ロシアの北都 サンクトペテルブルク紀行

2005年秋から留学する、ロシアのサンクトペテルブルク(旧レニングラード)での毎日を記します。

西方見聞録8 ルーブル美術館は迷路-パリ-

2006-05-04 20:21:03 | Weblog
【写真:ルーブル美術館(12/04)】 
旅程
《12/04/06 パリ》
-今日の主な動き-
 10時過ぎに出かけ、Iが学校に行っている間私は一人でルーブル美術館見学。午後、Iと合流後再びルーブルへ。夕方から夜にかけて、Iの友達の日本人女性2人(パリで勉強中)とともに夕食など。

 朝、Iとともに家で遅めの朝食を食べる。食事は費用に含まれていないが、自分でパンなどを買って食べることで節約につとめているそうである。(何でも高いパリにあって、パンと水だけはロシアなみの安さ)。起きてきたホストファミリーの子どもにバナナやオレンジ没収されるなど、Iはさんざんちょっかいをだされていたが、子どもに好かれるというのは悪いことではない。ここの子どもも、ロシアの子ども達のようにかなりフレンドリーなのかもしれないと思った。

 RERという乗り物(要するにメトロのようなもの)で出かける途中、Iは私の携帯電話の着信音に設定してある、いわゆる「NOKIAサウンド」にはまり、私の携帯を鳴らしまくる。実はこのNOKIAサウンド、買った当初はロシアだけの音だと思っていたのだが各国に幅広く分布しているらしく、あちこちで同じ音が聞こえてくる。そのため、人がたくさんいるところで携帯電話が鳴ると複数の人が反応(私もその一人だが)するという大変滑稽な光景をよく目にする。NOKIA支配力の強さを感じずにいられない。

 学校へ行くIと別れる前に、ルーブル美術館とシャンゼリゼ大通りへの行き方を教えてもらうとともに、14時にSaint Michelleの噴水で待ち合わせる旨の打ち合わせをした。フランス語は発音と表記がだいぶかけ離れているので、ちゃんとノートに文字を書いて確認。一応フランス語を2年間履修したことになっている建前上、"George Ⅴ"という駅名を「ジョージ サンク」と読むくらいはかろうじて出来たが、Saintを「サン」と読む力はなく、今日はとりあえず「サイント ミッシェル」とそのままの読みで記憶。

 今日のメインはルーブル美術館。昨年来たときは夕方遅くに行ったため入れず、私は今回が初めて。観光客でごった返しているであろうことは想像に難くなかったが、ルーブル見学はパリ観光客の義務のようなもの。ここでは観光客モードの私もその例外ではない。

 いざルーブルに行ってみたは良いものの、セキュリティチェックにも入場券販売機にも予想通り長蛇の列。そこまではまだ予想の範囲内であったが、ようやく買ったチケットはなんと8.5ユーロという高さ。学割はないそうである。うちのエルミタージュは学生はただなのに...。この国は若者に芸術を広めようとする気があるのかと疑ってしまう。
 高い入場券を買ったからには隅々まで見なければと意気込んでエスカレーターを上ったものの、どういうわけか展示室ではなく外に出てしまった。ルーブルは一度外を経由してから入る仕掛けになっているのかなと思って入り口を探すが、見つからない。さまよった挙げ句ようやく見つけた入り口ではまたしてもセキュリティチェックを通され、事態が分からずにいるとエスカレーターで下りた先は先ほどのチケット売場のホール。振り出しに戻ってしまった。これをもう一度くらい繰り返し、ようやく展示室に入場できた。
 あとはパンフレットの案内図を見ながら進んでいけば良いと思っていたが、それは甘かった。案内図の縮尺が分からず、自分がどこにいるか把握できなくなってしまった。館内の表示は当然ながらフランス語のみで、日本語版のパンレットではあまり役に立たない。館内は通路や展示室が複雑に入り組んでいて、まさに迷路。順路というものはないらしく、初めて来る者としては非常に分かりにくかった。
 もう一ついただけなかったことは、館内の案内図を含む無料パンフレットにはイタリア語、スペイン語などはもちろん、日本語版や韓国語版さえあるのに、ロシア語版がないこと。そのわりに写真撮影を禁ずる旨の掲示はちゃんとロシア語でも書いてあり、ふざけた美術館だなと憤慨。
 以上の理由により来場者に対するサービスの面では二流以下だと私は思ったが、展示品は一流なわけで、道に迷いながらもモナリザの絵を含む有名な展示品をいくつか鑑賞。
 
 Iと合流後、Iに、「ミロのヴィーナスは見たか?」「ハンムラビ法典は?」など、私がおよそ目にしなかった展示品を列挙され、ルーブルは迷路状態でそこまで見られたかったことを話す。Iは一年有効の入場券を持っており、私の入場券は一日有効なので、午後、Iとともに再びルーブルに行くことにした。
 さすがパリ住民だけあって、Iは大迷路の構造を良く把握していた。ハンムラビ法典、ミロのヴィーナス、ナポレオンの戴冠の絵など、世界史図説でしか見たことのない展示品が次々に目の前に現れ、何だかんだで来て良かったなと満足。

 夕方、Iの友達の日本人2人と会う。彼女らもここでフランス語を勉強しているという。2人とも明るくて楽しい人々であった。5ユーロのカレー屋でカレーを食べた後、さらにバーに出かけて4人で語る。私が持参してきたウォッカも飲みながら話すうち、Iはいつになく饒舌になり、私達3人に突っ込まれまくり。こんな面白い仲間がいて、パリでのIの生活も楽しそうだった。  

 


最新の画像もっと見る

19 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (パリのI)
2006-05-06 18:27:32
続けてください。おもしろいです。てか君がルーブルでそんな事態になっていたとはしりませんでした。
返信する
美術館での失敗談 (東京(or茨城)のS)
2006-05-07 19:23:54
さくさくです。



