見見楽楽 ~九州ぶらり放浪記~

おむすびころころ
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伊唐大橋と赤土じゃがいも … 長島町伊唐島

2010年12月19日 18時36分36秒 | 雑誌取材同行記…鹿児島
鹿児島の北部に位置する長島、またさらに北部にあるのが伊唐島。

世帯数およそ100戸、島民300人程。

その小さな島に橋が架かったのが平成8年。

今からたった15年前の事。

島民の生活は半農半漁。

海は豊かでも農業はあまり芳しいものではなかったよう。

それは伊唐島独特の粘土質の赤土が災いしての事。

雨が降るとベトベトになり根菜類の野菜には不向きと考えられ、豆類などの農業がほとんど。


そんな伊唐島に橋を架ける計画が持ち上がる、

ただし、橋を架けるには膨大な建設経費が…。

わずか100世帯の小さな島にその経費に見合う価値が見出せるのか?

事業仕分けの立場なら無謀な計画。

そこで農業振興・地域振興の概念から、赤土ジャガイモ導入が持ち上がります。

選ばれたのは、同じような地質の長崎で栽培されているジャガイモ。

橋の計画と赤土ジャガイモ計画が同時進行して、平成8年念願の伊唐大橋が完成します。

それまで猫の額ほどの小さな畑しかなかった伊唐島は大きく変貌。

山を切り開き畑を開墾。

今では島民のほとんどがジャガイモ生産の農業が主流。

お隣の長島にも広がり、昨年の赤土ジャガイモの売上高は20億円。

建設当時、無駄な公共事業と囁かれた伊唐大橋ですが、その建設の意義は達成されたのではないでしょうか!?

昨今、公共事業の在り方が論議されていますが、

地方の者にとっては公共事業の重要さが身にしみます。


東京一極集中から地域分散。

地方自治体で出来る事は地方自治体で。

などという声と公共事業圧縮は相反するような…。

本当の無駄は何処にあるか?

政治家さん・官僚さん、よ~く考えて頂きたいですな。




この橋は農免道路。
農林漁業用揮発油税を使った農林省管轄の事業。
いわゆる特定財源ってやつですな。



正月明けから収穫が始まる早掘じゃがいも。



春ジャガイモの植え付け前の畑。
この粘土質の赤土が、美味しいジャガイモを育てる。



じゃがいも畑と段々畑。



撮影日:2010年12月17日
◆Nikon D700
◇AF-S Nikkor 50mm F1.4G



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