ロシアの北都 サンクトペテルブルク紀行

2005年秋から留学する、ロシアのサンクトペテルブルク(旧レニングラード)での毎日を記します。

15 さらばイルクーツク

2007-08-28 19:42:47 | Weblog
【写真:イルクーツク駅のプラットホーム。左に停車しているのはウラジヴォストーク発モスクワ行き1列車「ロシア号」。52773】
05.07.2007
  
 リストビャンカからマルシュルートカを乗り継ぎ、ホステルに向かう。途中、イルクーツク水力発電所の堤防を通った。こういう人工の施設も含めて、イルクーツク市内も観光したかったが、残念ながら今回は時間がなかった。

 ホステルに到着後、近くの店にパン、お茶、ジュース、サラミなどを買いに行く。ウラジヴォストークからの移動中、車内販売や停車駅の売店でインスタント食品などを適当に買って食べていたが、多くの人々は自分でパンや野菜、肉などを持ってきて食べていたので、私もそれに習おうと思ったのだ。ここで買っておけば、車内で買うより安くすむ。
 
 ホステルの台所で遅い昼食を食べる間、スタッフと話をする。彼らの話によると、今日、2014年のオリンピック開催地がロシアのソチに決まったという。ソチといえば黒海東岸の保養地。私もいつか行ってみたいと思っている場所である。7年後というまだだいぶ先の話のことだが、ロシアでオリンピックと聞いて、私も嬉しくなった。

 17時15分過ぎ、ホステル前からタクシーに乗って駅へ向かう。スーツケースを持っているせいか何なのか、バスへの乗車を拒否されたため。時間的に結構ぎりぎりだったので、次のバスを待たずタクシーに乗った。
 アゼルバイジャン出身だという運転手は、私に「日本人か?韓国人か?」と聞いてきた。韓国人は余計だったが、いつもだいたい「中国人か?」と聞かれてうんざりしていたため、日本人という選択肢を持ち出しただけでだいぶ好感度が上がった。「日本は美しいか?」「日本は電子技術が優れている。」など、彼は日本に興味を持っているようだった。
 10分ちょっとで駅に到着。乗車の際、タクシー料金を150ルーブルから130ルーブルにまけてもらうというちょっとした交渉をしたのだが、財布には50ルーブル札しかなく、結局150ルーブル支払った。

 ロシアの鉄道は、日本と違ってぎりぎりまで発着番線が表示されない。駅に入ると巨大な電光掲示板があり、私がこれから乗る339列車も表示されていたが、番線が表示されていないため行き場のない人々でごった返していた。
 偶然、339列車よりちょっと先に発車する1列車の表示を見つけたのでホームに見に行く。1列車「ロシア号」といえばシベリア横断鉄道の代表格のように言われているが、プラツカルト車両がないため値段が高く、所要時間も他の列車とそんなに変わらない。それでも、ロシア国旗の色に塗り分けられた車両と、モスクワ-ウラジヴォストークの表示を見ると、なんとなくいいなあ、と思う。

 339列車ともう一つ、近郊列車の着発番線が確定すると、掲示板の前にいた人々は一斉に階段を下り、地下通路経由でホームに向かった。339列車はロシア号の隣、昨日到着したのと同じ5番線からの発車。シベリア鉄道2本目のこの列車で、イルクーツクから3000km以上西のエカテリンブルクを目指す。

339列車(チタ発モスクワ行き)
乗車区間:イルクーツク→スヴェルドロフスク(3375km)
発車時刻:7月5日18時02分(モスクワ時間13時02分)
到着時刻:7月7日23時14分(モスクワ時間21時14分)
所要時間:56時間12分
料金(予約料金込み):1926.0ルーブル

 思えば、昨日乗ってきた7列車は約2000km先でまだ同じ線路上を走っている。7列車から丸一日遅れて、再び西へ向かう。
 18時7分、所定より5分遅れて列車はイルクーツク パッサジルスキーを発車。
 今回のイルクーツク滞在では、限られた時間の中バイカル湖へ行くことが出来ただけでも満足だったが、次回は是非市内観光もしてみたい。ただ、ペテルブルクやモスクワと違って日本から行くのは飛行機の便数が少なかったり、乗り継ぎが面倒だったりで、距離的には日本に近いにもかかわらず行きにくい所。それでもイルクーツクはモスクワとの時差が5時間で、実は日本時間と同じなのである。日本よりはるかに西なのに不思議な感じ。次回はいつになるか分からないが、これを最後にしたくはない。必ず、また来よう。そんな思いとともに、イルクーツクを後にした。 


最新の画像もっと見る

コメントを投稿