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靖国参拝訴訟 違憲判断は司法府の警告だ(毎日社説)

2005-10-02 00:17:44 | 靖国問題
 小泉純一郎首相の靖国神社参拝の是非が問われていた訴訟の控訴審で、大阪高裁が30日、参拝を内閣総理大臣としての職務行為と認定した上、政教分離原則に反し、憲法が禁止する国による宗教活動に当たる、との違憲判断を示した。

 同種の訴訟で小泉首相の参拝を「私的」なものとした前日の東京高裁判決とは、対照的な判断だ。これまでに下された地裁判決でも結論が分かれているが、憲法判断まで踏み込んだ2件の判決がそろって違憲判断を示したことには注視しなければならない。いずれにせよ、最高裁の判断を仰ぐことが望ましい問題だが、小泉首相をはじめとする政府関係者は、判決を司法府からの警告として重く受け止めるべきは言うまでもない。

 判決内容は、全般的に小泉首相に手厳しい。公務と認定した根拠として、公用車を使ったこと、秘書官を伴ったこと、「内閣総理大臣 小泉純一郎」と記帳したことなどを挙げるとともに、首相に就任する前の公約の実行としてなされた、とも指摘している。さらに「3度にわたって参拝した上、1年に1度参拝する意志を表明した」「国内外の強い批判にもかかわらず実行し、継続しているように、参拝実施の意図は強固だった」と強調している。総理大臣に対して憲法を順守した言動を求める司法府の厳しい姿勢の表れ、と受け止めたい。

 判決も述べたように、総理大臣にも個人的に信教の自由が保障されている。また、靖国神社は一般の神社神道とは趣の異なる慰霊施設でもある、との認識を、少なからぬ人々が共有していることも事実だ。だからと言って、総理大臣の靖国参拝が短絡的に容認されてはならない、と判決はくぎを刺した。総理大臣という公職にある者は参拝の公私を明確にすべきであり、あえて明確にしない場合は公的行為と認定されてもやむを得ない……との厳格な判示も、総理大臣には「法的なけじめ」がことさら求められる、との認識あればこそだろう。

 参拝の公私の区別を判断する際に、公用車使用や秘書官同行の有無などが一つの基準とされるのは権利の乱用の観点から当然としても、結局は参拝に政治的な効果を伴うかどうかが分岐点となるのではないか。政府は判決を批判し、参拝はあくまでも私的なものだと主張しているが、一方で公約を果たしたと喧伝(けんでん)されるようでは、私的参拝と認定されない、というのが判決の示すところでもある。

 実際に参拝が小泉首相が言うように「心の問題」であったり、慣習にすぎないとしても、現に靖国神社や日本遺族会の関係者が総理大臣の公式参拝を求めている以上、総理大臣の私的参拝はあり得ない、との考え方も成り立つ。

 総選挙後、小泉首相は年内に参拝する、との見方が一段と強まっている。小泉首相自身は「適切に判断する」と語っているが、政教分離原則に沿った慎重さを求める判決の指摘も、適切に判断することを期待したい。

毎日新聞 2005年10月1日 0時28分

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