kochikika ノート

旧「こちら某中堅企業企画室」。リーマン話、時事の話、パリーグ話など。ぼちぼちやってます。

ブルドック防衛策最高裁判断について思う話

2007-08-27 21:14:39 | 時事雑記

最高裁がスティールの抗告を棄却、ブルドックは株数が3.6倍(ロイター) - goo ニュース

[東京 7日 ロイター] 最高裁は7日、米投資ファンドのスティール・パートナーズがブルドックソース<2804.T>の買収防衛策の差し止めを求めた仮処分について、防衛策の発動を認めた東京高裁の決定を不服としたスティールの抗告を棄却した。

ちょっと時期はずれの話になりますが、今朝の日経にアンケート記事が出てたのと、高裁判断のときもコメントしたのでふたたび。
当方の基本スタンスは同じで、今回の件は8割を越す株主の支持を得たうえでの会社決定であり、それが何より重いということ。

高裁の判断のときにその内容を批判する声も多く出ましたが、株主の支持が圧倒的であり、それが判断に与えた影響も大きかったと推測されることからすれば、合理性より情緒を優先させた株主の判断こそ批判されるべき話。
まあ、なんぼ保守系のブログであっても、参院選の結果について有権者を批判するところは無いわけで、矛先がお上に向かうのはしょうがないですけどね。

スティールが濫用者かどうかということより、買収にいたるプロセスの問題だと思うのですよね。今回の場合、スティール側は、既存の株主に対し、自分が経営権を握ったらどうする、こうするというビジョンを示すことが無かった。これでは既存株主も判断に困る。

買収側も被買収側も、「ウチらに任せてくれ、理由はかくかくしかじか・・・」と株主に対する説明を尽くせるような状況になれば、経営側も投資側も株主側も、そしてメディアも、すべてが企業価値向上の一点を目指すような形になると思うのですよね。

で、これはいろんな意味でそれぞれの立場の成熟度を増すことに繋がることになり、今回の司法判断を批判した側の人たちの望む状況に繋がることにもなるのだろうと。
まあこれまた繰り返しになりますが、説明資料の作成や段取りをしなければならない会社側担当者はたまったものではないのですけどね(w。

あと、ファンドのジャパンパッシング論ですけど、公的な統計とかがあるならそっちをあたっていただくとして、周辺の話だけで申し上げると、最近は外資の方々とのミーティングがひっきりなしの状況ですよ。
ちなみに弊社では、アクティビスト的な提言を受けたことはないです。総会に出したいくつかの議案に懸念を示されたことはありましたけど。

アクティビストを否定するわけじゃないんですけど、多くのファンドマネージャーが該当する、「安ければ、そして買える材料があれば、買う。そして高くなれば、そして買える材料が乏しくなれば、売る。」
こういうシンプルなスタンスで臨んでくる人たちの方が潔いですし、経営サイドにもプラスになるように思えます。「買える材料」、これすなわち経営判断に他なりませんので。。



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