒に仕事もするとのこと。
おお! 世間は狭い。
鮑ちゃんが私の兄と一緒にやっている活動についてはこちらを参照。動画もあり



さて、13時開場。この時点で入口は大混雑。
 



入口で資料配布係をSPACさんに御願いしてしまいました。
ま、“地域連携”ということで。



大入りで椅子を増やしました。



ただし、3コマ目終了時に沢山退室……。
講座の途中なのだからもう少し静かに出られない物かなぁと、冷や冷や。



さて。
第1部は「京劇へのご招待
 魯大鳴さんの解説(日本語)
 

 京劇の役柄は、生・旦・浄・丑の4種類。
 修行しなければならない演技(?)も4種に分けられること。
 劇は文と武にわかれること、など、実演も交えて説明。

そのあと
京劇にチャレンジ
 楽器4名、実演1名を学生が……。
 かなり高等技術を要求されている感じでしたが、どうなんでしょう。
  


休憩の後、第2部
寸劇「拾玉鐲」  魯大鳴・盧思 
  


 仕草でだいたいの筋が判る話が選ばれたらしい。
 他愛ない一目惚れストーリー。
 あとで中文の先生に訊いたら、やっぱり普通の中国語学習者では台詞は聞き取れないらしい。


二胡の演奏  彭秀敏

 日本の曲「里の秋」のあと、西域の曲「牧羊女」と、モンゴルの「賽馬」という草原の競馬の曲。
 良いな~、二胡。


最後は寸劇 「孫悟空大閙天宮」より抜粋 石山雄太

 
いや~。猿です。

 「鞭」を持っているので馬がそこにいることが判るとか、レクチャーで教わったことが早速出てくるのも楽しい。
 
 如意棒を振り回す。ブンブン音がする高速回転で、客席からは喝采というよりうなり声が……。



終了~。



最後は和やかに記念撮影会。
 


楽しい一日でした。
ありがとうございました。


この日、出演者の皆さんの挨拶の中で、「日中関係が難しくなっている」と言う話が何度か出ました。
私は、そんなことは関係ない、と簡単に思ってしまうのですが、公式に活動する人たちにとっては深刻な問題のようです。
外国語の履修者も、その年々の国際情勢と連動することもあるとか。

国家同士のあれこれ、勿論、議論しなければならない課題も沢山あります。
しかし、一方で、どんな国の人たちでも、実際に個人として知り合ってみると、驚くほど通じ合える物だと実感しています。
こういう小さな交流がもっともっと沢山あったら、紛争も、少しは避けられるのではないかと思います。


もう一つ、「孫悟空」を演じられた石山雄太さんは、現在外国人として唯一の京劇役者。これまでの道筋をお話しいただけば、“夢”を持って進めない今の学生達にとって意義深い物になるだろう、と勝山先生は期待していたんですが、あまり多くを語られませんでした。
実際に大変なことも沢山あったようですが、「今日の演技を見て頂ければ解る」と言い切った石山さんはホントにかっこよかったです。



大学会館は装置も構造もどうにも使い勝手が悪く、また、中座した学生達(授業の関係で中座することそのものは仕方ないとしても)のざわめきや、取材に来た某新聞社の記者(?)の靴音など、こっちが冷や冷やさせられることも色々ありましたが、素晴らしい会になりました。
ありがとうございました。


前の記事にも書きましたが、言語文化学科は(というか、勝山先生は)、こういう活動に熱心に取り組んでいます。
全ての学生が参加できるわけではないのは、大学の仕組みの問題もありますが、言語文化学科に入ってくると、こういう機会が色々あるよ、というのは、何度でも声を大にして広く伝えておきたいところ。


出演者プロフィール再録

魯大鳴(るーだーみん)京劇役者。1976 年、北京市戯曲学校京劇科卒業。北京風雷京劇団所属。中国では人気No.1 の役者。宝塚歌劇団や明治大学で講師も兼ねる。著書に、『京劇入門』『京劇への招待』など多数。
盧思(ろし)京劇役者。日本画家。中国戯曲学院京劇演技学科卒業ののち、東京芸術大学大学院日本画修士課程修了。NHK テレビ「中国語会話」元レギュラー講師。
石山雄太(いしやまゆうた)京劇役者。中国戯曲学院卒業。外国人では初の京劇役者となり、中国国家京劇院に所属する。現在、北京市在住。
彭 秀敏(ほうしゅうみん)二胡奏者。1999 年西安音楽学院大学院修了。葉加瀬太郎、神津善行らとともに、テレビドラマのテーマ曲を多数てがける。全国でコンサート活動を展開する。学習院大学で非常勤講師も兼ねている。



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