3月8日の金曜日、カナダヤマアラシのムックが名古屋市の東山動物園へ旅立ちました。
カナダヤマアラシは国内の動物園でも12頭ほどしか飼育されておらず、
このまま別々に飼育していても、頭数は減っていくばかりです。
そのため、埼玉県こども動物自然公園と名古屋市東山動物園と当園にいる
繁殖可能な若いカナダヤマアラシをお見合いさせて、繁殖させようということになりました。
当園には、16才のピンコおばあちゃんと、5才のオスのムックがいて、
ムックが名古屋へおむこさんにいくことになったというわけです。
3月8日。11:30
もう後ろは振り向きません。
飼育係の藤波さんに抱きかかえられて、住み慣れた獣舎をあとにします。
くまのぬいぐるみを抱えてるかのようですが、まねしないでね。
カナダヤマアラシの針って、かえしがついていて、相手の皮ふにつきささると抜けないようになっているんですよ。
あの針はただの脅しじゃあないんです。
その場で相手をいかくするだけではなく、闘いの場が終わったあともじわじわと相手を痛めつける針、
防御とみせかけて攻撃。なかなかいやらしい攻撃のしかたです。
(ちなみに時々来園者の方から、あの針は飛ぶんですか?と聞かれますが、飛びません)
(アフリカタテガミヤマアラシの針も、飛びません)
とはいえカナダヤマアラシは大人しく、自分から攻撃を仕掛けてくるわけではありません。
さて、移動用のケージに入れられたムック。
遠足に来ていた保育園のお友達が手を振って見送ってくれました。
華々しい?壮行会を終え、そのまま車に乗りこみ、名古屋まで直行です。
少しさみしくなりますね。
でも、甲府にはピンコおばあちゃんがいます。
ムックほど高いところは目指しませんが、気が向けば松の木にも登ってくれます。
(ムックには本当にひやひやさせられましたが・・・)
↓こちらはムック。よじよじ登っていきます。
↓こちらが、凍らせたペットボトルで盆地の夏をやりすごすピンコおばあちゃんです。
4時間ほどして名古屋から、無事に到着したというお電話をいただきました。
東山動物園でも、みんなに可愛がられて元気に過ごしてね!
甲府では職員一同、良い知らせを待ちたいと思います。