京都の闇に魅せられて(新館)

京都妖怪探訪(140):深泥ヶ池・その1





 深夜にタクシーの運転手さんが、変な感じのする(顔が青白かったりとか、妙に陰気くさかったりとか、寝間着など明らかに外出用ではない服装をしていたりとか)女性客を乗せた。
 しかし指定された目的地まで辿り着いた時には、その女性客は車内から跡形もなく消えていた……。

 これは、「幽霊タクシー」とも言われる、よく知られた怪談や都市伝説のひとつです。
 この話は全国で語り継がれ、さらに様々なバージョンもありますが、基本的なパターンはだいたいこんな感じでしょう。
 そして、「幽霊タクシー」をはじめ、質量共に多くの怪談や都市伝説が語られ、心霊スポットとしても有名な場所が、京都市内の北部にある「深泥ヶ池」です。

 近現代に語り継がれる怪談だけではなく、この深泥ヶ池は古くから、「龍神が棲んでいる」とか、「鬼が貴船から地下道を通って、都に出没した」などの伝承も伝わっています。

 古くから一種の「異界」あるいは「異界に近い場所」だと考えられていたようで、現在でも「京都屈指」「全国屈指」の心霊スポットとしても有名だそうです。
 現在でも、「雨の日には幽霊が出る」という噂もあるそうです。
 特に、京都のタクシー運転手さんたちには恐れられているようで、雨の夜にこの池の付近で女性客を乗せたり、または行き先がこの池の付近だったりすると断ったりすることもあるそうです。

 そんなスポットを、『京都妖怪探訪』シリーズでとりあげないわけにはいかないと思って、今回紹介させていただくことにしました。



 まずはいつものように、アクセスと最寄りの交通機関などから紹介します。
 一番便利なのは、京都市営地下鉄北山駅です。
 以下の写真は、北山駅・1番出口付近の交差点(北山通りと下鴨中通りが交わる)付近です。











 付近には、京都市営バス京都バス「北山駅前」停留所もあります。

 そこから、京都市営バス京都バスで、「深泥ヶ池」停留所までバスが出ていますが、歩いても行けそうな距離なので、下鴨中通りを歩いて北上することにしました。











 この辺りの道は曲がりくねっていて、しかも狭い割に、バスが通っていたりなど交通量が多いという難儀な場所です。
 そのため、いつも交通誘導のための係員さんが立っています。
 深泥ヶ池やその周辺を訪れる際には、少しご注意いただきたいと思います。交通事故が発生しやすい場所でもありますので。


 狭く曲がりくねった道を進んでいきますと、深泥ヶ池が見えてきました。











 「天然記念物・深泥池生物群集」と書かれた石碑や標識が見られます。
 
 この深泥ヶ池には、なんと氷河期からという植物群落や、特有の珍しい動植物なども多数あって、「動植物の楽園」として、学術上も非常に重要な場所としても知られているそうです。


 池の周辺を道路沿いに歩いてみます。




















 歩いてみると、結構大きな池です。
 周辺には民家なども見られるのですが、草の生えた湿地が一面に広がっています。
 こんな場所を、雨の日や、夜中に歩いたら気味が悪いかもしれませんねえ。
 何かが出てきてもおかしくないような、そんな雰囲気があるでしょう。

 この池は水深が20メートルほどあり、何層にも泥が重なって底なし沼のようになっているため、「数多くの溺死体が沈んでいる」との噂もあります。
 また、周辺の道は狭く曲がりくねっているため、交通事故などの危険もあります。
 そのような場所だからでしょうか。
 「過去にバスが池の中に落ちて、乗客の死体の多くも見つからなかった」などといった怖い噂もたくさんあるそうです。その真偽は定かではありませんが……。


 しばらく歩くと、深泥ヶ池のほとりに立つ病院近くのバス停が見えてきました。





 バス停に集まっている人たちは、病院の職員さんでしょうか。

 その病院にもいろいろと怖い噂があるそうです。
 「病院の患者さんが幽霊を見た」とか、「自殺者の霊が出た」とか、さらには「戦前には大量の結核患者が運び込まれて、その中から多数の死者が出た」などといったものまで。
 その病院の名誉のため、一応お断りしておきますが、これらの噂の真偽のほどは定かではありません。
 ただ病院とは、多くの人の生き死にが繰り返される場所でもあります。ですから、昔から病院関係の怪談話や都市伝説なども数多く語られてきたのでしょう。
 しかも「深泥ヶ池」という、昔から有名な心霊スポットのそばに建っていたとなれば……あやしい噂が出てくるのも無理はないかもしれません。
 病院関係者の方々には、困ったことでしょうが……。


 ここまで来てから、バスに乗って元来た道を戻ります。


 次回も「深泥ヶ池」の記事は続きますが、ここで一旦切ります。
 次回はもっと奥の方へと入っていきます。



 「深泥ヶ池」とその周辺の地図はこちら





*京都妖怪探訪まとめページ
http://moon.ap.teacup.com/komichi/html/kyoutoyokai.htm




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コメント一覧

小路@管理人
http://moon.ap.teacup.com/komichi/
>わ~い、お茶さん

 いつもコメントありがとうございます。
 病院という場所は、誰でもたいてい一度はお世話になっている、それでいて「死」を身近に感じられるという特殊な場所です。
 各人それぞれ、いろんな思いやイメージを抱くものでしょうが、あまり明るいイメージを抱く人は少ないようです(笑)。

 ところでご心配なく。
 池の小道を歩いて奥の方まで行って来ましたが、無事帰ってこられました。
 ただ、場所によっては道が水没しかかっている箇所や、雨やその直後ならば危ないだろうな、という箇所もありました。
 実際に歩くには、ちょっと気をつけた方がいい。特に雨の日や、雨の後などは、幽霊などとは別の意味で危険な場所です。
 なおその時の様子は、シリーズ次回に写真付きで記事にします。
わ~い、お茶
こんばんは、病院は確かに生死が交錯する所です。特に個人でやっている様な所は尚更雰囲気が良くない、とは偏見になりますが、私は幼少の頃よく病院へかかりました。そこは
小さな町の病院なのですが、前述のような個人の病院ですので、建物も小さいですし、待合室も薄暗く、小学校の職員室によくある天井まで突き抜けた配管をもつストーブを椅子で囲んでおり、奥のほうには扉が有りますが
真っ暗で一体何をする部屋だろうと思っていました。もう1つは診療所でした。受付の所に試験管立てに入っていた血の入った試験管
でした。夕方の薄暗くなっている部屋にその
試験管と試験管立てだけが際立って見えてその部屋と試験管類の雰囲気が相まってさらに
不気味に見えたものです。勿論病院は死に行く人もいるので、寂しくもの悲しい気持ちが
幽霊とかそう言ったものを呼び寄せてしまう、と言う事も考えられると思います。やはりその場所の発する雰囲気と言うものが色々なものを呼び寄せるのでしょう、近くに水辺
があれば尚更だろうと思います。今度池の奥に行かれるそうですが、十分にお気を付けて
行って来て下さい。(
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