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京都の闇に魅せられて(新館)

自由は拍手喝采とともに葬られる!?

 今年の夏話題になった映画「スター・ウォーズ」シリーズの『エピソード3・シスの復讐』をご存知の方も多いのではないか?
 その中に、ヒロインのパドメがこう言うシーンがある。

 「This is how liberty dies. With thunderous applause(自由はこうやって死んでいくの。満場一致の拍手喝采とともにね)」

 銀河共和国議長パルパティーンが、共和国議会を解散する宣言を出し、絶対権力を握った時、それを居並ぶ共和国議会の議員たちが拍手喝采を送る。議員の一人であるパドメがそれを見てこうつぶやくのだ。なおこのパルパティーン議長は、後に(『エピソード4』以降で)銀河皇帝となって、銀河全体に武力による恐怖政治をひく、「スター・ウォーズ」シリーズ最大の悪の大ボスである。
 ストーリー自体は、民主主義が選挙民の同意のもと、ファシズムへと移行した歴史のパターンを踏襲しただけだという。製作したジョージ・ルーカス監督は、カンヌ映画祭の記者会見の席で、発言したという。
「民主主義が独裁制になるとき、いつも同じようなパターンを辿るってことに気づいたんだ。外部からの脅威があり、より強い統率力が必要になる。不正がはびこり、議会が正常に機能しない、などね」
 さらにこの映画が、ブッシュ政権下のアメリカの現状に似ているのではないか、という見方があるのに関しては、以下のようにコメントした。
 「筋書きは30年前に作ったものであり、類似点は単なる偶然に過ぎない。まさか、現状とこれほど酷似するとは想像もしなかったよ」
 「映画のなかでの出来事が、我が国で現実のものにならないことを祈っている。あるいは、この映画を見て、人々が現状に危機感を抱いてくれるかもしれない」

 社会学や歴史等を少しかじった者の一人として私は、「スター・ウォーズ」シリーズのエピソードⅠからⅢまでを結構評価している。何故なら、「民主主義がいかにしてファシズムへと移行するか?」とか、「いかに平和が潰され、巨大な悪が増長していくか?」というのを、なかなかよく描いていると思うからだ。


 これ、今の日本の現状にも似てないか?
 11日の衆議院選挙で、小泉・自民党が大圧勝したのを見て、私は『エピソードⅢ』のことを思い出した。圧倒的支持を持って、小泉・自民党を大勝させた選挙民の姿が、パルパティーンに拍手喝采を送った共和国議員たちの姿とだぶって見えたのだ。

 こんなことを考えるのは、私だけか?

 そう言えば、フォースの暗黒面に墜ちて暗黒郷ダース・ベーダーとなった主人公アナキン・スカイウォーカーが、かつての師オビ・ワン・ケノービに向かって、以下のような台詞を言うシーンもある。

 「If you're not with me, then you're my enemy(僕と同じ道を行かないのなら、あんたは敵だ)」

 これって、「郵政民営化に反対する人は抵抗勢力」という、小泉首相のものいいと似てないか?
 自分と少しでも意見の違う者を排除し、しかも「刺客候補」まで送って、その政治生命まで完全に絶とうとする。そして自分の身の回りを、ほとんどイエスマンのみで固めてしまった……。
 その姿勢を実行力やリーダーシップなどともてはやす人もいるようだが、それは独裁といった方がいいのではないか。

 昨夜の日記で、「小泉自民の大勝により、“一億総負け組時代”の到来がより確実なものになった」と書いた。だが問題はそれだけではない。小泉首相のこういった独裁者的体質も問題にすべきではなかったのか?
 今の勢いがこのまま続けば小泉首相は、「郵政民営化」でも「増税」でも「庶民見殺し」でも、「軍備拡大」でも、極端に言えば戦争をすることだって、何だってできるのではないか。
 考えてみれば、恐ろしいことになった、本当に……。

 「エリート」や「勝ち組」でもないのに、タレントやアイドルの人気投票と同じような気分で、さらには見てくれだけのリーダーシップやかっこよさに惑わされて、小泉自民に投票した人たちは、近い将来自分の選択結果に愕然とすることになるだろう。
 まずは、手取りの給料が下げられたことにがっくりする。もう、仕事の帰りに飲み屋で一杯ということすら難しくなるかもしれない。フリーターや派遣社員の人は、自分がもはや正社員・正職員になれそうにもないとわかって、呆然とする。さらには、自分の子供も、頑張っても出世できる確率がほとんどないとわかって、絶望することになるかもしれない。
 いや、それだけですめばまだいいかもしれない。軍備拡大・タカ派路線がさらに進んで、そのうちにアメリカさんと一緒に戦争を始めることになるかもしれない。そのなれば、多くの同胞の血が流れることになるだろう。

 いやはや、日本の有権者は「平成日本のパルパティーンを満場一致の拍手喝采で送り出す」ようなことをしてしまったのかもしれない。
 「絶望してはいかん」とか「諦めるな」と言われる。
 しかし、私は未だ「この現状でどう生活・人生設計をしようか?」ということも模索中だ。そうした中、本当に暗く沈んだ気持ちになってしまう。
 ちなみに私は今日から、まずは生活にかかる出費をさらに抑える努力をしよう、っと決意した。帰りに一杯どころか、「なか卯」で380円のうどんすら食べるのも控えよう、微々たるものだが、そういうところからも始めていかなければならないだろう、と思う。


PS:なお、明日は政治経済以外の話題を取り上げたいと思う。こんな話題ばかりでは、肩が凝るし、それに今は気分が凹んでいくだけだ……。
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