京都の闇に魅せられて(新館)

藤森神社と南の大将軍社・その2 @ 京都妖怪探訪(558)





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 どうも、こんにちは。
 平安京遷都の時から京都の街は、様々な霊的・呪術的防御が施されてきていて、その中には現在でも遺されているものもあるというのは、知る人ぞ知るという話です。
 その中のひとつ……というより4つが、京都の四方(東、西、南、北)にそれぞれ建てられた4つの「大将軍社」です。
 4つの「大将軍社」のうち「南の大将軍社」が、藤森神社の境内社のひとつとして遺されています。シリーズ前回に引き続いて藤森神社を巡りますが、今回は「南の大将軍社」をはじめ、藤森神社境内の面白スポットを巡ります。


 まずはシリーズ前回の続き、本殿と舞殿の前から。












 本殿横に立つこの銅像は、ここ藤森神社が5月5日「菖蒲の節句」発祥の地であることを表しています。
 さらに「菖蒲」→「尚武」「勝負」となることから、勝負の神様、勝運の神様としても信仰を集めるようになったとされています。


 本殿・舞殿近くに立つ神馬の像。






 そして、絵馬殿です。








藤森祭に奉納される駈馬神事が馬の神事であることから馬の神様として、競馬関係者(馬主、騎手、競馬愛好家など)からも信仰されているそうです。


 こちらは「不二の水」。










 神功皇后が「2つと無い名水」と讃えたというので「不二の水」というそうです。
 京都市内にはここの他、現在でも参拝者や近隣住民に愛用され続けている名水が沸く場所が幾つもあります。


 「不二の水」の近くには「藤森七福神」が。






 稲荷社もありました。





 この稲荷社は、「藤森神社と伏見稲荷大社と古くから深い関係にあった」とも言われていますが、その話と何か関連があるのでしょうか。
 本当に、ここにはたくさんの神様が居られるようです。


 本殿の裏側へ。





 本殿裏には、「八幡社」「祖霊社」「七宮社」「天満宮社」「大将軍社」と5つの境内社がありますが、今回はそのうちの「天満宮社」と「大将軍社」をとりあげます。

 菅原道真を祀る「天満宮社」。








 「霊験天満宮」と書かれています。
 「霊験あらたかな天満宮」という意味でしょうか。
 私はその名からシリーズ第454回の「霊光殿天満宮」を連想してしまいましたが……。
 「霊光殿天満宮」が恐ろしい場所だったように、ここもまさか……?


 そして、「大将軍社」です。








 ここには、貴船神社・結社(ゆいのやしろ)と同じく、磐長姫命(いわながひめのみこと)だとされています。
 確か、天孫降臨神話において、妹・木花開耶姫(コノハナノサクヤヒメ)と共に、天孫・ニニギに嫁ぎましたが、美人の妹と違ってブスだったので、一人だけ追い返されたという神様です。
 貴船神社・結社では、縁結びの神様となっていましたが。
 なお、ここに祀られている「大将軍」とは、大陸伝来の陰陽道の星神・方位神の一人「大将軍」と、日本神話上の荒ぶる神・スサノオ神とを集合した神様のことだとする説もあります。
 この説の通りなら、「大陸伝来の神様と日本古来の神道の神様とを習合した強力無比な神様に守護された社」ということになりますが……実際のところはどうなのかは、確かなことはよくわかりません。
 ただいずれにせよ、桓武天皇が平安京遷都の際、都の霊的・呪術的防御の為に建てたとされる東西南北4つの「大将軍社」のひとつが、まさのこの社だというのは確かなようです。


 もっとも、元々は「平安京の霊的・呪術的防御」の為に創られた霊場が、その歴史的役割を終えた後、人知れず消えてしまったものもあれば、「西の大将軍社」のように現世利益の神様として残ったものもあり、そして「南の大将軍社」ように大きな神社の境内社としてひっそりと建ち続けているものもあったりして。
 細々と建っている小さな摂末社にも、「実は意外と歴史があり、かつては現在よりも重要な役割を担っていた」というストーリーがあるのかもしれない。
 そう考えると、なかなか面白いものがあります。





 今回はここまで。
 シリーズ次回も、藤森神社の記事です。
紫陽花の名所としても知られる藤森神社の、6月の紫陽花園の光景をお届けします。




*藤森神社へのアクセスについてはこちらを参照。




*藤森神社のHP
http://www.fujinomorijinjya.or.jp/




*『京都妖怪探訪』シリーズまとめページ
http://moon.ap.teacup.com/komichi/html/kyoutoyokai.htm




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