貴船編第7話、いよいよ貴船神社の奥宮(おくのみや)です。
ここ数日、またオフが公私共に多忙のため更新を停滞させてしまいましたが、何とか再開します。
現在の貴船神社には「本宮」と「奥宮」とがありますが、元々はこの「奥宮」こそが本宮だったのです。しかし永承元年(1046年)に水害に遭い、天喜3年(1055年)に現在の地に本宮を移したそうです。
つまり、和泉式部や源義経などが訪れたのもこの地だったのです。
鉄輪伝説や橋姫伝説など数々の伝説の舞台となったのも、あの「丑の刻参り」発祥の地となったのも、この奥宮なのです。
それだけに、妖怪ヲタクでオカルトマニアな私にとっても、この奥宮を訪れたのは非常に感慨深いものがありました。
この奥宮で私は、数々の伝説を生み出したものとその痕跡等を見ることができました。
さらに、ちょっと不思議な人とも出会いました……。
では、前回の続きから。
入り口と思い川を越えて、参道を進んで行きます。
確かこの時、ちょうど雨が降っていたか、もしくは雨上がりだったと思います。
水の神様が支配する地にふさわしく、辺りには涼やかで清浄な空気が満ちあふれているような感じでした。
奥宮境内の門です。
この門の脇に、小さな手水舎があります。
門から入ってすぐ左のところに、大物主命(オオモノヌシ)を祀る末社・日吉社と「連理の杉」があります。
なんとこの木、杉と楓が和合したという非常に珍しいものだそうです。
おそらくは前回の「相生の大杉」みたいに、縁結びの象徴とされているのでしょう。
味耜高彦根命(アヂスキタカヒコネ)という神様を祀る境内の末社・吸葛社。
この読み方は「すいかずらしゃ」と読むのでしょうか?
境内には他にも、神武天皇の皇后・五十鈴姫命(イスズヒメ)を祀った末社・鈴市社もあります。
ところで、ここで祀られている味耜高彦根命という神様ですが、出雲の国造り神話で有名な大国主命と宗像三女神の一人・田霧姫(タギリビメ)との間に生まれた子供だそうです。
シリーズ第24回の地主神社で縁結びの神様としても祀られていた大国主命。
この神様は田霧姫だけでなく、因幡の八上比売(ヤガミヒメ)や、スサノオの娘・須勢理毘売命(スセリヒメ)、そして田霧姫と、神話上では複数の美女たちと関係を持ち、しかもそれぞれ子供までつくったことでも知られています。
それで「縁結びの神様」に? 男からすればうらやましすぎる……特に私のような「万年彼女なしモテない男」からすれば「チクショー、コノヤロー!」っと言いたくなるような方ですが……。
いかん、話が妙な方向へそれましたので(笑)、奥宮の境内めぐりに戻ります。
そして吸葛社のすぐ隣にあるのが、奥宮に伝わる神話・伝説の遺産・「船形石(ふながたいわ)」です。
神武天皇の母でもある女神・玉依姫(タマヨリビメ)が、浪花(現在の大阪辺り)から鴨川を遡ってこの貴船の地に着いた時、乗り物にしていた船(黄船)を、小石で覆ったのがこの「船形石」である。
そんなSFみたいな伝説が遺されています。
「航海や旅行にその小石をもっていくと安全に守られる」との言い伝えがあります。しかし現在では、この石を勝手に持っていくことは禁止されているそうです。
私の記憶に間違いがなければ、確かそうでした。
ところで「貴船」の地名の由来ですが、この「黄船」に由来するとの説もあるそうです。
その他、万物のエネルギー「気」が生ずる根源を意味する「気生根」から来ているとの説もあります。ここから生じる「気」に触れて、元気も運気も満たされて、あらゆる願い事もかなうという。
まさに「パワースポットの中のパワースポット」が貴船ということなのです。
そして奥宮の本殿を訪れるのですが、今回もそこそこの長さになりましたので、ここで一旦切ります。
この続きはまた次回の後編に。
貴船神社のホームページ
http://kibune.jp/jinja/
*京都妖怪探訪まとめページ
http://moon.ap.teacup.com/komichi/html/kyoutoyokai.htm
最新の画像もっと見る
最近の「妖怪スポット」カテゴリーもっと見る
最近の記事
カテゴリー
バックナンバー
2008年
人気記事