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木漏れ日の雑木林

金剛山の西山麓で里山の保全活動を行っています。自称若者集団ですが、実態は?

里山の森

2023年10月18日 05時07分29秒 | 耕作放棄地

農園の周囲には森が広がっている。世に言う「里山」だ。里山には牧歌的な雰囲気が漂い、見事な自然環境かとの錯覚をもたらす。錯覚と表現したのは、里山は自然環境では無く典型的な人工林だからだ。不思議に思われるかも知れないが、先人達の知惠によって意図的に作られた森である。いわゆる奥山と住宅地との境界にあり、動物や野鳥達にとっては警戒区域となる。先人達は区域を分割する事により、人間と動物たちとの棲み分けを図ってきたのだ。そして、里山地帯に於いては、薪炭林としての活用や生活資材の入手などに利用してきた次第。

こうした環境を「里山」と表現して概念化されたのが、京大名誉教授だった四手井綱英氏だろう。既に鬼籍の人となられたが、その功績は甚大だ。我々も氏の恩恵を被って、NPO法人里山倶楽部と称している。倶楽部の目指す方向性は、氏の理念と同一性のものかと信じている。ボチボチとした歩みだが、少しでも里山保全に役立ちたいもの。仲間達への参加を何時でも歓迎します。

さて周囲の森だが、残念な事に「落葉広葉樹」は少ない。針葉樹と竹林が多く、動植物の生存にとっては健やかな環境とは言い難いだろう。生活圏からそう遠く無い事もあって、換金性のある杉や檜が植林されたようだ。近くの富田林に竹細工職人が多かった事もあり、竹林も増えた模様。但しこうした森でも獣たちは住み着いており、とりわけアライグマ、ハクビシン、タヌキ、イタチ、野ウサギ等が多いようだ。クマやシカは存在せず、イノシシは周回中のようで年に数回のお出ましだ。

一般的な里山のイメージは、紅葉したクヌギやナラの葉がヒラヒラと舞い散る雰囲気だが、当地では無縁だ。それでも多少の紅葉はあるので。これからの楽しみでもある。竹林の存在は農作業にとっては有り難い。竹は貴重な資源で、主に栽培用の支柱等に利用される。経年劣化で腐ってきたら焼却で終了だ。

農園周囲の森をパノラマ的にご紹介しておきます。ほぼ緑一色でしょう。一般的な里山からは少し異端ですので、この状態を「里山」と誤解なさらぬように願いたいです。世に存在する里山は、もっと豊穣でカラフルで動植物たちの楽園でもあります。そうした状況を意図したいのですが、なかなかに・・・・・・・・・・・・。

 

 

 

 

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