どうも、こんにちは。
前々回と前回に続きまして、2013年・京都祇園祭の山鉾巡行の様子をお届けします。
今回は24番目「橋弁慶山」から、最後の「大船鉾」までです。
なお今回の巡行は、23番目までの「さきの巡行」に対して、「あとの巡行」と呼ばれるものです。
かつて山鉾巡行は神輿が出る神幸祭(17日)と還幸祭(24日)に合わせて前祭・後祭の二つに分かれて巡行していたのです。
17日の巡行は「さきの祭り」と言われたのに対し、24日の巡行は「さきの祭り」と言われ、前者に比べて後者は閑散とした様子だったらしく、それが「手遅れになった」「時期を逸してしまった」ことを意味する「後の祭り」という言葉の語源にもなったという説もあります(これは、シリーズ第291回の1番目の動画でも説明されています)。
それで毎年の山鉾巡行の順番を決めるくじの際には、山鉾を持つほとんどの町内は「さきの祭り」に当たるように願ったそうですが。
昭和41年(1966年)に交通規制等の都合によって山鉾巡行は17日に統合され、現在では「さきの巡行」の直後に「あとの巡行」を観ることが出来ます。
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「あとの巡行」の最初、24番目「橋弁慶山」から。
有名な「源義経と弁慶の五条橋の戦い」をモチーフにした山鉾ですね。
25番目「北観音山」。
これは、動画でご覧いただきましょう。
【動画】北観音山巡行 @ 2013年祇園祭・山鉾巡行
26番目「黒主山」。
『六歌仙』の一人とでもある優れた歌人・大伴黒主をモチーフにした山鉾です。
謡曲『志賀』で、志賀明神となった黒主さんが桜を眺めるシーンを表現しているそうです。
ただ、こんなにも有名で優れた歌人であったにも関わらず、小野小町というスーパーヒロインを引き立てるために悪役にされてしまったこともある(注:シリーズ第112回参照)という、ちょっと気の毒な人でもあります。
ところで、ここで読者の皆様にお詫び。
この山鉾の撮影はちょっと失敗したようです。
肝心の黒主人形が、桜に隠れてよく見えなくなっています。
ここは、また来年に撮影に再挑戦し、本シリーズでもきちんと取り上げるということで、ご容赦いただきたいと思います。
27番目「浄妙山」。
これは『平家物語』の宇治川合戦の際に、源氏方についていた三井寺の僧兵・浄妙(じょうみょう)が一番乗りを果たそうと橋を渡ったところ、同じく源氏方に付いていた一来法師が、「御先に御免、浄妙坊」と言って浄妙の頭に手をかけて、その頭上を飛び越えて一番乗りを果たしたという、アクロバクティックなシーンを表しています。
もっともその後一来法師は、平家軍の真っ只中に突入して戦死してしまうのですが……。
以下参考までに、この山の浄妙と一来法師の像を近くで撮影した画像も。
28番目「役行者山」。
シリーズ第44回でもとりあげました、卓越した呪力によって鬼神すらも支配したという修験道の開祖・役小角(えんのおづの/おづぬ、634-706年)の伝説をモチーフとした山鉾です。
一言主神と、女性の姿をした葛城山の神、そして「神変大菩薩」とも称される役小角の像の3体で一組の像が祀られています。
巡行時には、役小角(役行者)像は天幕のようなものの中に入ってよく見えません。
なお参考までに、シリーズ第44回の時に撮影した3体の像の写真を以下に。
29番目「南観音山」。
25番目の「北観音山」と一組でとらえられることもあり、「北観音山の観音様は男、南観音山は女」などという説もあるとか。
この山の巡行の様子も、少しだけ動画で。
【動画】南観音山巡行 @ 2013年祇園祭・山鉾巡行
30番目「鈴鹿山」。
シリーズ第121回でもとりあげたことがあります。
私が考えるに、「祇園際山鉾でナンバーワンの萌えキャラ」です(笑)。
何故そう言うのかは、シリーズ第121回をご覧ください。
31番目「八幡山」。
石清水八幡を祀った山です。
八坂神社のお祭りで石清水八幡の神様が祀られているのも、多神教の国・日本ならではのことでしょうか。
32番目「鯉山」。
「滝を登る鯉が竜になる」という有名な伝説をモチーフにした山鉾です。
出世開運のご利益があるなどもされる、人気の山鉾です。
ギリシャ神話をモチーフにしたベルギー製のタペストリーが飾られているのも面白いですね。
33番目、ラスト「大船鉾」。
かつて「凱旋船鉾」とも呼ばれた、船鉾(今年は23番目)の他にもう一基会ったという山鉾です。
残念ながら、1864年に蛤御門の変で焼失したそうで、その後伊予曲折を経て、2012年から唐櫃で巡行に復帰しているそうです。
この様子も、以下に動画で。
【動画】大船鉾巡行 @ 2013年祇園祭・山鉾巡行
この鉾も、完全復活してほしいところですね。
この大船鉾が巡行した後、警察と信号復旧作業車がやってきます。
山鉾巡行のために引っ込められていた信号機が元に戻され、道路の交通規制が解かれていきます。
道路も街も、こうして日常への還っていきます。
以上で、今年の祇園祭・山鉾巡行の記事を終わります。
それでは、今回はここまで。
また次回。
*京都妖怪探訪まとめページ
http://moon.ap.teacup.com/komichi/html/kyoutoyokai.htm
*京都・祇園祭のHP
http://www.gionmatsuri.jp/
*八坂神社のHP
http://web.kyoto-inet.or.jp/org/yasaka/index.html
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