kochikika ノート

旧「こちら某中堅企業企画室」。リーマン話、時事の話、パリーグ話など。ぼちぼちやってます。

再開発と日本橋首都高移設に思う話

2006-01-13 00:58:56 | 時事雑記
こないだ久々に夜の銀座にお供で行ってきました。
お隣の日本橋や新橋に再開発の波が来ている中、出店は変わっても(カルティエと吉野家が並んでいる風景)、街並みはそんなに変わっていないことになんとなくホッとしたりします。
まあめったに行くこと無いので、景観に目くじら立てるほどの利害があるわけでもないのですが。
 
銀座というところは今は人が横に流れる街だそうで、築地方面との流れは活発ながら、新橋方面はシオサイトの誕生以来、途絶え気味とか。
超高層のビルがある街というのは、人の流れがそこで完結してしまうという面があるようです。
再開発側とすればそこを狙っているのですけどね。
 
森ビルの社長さんが90年代に仰っていたのは、東京には土地が無いのだから、上へ上へ伸ばしていくんだという単純明快な発想でした。
また、環境問題がさけばれる中、(廃棄物等出さぬよう)建物の寿命はもっと長くなきゃいかんということで、高寿命の設計になっています。
ということは、ブロガーの皆さんが生きてる間は、何もなければあの風景は変わらないわけで、良くも悪くも共存していかなくてはならないということ。
 
以前、姉歯関連エントリで「永遠に普請中の日本」というTBを頂戴したのですが、人のライフスタイルや価値観とともに、建物は普請し続けていかねばならないものだと思います。
これは景観のみならず、例えばその建物がどれだけエネルギーを食うかという観点も含めて。
ガラス張りの建物なんかは、今はちょっと厳しいかと(もっとも、今は省エネ機能を持つガラスが出てきているが)。
 
郊外にあるウチの近所にも建ちはじめた超高層ビル(マンション)は、普請を拒否する点が従来の建物と大きく違う点です。
いただいたTBは普請中の日本の姿を批判したものでしたが、このような形をもって(少なくとも)その地域における普請は終わるのかもしれません。

規制緩和という小泉流構造改革は、地方のハコモノは減らしたかもしれませんが、違った形でハコモノを増やし続けています。向こう100年の景観と引き換えに。
我々が海外の都市に旅行で行くとき、空襲で焼かれていない歴史ある街並みを楽しみに行くのと逆で、こんな街並に「Visit Japan」と言っても魅力無いと思うのですが、観光客誘致はアジアシフト、渋谷や秋葉原といったカオスシフトということなんでしょうか。

まあ観光はさておき、そんな中で出てきたのが日本橋上空の高架線撤去話です。
話自体は前からあったのですが、小泉&石原の最強タッグが前向きとなれば、実現性は高いだろうと。
背後に非常に胡散臭いものを感じますが、こうした景観重視と「減築」の考え方の周辺への波及が望めるのであれば、その2点をもって、そんなに悪いことではないかなと思っています。

税金の無駄と言われりゃそれまでなんですが、街づくりの観点からすれば、野放図な再開発を容認して、こっちはダメってこともなかろうと。
もしそこが首相の言うように「世界的な名所」になるとすれば、長期的に富をもたらすかもしれんし。まあこの点は思いっきり未知数ですけど。

しかし日本橋を挟んで、一般的な地図で言うと右下にあたる国内最大手の証券会社の“軍艦ビル”と布団屋さんのビル、左下と左上の三越と橋の間の細い隙間のビル、右上の公衆便所があるあたり、この辺に空気を読まない建物が建っちゃうとこれはもう台無しなので、やるなら充分気をつけてくださいねと。

それから日本橋上空撤去なら、隣の江戸橋上空はどうなるのかと。
上野方面への首都高が昭和通り上空にかかっているのでどうなるかわかりませんが、こちらも軍艦ビル、歴史ある倉庫会社の建物があるうえに、ちょうど日本橋川がカーブに差し掛かかる箇所であることから、上空がクリアになると意外な風景が見えてくるかもしれません。
残念なのは、これまた歴史はある日本橋郵便局の建物が無粋な点。
普請するか。


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