俺もパリのIとNYに行った時、メトロポリタン美術館で同じような目に遭ったよ。

まずセキュリティチェックで長蛇の列。



とてつもなく広い館内で、しかも迷路のようで地図を見ても時々方向がわからなくなるほどなのに、一から順に観ていったのが間違いで、2時間経った時に、まだ全体の3分の1くらいしか観ていないことに気づいたから、その後は観る場所を限定したけれど、4時間も経つとさすがに飽きてしまい、休息を求めてセントラルパークに逃げ込んでしまいました。



古代も中世もルネサンスも観た。ピカソを含む20世紀アートも観た。

けれど、実は一番観たかったかもしれない19世紀ヨーロッパの絵は観てなかったことに気づき、やっぱり自分はおバカだったことを知る。

お金を払ってでも、ガイドツアーに参加した方が、少なくとも有名な絵は観られたのでよかったなあと後悔しましたね(汗)

返信する
Unknown (i paris)
2006-05-09 17:32:48
ちなみにNYでは俺はちゃんとガイドツアーに参加しました。日本語で丁寧に解説してくれてすごくよかったよ。
返信する
お願いです。 (TAKAHASHI)
2006-05-10 10:54:34
大変貴重で有意義な経験を積まれているようで、羨ましく思います。

ル-ブルも見てきたのですね。

死ぬまでに一度行ってみたい所です。

私は米沢で保険業を営んでいるものです。

連絡頂けると嬉しいです。

可能であればメ-ルで直接お話したいと願っております。

kurogrushi@mail.goo.ne.jp(直アドです。)
返信する
久しぶり (ともみ)
2006-05-10 20:40:21
今日はロシア語サークルマトリョーシカの三回目の活動だったよAIUのロシア語教授のアレキサンダードリンが教えてくれるんだ。活動は毎週水曜と土曜に約二時間ずつ。日本語にはない発音とまだなじみのないキリル文字は、私たち完全初心者にはすごくハードこの前のコメントにmaruyamaさんが返事を下さったけど、筑波のサークルとAIUのマトリョーシカで何か交流できないかな・・・大学はすごく楽しいよ。今台湾の友達と中国語もやってるんだできれば一年留学は台湾がいいなあって思ってる宿題が毎日山ほど出て最近寝不足だけどがんばるさあ
返信する
こんにちは。 (Maruyama)
2006-05-13 15:33:08
つっちー

最近、「つっちーがロシアに永住したがっているらしい」と噂になっています。中には、帰国したらいじるぞ~って張り切っている人もいるとか。朝練の腕立て伏せの時のような、つっちーらしい返しを期待しています☆



ともみさん

サークル同士の交流、私もすごくしたいと思っています!

筑波のカリンカは学内最古のサークルとも言われているのですが、他の大学との交流はなかったか、最近は途絶えてしまっているようです↓ 夏休みあたりに何かできたらいいかなと思っているので、次の活動の時に話し合ってみますね☆
返信する
ありがとうございます!! (ともみ)
2006-05-13 22:59:43
maruyamaさん。

今日のマトリョ~シカではロシアの歴史のビデオを見ました雷帝やピョートル

1世、エカチェリーナ2世の時代をほんの一握りですが学びました水曜日の活動ではキリル文字のテストを実施する予定です学校のHWも多くて大変ですが、頑張りたいです土曜日はロシア文化や歴史を学ぶことにしました。幸いにも教授のそれ関係のコレクションがたくさんなので今、もしかしたら部員が増えるかもしれませんところで、maruyamaさんの直アドがわかればもっと連絡し安くなると思うんですが、どうでしょうかそれにしても、兄は何をしているんでしょうもうずっと更新してないではないですかっ何か早く書いてくれないかなあでは、また
返信する
ぜひ交流を!! (Maruyama)
2006-05-15 14:44:32
ともみさん。

週2回の活動でもうキリル文字のテストですか!?すごいモチベーションですねー。授業を履修している筑波の学生より覚えが早いものと思われます。カリンカにも授業を履修して部員もいるので、サークルの中でキリル文字を教えていけるしくみを作りたいです。

連絡先のことですが、URLのところにメアドを張っておきましたので、ぜひぜひメールくださいね☆

あと拙いながらもカリンカのブログもあります。http://blog.goo.ne.jp/karinka_tkb/ 

今は、新1年生から院生までと部員のロシア語学習歴の差が大きすぎるため日本語を使ってしまうことが多いのですが、なんとか週1回・2時間程度のペースを保って活動しています。

あと1ヶ月もしたら学祭出店のための準備が始まるかなといった感じです。



お兄さんの消息気になりますね。

永住したがっているという噂は本当だったか……。
返信する
すみません↓ (Maruyama)
2006-05-15 14:47:21
ともみさん。

URLにメアドを張ってみたら、うまくいきませんでした…(よく考えたら当たり前ですね)。

メアドはmihoko03green@yahoo.co.jpです。

メールお待ちしています。



つっちー、こんな失敗でコメント欄を無駄遣いしてごめんよー。

返信する
みんな待ってる君のコメント (さくさく)
2006-05-15 15:57:29
Maruyamaさん、ともみさん



本当ですね。

つっちーは最近どうしているんでしょうね?

たった1日でも、更新をしないなんて彼にはありえないことなのに・・・



ところで、どーでもいいことなんですが、maruyamaさんてもしかしてつくマラのmaruyamaさんですか?



ともみさんはロシア語サークルで活動しているんですね!

なんか、こんな質問していいのかわからないけど、気になったので:

ロシア語が好きになったのは、お兄ちゃんの影響とかもあるのでしょうか?

返信する

コメントを投稿