「ナス」は夏場の野菜である。従って収穫期は7月頃だ。ただこの野菜の優れた部分は、「一粒で二度美味しい」というコマーシャルそのものであることだ。つまり、「夏ナス」と「秋ナス」との二度収穫が可能なのだ。7月頃夏ナスを収穫し、再び手入れしてしばらく放置すると、9月頃に再度秋ナスが実ってくれる。非常に有り難い野菜である。だが物事に永遠不滅のものは無いようで、秋ナスも終焉を迎えたようだ。ナスの実が付いてはいるが、ガチガチに固くて賞味は不能。撤去するしか無いだろう。季節は10月も中旬、流石にシーズンは終わったのだろう。
ということで撤収作業にはいった。ナスは一列縦隊で植え込んでいる。順番に抜き取って空地に積み上げ、乾燥を待って焼却する予定だ。根はしっかりと張っているが、そう深くは無い。2~3回スコップを差し込むと、割と簡単に抜けてくれる。根の働きに寄るのか、土はサラサラで扱いやすい状態だ。短時間で作業は完了、空地にはナスの茎が積み上がった。
まだそこそこの実が付いているが、水分が少なくガチガチなのは上述のとおり、流石に賞味は無理だろう。そのまま乾燥・焼却の対象に。見た感じでは立派なナスなんだが、ナスは見かけに寄らぬもの。来年のご登場を待つことにしようと思う。秋ナスの跡地はソラマメの移植地にする予定だ。ソラマメは先述したように、23粒蒔いて苗作りを始めている。同様に一列縦隊で植え込む予定だ。ナスに使用した竹の支柱をそのまま補助資材として活用しようと考えている。ソラマメは茎丈が高く、風等により倒伏しやすい。突っ張り棒が必要なのだ。
村の秋祭りが始まったようで、歌い手の活動が大きく流れてくる。農園のすぐそばに「村の広場」があり、神様が神輿に乗って広場へとお移りになられる。神社が高台にあるので地車の奉納を受けられないのだ。従ってか、広場の周囲を多くの地車が回っているようで、歌い手の対抗合戦のような趣。米の収穫も無事に終わって、感謝と喜びの気持ちで高まっているのだろう。秋ナスにけりを着けたら、子狸も秋祭りの取材に向かう予定だ。普段は高齢者ばかりの村だが、流石に祭りのシーズン、何処からともなく若い衆が湧き出してくる。