安全面から、緑を考える
わたしは、マンションの植栽管理を考える視点は3つあると考えています。
①安全面から、緑を考える
②景観面から、緑を考える
③運営・管理面から、緑を考える
今回は、この3つの視点のうち、①安全面から緑を考えるについて、少しご紹介します。
マンションという人の居住空間では、人の生活と緑の距離がとても近いです。
そこでは、快適な生活に緑が欠かせないと考える人も多い一方、
ともすると、快適な住環境を維持したり、創る上で、緑=植物が人に危害を与え、
「問題のある木は、切ってしまえ!」
「いや、木を切るなんてとんでもない!」
と、議論になることがよくあります。
・木がうっそうとしており、見通しが悪い。。
・枝が低く、車で通りづらい。。。駐車しにくい。。。
・街灯が木に隠れていて暗い。。。
・看板が木に隠れて見づらい。。
・生垣の高さが高く、通行人の姿が見えにくい。。。
・樹木と建物の距離が近く、泥棒が入れるんではないか?
。。。こういうことを感じたことは、ありませんか?
自分の身近に、こういう状況があれば、それはとても不快ですし、危険です。
高温多雨の日本では、植物が自然に生長します。
木を切るなんて!という方の木のイメージは、
野山の植生のイメージでいらっしゃることが多いです。
自然にのびのび育っている木を、美しいと考える。
これは、わたしも共感できます。
しかし、野山の植生を、そのまま、都会の居住空間に持ってくるのはむずかしい。
野山の植物では自然な形で植物を生長させても、
隣の木に負けた樹木が自然に倒れても、人間に危害を与えることはありませんから。
やはり、マンションという居住空間では、人の生活の快適性と、
安全性を一番に考えなければならないと思います。
そのために、植物の成長に手を加え、コントロールする、管理は欠かせません。
危害を与える木は、ある程度切るなり、間引くなり、
リフォームするなり、手を加えなければならないと思っています。
むやみに鉛筆のように切ったり、間引いたりしたのでは、
理解が得られないのはわかります。
そこで、安全面から緑を考えます。
植物を植えるときは、植物の防災機能を積極的に活用した緑の配置を考え、
植物を植えた後は、樹木の剪定方法、高さなどを指定し、必要な分だけ剪定する。
こうして、植物の管理によって、植物があることによる危険性を回避し続けられるように考えています。
安全面から緑を考え、人が、車や自転車、人同士の事故や犯罪に合わないようにする空間を創っていきたいのです。
[植栽があることによる危険性の回避]
■直接的危険性
○倒木による事故
○衝突など、通行の妨げになる事故
○車の進入経路に伸びた植物と車両の接触事故
■間接的危険性
○視界の不良による車両事故
○犯罪の誘発
[植栽の防災機能を積極的に活用する]
■直接的機能
○落下物からの保護
○日陰をつくることによる熱中症などからの保護
○樹木の耐火機能
○根による土の流出防止機能
○光合成によるCO2の固定
■間接的機能
○樹木が視界に存在することによる車両のスピードの抑制機能
○緑の癒し機能